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ア・ホールド・ダンジョンズ!  作者: オレン
第一章 ホール・ダンジョン
91/217

第91層 死の光

この作品は、文章表現レベルが1/1000Lvの作者の書いた作品です。

キャラ名が被ったりしますが、作者はオリジナルだと思っています。

様々な表現が含まれますが、話の内容と、作者の成長を見守ってください。

 2人は影が出来た瞬間、同時に真上を見る。

 そこには、消えたはずのロンギコロンの姿があった。

「いつの間に!?」

ユミルは真上を見ながら叫ぶ。

「見えなかった……」

ミライは呟く。

 ずっと見ていたつもりだったのに、消えていた。

そして、放った魔法は当たったのか分からないが消えている。

 ロンギコロンは、バリアの上空に現れたと思ったら、突然針のようなものを尾の方から出してきた。

 1、2発は跳ね返したもの、3発目はバリアに半分めり込んだ。

バリアはミシミシ音を立てて、ひび割れていく。

「うそだろ」

ミライは目の前の現状を見て言う。

「どうすんだミライ。やばいぞこれ」

ユミルは、いつバリアが割れても良いように剣を構えている。

「この守りを破片にして飛ばす。ユミルは1発ライトアタックを一発放ってミチ抱えて逃げて」

「わかった」

そう言って、ユミルは倒れているミチの前で構える。

「いくよ。3、2、1、フリーズスプリンター!」

「ライトアタック」

バリアの破片変化とほぼ同時に、ユミルの斬撃が飛び出す。

 ライトアタックは見事にロンギコロンに命中。

 (ふ、その程度の攻撃)

あの感じだと、攻撃は全く聞いていないようだ。

 そして、ミライの出したフリーズスプリンターは飛距離が弱く、相手に届いていない。

 ミチを抱えたユミルと、ミライは、全力で大樹の方へ走る。

「バリア、バリア、バリア……」

ミライは、適当にバリアを空中に数枚張る。

 4枚目が、瞬時に移動するロンギコロンを捉える。

 ロンギコロンはその場でうろたえる。

「フリーズスプリンター!」

ミライが叫んだ瞬間、地面に向かって落ちるバリアも、ロンギコロンがぶつかったバリアも破片へと変化し、ロンギコロンに向かって飛んでいく。

(ぎゃあああああああ)

ロンギコロンの、目や腹部に幅広く命中。

 ロンギコロンは右往左往する。

「いけるぞミライ!」

ユミルはそう言いながら、ライトアタックを繰り出す。

「フゲネスフレイム!」

ミライは目の前に巨大な火の玉を作り、ロンギコロンに向かって飛ばす。

 火の玉は一直線に飛んで行き、ロンギコロンの薄い左羽を1枚貫いた。

 ロンギコロンは空中でバランスを一瞬保てなくなる。

「ライトアタック、ライトアタック、ライトアタック……」

ユミルは追い討ちとばかりに、光の斬撃を飛ばし続ける。

 2発3発とリズム良く当てていく。

 これは勝てるかもしれない!

 (あまり調子に乗るんじゃないわよ!)

ロンギコロンは叫び、体を大きく揺らす。

 そして、4枚の羽を大きく後ろに下げて、前に押し出す。

押し出された瞬間、一点にに風が集まり、鎌のような形をかたどってこちらに向かって飛んでいく。

「バリア!」

ミライは空中にバリアを作り、カマイタチの風を受け止める。

 だが、一瞬だけしか耐れず、バリアは真っ二つに割れる。

「ミライ、危ない!」

ユミルは叫んで、ミライの5歩前に立ち、剣でガードする姿勢を見せる。

「ユミル避けろ!あれは受け止めきれない!」

ユミルはかわそうとしない。

「バリア、バリアバリアバリア!」

ユミルの前に、分厚く巨大なバリアを4枚設置する。

 相当強固に作ったはずのバリアは、カマイタチの前では無意味。

あっというまに4枚は真っ二つに切られてしまう。

 そして、カマイタチのような重風は、ユミルの剣とぶつかる。

「くっ、くぬぬぬぬぬぬ……」

ユミルの手が大きく震えているが、力は対等のようだ。

 ユミルは重風を押し返そうと、剣を前に出す。

「フリーズスプリンター」

ミライは割られたバリアを再利用して、真上に向かって氷の破片を飛ばす。

 氷の破片が、ロンギコロンに突き刺さっていく。

 ロンギコロンはふらふら飛んでいる。

その時、ユミルの剣からミシミシと、いやな音が鳴り始めた。

「ユミル!」

ユミルの後姿を見て、ミライは叫ぶ。

「ぬおおおおおおおおおおおおおお!」

ユミルは大きく声を上げて、一歩足を前に出す。

 そして・・・・・・・・・・・・。


 空中に舞い上がったのは、ユミルの大剣の刃の部分。

剣の刃が中に舞ったとほぼ同時に、ユミルの体も中に舞い、ミライとミチの上を飛んでいく。

ユミルの体を追いかけるように、赤い液体が宙を舞う。

 本当に一瞬の出来事だった……。

 ミライは目の前で起きたことが信じられなかった。

そして、その場で目と口を大きく見開いて固まる。

 嘘だろ……。

 こんな事って、こんな事って!

 僕がいけないのか……僕がもう少し強ければ……。

 「ゆ、ユミルうううううううううううううううううう」

地面で寝転んでいるミチが叫ぶ。

その声を聞いて、ミライは我に返る。

 そして、ミチを抱えてユミルの元に走る。

 仰向けで倒れているユミルの元にたどりつき、ユミルの隣にミチを寝かせる。

 ユミルの体は大きく引き裂かれて、血を流していた。

 「ユミル、おい、ユミル!」

ミライは声を掛けながら、スプレー式の再生薬、回復薬を取り出す。

「ミライ……」

ユミルは薄く目を開けて、弱々しい声で言う。

「なんだよ」

ミライはユミルにスプレーを噴きかけ続ける。

「うそだろ……」

ミライは目の前の光景に声を上げる。

 ユミルの体から、あの死の光が現れ始めた。

 ユミルの足先から少しずつ消え始める。

 ミライは完全に空になったスプレー薬を後ろに投げ、2本目を傷口に吹きかける。

「おい、ユミル!こうすれば治るんだろ!なんだよ、どういうことだよ!」

消えかかったユミルの体に、しずくがポタポタと落ちる。

 ミライは3本目のスプレー缶を取り出し吹き付ける。

しかし、スプレーの狙いが定まらない。

 ユミルの体は、半分近くまで消え始めて、存在自体が薄く透け始めている。

「ユミル……ユミル!」

ミライはユミルの顔をずっと見て、スプレーをかけるのを止めた。

 体に触れようと思ったが、何故か触ることが出来ない。

 ユミルは目を完全につぶって、少し笑い、口を空ける。

「……ミライ、楽しかったよ。……ミライは強いよ……だから……ミチを……」

その言葉を残し、完全にユミルの姿が見えなくなる。

 残ったのは、赤い大きな血の跡だけ。

 ミライはその残った血の跡の上に両手を付く。

「うわあああああああああああああああああ」

ミライの悲痛な叫びが、あたり一面に響き渡った。

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