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ア・ホールド・ダンジョンズ!  作者: オレン
第一章 ホール・ダンジョン
95/217

第95層 2人の朝

この作品は、文章表現レベルが1/1000Lvの作者の書いた作品です。

キャラ名が被ったりしますが、作者はオリジナルだと思っています。

様々な表現が含まれますが、話の内容と、作者の成長を見守ってください。

 朝。

2人とも、日の出と言う同じタイミングで目を覚ます。

 正直、眠りについたは良いが、浅い眠りばかりで、まるで眠った感じがしない。

 一体、何度寝したことだろうか……。

 目を覚まして、ミライは適当におにぎりを作るも、2人はほとんど手をつけなかった。

 そして、この2週間ぐらいの長旅で、始めて「いただきます」を言わない食事になったのである。

 ミライは、皿に盛り付けられた6個のおにぎりを見つめる。

そして、どんどん目線を上げて行き、ミチの顔に目を向ける。

 今までに見たことの無いようなミチの表情。

その表情は、先を全く見ず、目の前の闇をずっと見ているかのよう。

 ミチはミライの目線に気がついたのか、ミライの方を見た。

 ミチはずっとミライの目を見続ける。

ミライも目をそらす事無くミチの顔を見続ける。

 笑わないミチは新鮮だが、少し寂しい……。

 ミライは少しミチに笑みを見せる。

 ミチは笑わない。

 ミライは歯を見せるように笑顔を作る。

 ミチは笑わない。

 だめか、笑わないか……。

 ミライはため息をつき、表情を濁す。

「ふふっ」

ミチは笑顔を見せる。

「なんでだよ!」

そうミライは言って、笑顔を見せる。

「そうだよね。悲しんでいても仕方ないもんね」

ミチは言った。

「うん。悲しんでいても先に進めない」

「そうよね。……そんなのユミルが望んでないわよね」

そうミチは言って、ユミルの剣を取り出し、地面に置く。

 あれ、僕も剣持ってたような……。

 ミライはメニュー画面からユミルの剣を取り出す。

「あれ、なんでミライも持ってるの?」

「それは、ユミルの剣の刃の部分をメニュー画面に……」

「私は、持ち手の方をメニュー画面に入れたわよ」

「まさか……」

そう言って、ミライは目の前のおにぎりを手に取り、半分に分けて半分をミチに差し出す。

「メニュー画面に入れて取り出して」

ミチは言われるままに、メニュー画面に入れて取り出す。

ミライも、ミチと同じ動作をする。

 2人の手元には、分ける前のサイズのおにぎりが……。

 これで皿におにぎりが7個。

「これって、増殖!?」

ミチが驚いた表情を見せる。

「まあ、そういうこと」

「これを使えば!……」

「やめとこう。たぶん、どこかでネロさんに見られているだろうから……」

ミチの汚い考えをミライは否定して、少し周りを見渡す。

「そうよね……」

ミチは少し残念そうな顔をする。

「そんな事より、一回ビナンケに戻ろう。このまま先に進むわけにも行かないし」

そう言って、ミライは立ち上がる。

「そうよね。でも、その前に一つだけ」

ミチは立ち上がると、ユミルの剣を1つ手に持ち、地面に突き刺した。

 ミライはその行動の意味が分からなかった。

「こうすると、死人の魂に安らぎを与えられるの……」

ミチは呟くように言った。

「ふーん。だったら……」

ミライは、もう1つのユミルの剣を手に取り、ミチの刺した剣を交差させるように剣を地面に刺した。

 まあ、ミチの剣が真っ直ぐ刺さっているので、見た目は不恰好な重なりだが……。

「こっちの方が何となくカッコイイ」

そう言って、ミライは腕を組みうなずく。

「……まあ、いいわ」

 ミチは何か不満があったようだが、何も言わなかった。

「……そろそろ、行こうか」

「いくわよ!ビナンケへ!」

ミチは少し震えた声で、叫ぶように元気に言う。

 「じゃあな。ユミル……」

ミライも声が震える。

 声は鳴きそうだが、涙は見せないミライ。

 こうして2人は、不安定な気持ちの中、ビナンケへと向かうのだった。

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