第91層 死の光
この作品は、文章表現レベルが1/1000Lvの作者の書いた作品です。
キャラ名が被ったりしますが、作者はオリジナルだと思っています。
様々な表現が含まれますが、話の内容と、作者の成長を見守ってください。
2人は影が出来た瞬間、同時に真上を見る。
そこには、消えたはずのロンギコロンの姿があった。
「いつの間に!?」
ユミルは真上を見ながら叫ぶ。
「見えなかった……」
ミライは呟く。
ずっと見ていたつもりだったのに、消えていた。
そして、放った魔法は当たったのか分からないが消えている。
ロンギコロンは、バリアの上空に現れたと思ったら、突然針のようなものを尾の方から出してきた。
1、2発は跳ね返したもの、3発目はバリアに半分めり込んだ。
バリアはミシミシ音を立てて、ひび割れていく。
「うそだろ」
ミライは目の前の現状を見て言う。
「どうすんだミライ。やばいぞこれ」
ユミルは、いつバリアが割れても良いように剣を構えている。
「この守りを破片にして飛ばす。ユミルは1発ライトアタックを一発放ってミチ抱えて逃げて」
「わかった」
そう言って、ユミルは倒れているミチの前で構える。
「いくよ。3、2、1、フリーズスプリンター!」
「ライトアタック」
バリアの破片変化とほぼ同時に、ユミルの斬撃が飛び出す。
ライトアタックは見事にロンギコロンに命中。
(ふ、その程度の攻撃)
あの感じだと、攻撃は全く聞いていないようだ。
そして、ミライの出したフリーズスプリンターは飛距離が弱く、相手に届いていない。
ミチを抱えたユミルと、ミライは、全力で大樹の方へ走る。
「バリア、バリア、バリア……」
ミライは、適当にバリアを空中に数枚張る。
4枚目が、瞬時に移動するロンギコロンを捉える。
ロンギコロンはその場でうろたえる。
「フリーズスプリンター!」
ミライが叫んだ瞬間、地面に向かって落ちるバリアも、ロンギコロンがぶつかったバリアも破片へと変化し、ロンギコロンに向かって飛んでいく。
(ぎゃあああああああ)
ロンギコロンの、目や腹部に幅広く命中。
ロンギコロンは右往左往する。
「いけるぞミライ!」
ユミルはそう言いながら、ライトアタックを繰り出す。
「フゲネスフレイム!」
ミライは目の前に巨大な火の玉を作り、ロンギコロンに向かって飛ばす。
火の玉は一直線に飛んで行き、ロンギコロンの薄い左羽を1枚貫いた。
ロンギコロンは空中でバランスを一瞬保てなくなる。
「ライトアタック、ライトアタック、ライトアタック……」
ユミルは追い討ちとばかりに、光の斬撃を飛ばし続ける。
2発3発とリズム良く当てていく。
これは勝てるかもしれない!
(あまり調子に乗るんじゃないわよ!)
ロンギコロンは叫び、体を大きく揺らす。
そして、4枚の羽を大きく後ろに下げて、前に押し出す。
押し出された瞬間、一点にに風が集まり、鎌のような形をかたどってこちらに向かって飛んでいく。
「バリア!」
ミライは空中にバリアを作り、カマイタチの風を受け止める。
だが、一瞬だけしか耐れず、バリアは真っ二つに割れる。
「ミライ、危ない!」
ユミルは叫んで、ミライの5歩前に立ち、剣でガードする姿勢を見せる。
「ユミル避けろ!あれは受け止めきれない!」
ユミルはかわそうとしない。
「バリア、バリアバリアバリア!」
ユミルの前に、分厚く巨大なバリアを4枚設置する。
相当強固に作ったはずのバリアは、カマイタチの前では無意味。
あっというまに4枚は真っ二つに切られてしまう。
そして、カマイタチのような重風は、ユミルの剣とぶつかる。
「くっ、くぬぬぬぬぬぬ……」
ユミルの手が大きく震えているが、力は対等のようだ。
ユミルは重風を押し返そうと、剣を前に出す。
「フリーズスプリンター」
ミライは割られたバリアを再利用して、真上に向かって氷の破片を飛ばす。
氷の破片が、ロンギコロンに突き刺さっていく。
ロンギコロンはふらふら飛んでいる。
その時、ユミルの剣からミシミシと、いやな音が鳴り始めた。
「ユミル!」
ユミルの後姿を見て、ミライは叫ぶ。
「ぬおおおおおおおおおおおおおお!」
ユミルは大きく声を上げて、一歩足を前に出す。
そして・・・・・・・・・・・・。
空中に舞い上がったのは、ユミルの大剣の刃の部分。
剣の刃が中に舞ったとほぼ同時に、ユミルの体も中に舞い、ミライとミチの上を飛んでいく。
ユミルの体を追いかけるように、赤い液体が宙を舞う。
本当に一瞬の出来事だった……。
ミライは目の前で起きたことが信じられなかった。
そして、その場で目と口を大きく見開いて固まる。
嘘だろ……。
こんな事って、こんな事って!
僕がいけないのか……僕がもう少し強ければ……。
「ゆ、ユミルうううううううううううううううううう」
地面で寝転んでいるミチが叫ぶ。
その声を聞いて、ミライは我に返る。
そして、ミチを抱えてユミルの元に走る。
仰向けで倒れているユミルの元にたどりつき、ユミルの隣にミチを寝かせる。
ユミルの体は大きく引き裂かれて、血を流していた。
「ユミル、おい、ユミル!」
ミライは声を掛けながら、スプレー式の再生薬、回復薬を取り出す。
「ミライ……」
ユミルは薄く目を開けて、弱々しい声で言う。
「なんだよ」
ミライはユミルにスプレーを噴きかけ続ける。
「うそだろ……」
ミライは目の前の光景に声を上げる。
ユミルの体から、あの死の光が現れ始めた。
ユミルの足先から少しずつ消え始める。
ミライは完全に空になったスプレー薬を後ろに投げ、2本目を傷口に吹きかける。
「おい、ユミル!こうすれば治るんだろ!なんだよ、どういうことだよ!」
消えかかったユミルの体に、しずくがポタポタと落ちる。
ミライは3本目のスプレー缶を取り出し吹き付ける。
しかし、スプレーの狙いが定まらない。
ユミルの体は、半分近くまで消え始めて、存在自体が薄く透け始めている。
「ユミル……ユミル!」
ミライはユミルの顔をずっと見て、スプレーをかけるのを止めた。
体に触れようと思ったが、何故か触ることが出来ない。
ユミルは目を完全につぶって、少し笑い、口を空ける。
「……ミライ、楽しかったよ。……ミライは強いよ……だから……ミチを……」
その言葉を残し、完全にユミルの姿が見えなくなる。
残ったのは、赤い大きな血の跡だけ。
ミライはその残った血の跡の上に両手を付く。
「うわあああああああああああああああああ」
ミライの悲痛な叫びが、あたり一面に響き渡った。




