第9層 宿主のお姉さん
この作品の作者は、文章表現が現時点でLv1/無限です。
様々な名称、場面が出てますが、作者は全てオリジナルだと思っています。
作品も作者も成長過程ですので、あまり期待はしないでください。
頭がズキズキ痛む……。
何も見えない真っ暗な世界。
ここは……。
「変態!」
「うわっ」
ミライは、声と共に飛び上がった。
どうやら僕は、気を失ったらしい。
気を失う前はたしか……。
そう考えれば、まあ気を失って当然か……。
「いてててて……ここは……」
声を放つたびに、頭に痛みが響く。
ふと周りを見渡してみる。
それなりにふかふかなベッドが下にあり、部屋のあちこちに、鏡や棚などの日常品が置かれている。
何となくどこかの建物の中だと分かった。
ふと鏡を見ると、鼻下と服が赤く染まっている。
恐らく鼻血の赤だろう。
その鼻血は、あの強烈な蹴りでなのか、一瞬の強烈な興奮によるものなのか分からないが……。
しかしここはどこなんだろう。
そう思っていたら、左奥にあるドアがガチャっと開いた。
「おっ、目が覚めたか。いやーよかったよかった」
ドアの先には、左腕にタオルを掛けて持っている女性が現れた。
恐らくこの家の人だろう。
「あのー、ここはどこですか?」
「ここはただの宿屋さ。なーに、お代はちゃーんと彼女からもらってあるよ」
見た目も口調も若い姉さんと言う感じだった。
助けてくれたのは、おそらく鼻血の原因の子だろう。
あんな場所に他に女の人が来るとは、到底思えなかった。
あの子……助けてくれたんだな。
しかも、町まで運んでくれたらしい。
「あの崖から落ちたんだって?よく生きてたわねー」
はっきりと記憶失う前の記憶は戻ってきているので、あの子が何か嘘でも言ったんだろう。
「あはははは……ほんとにラッキーでしたよ」
僕は笑顔で返し、つじつまを合わせておく。
まあ、本当のことなんて言えやしないんだが。
「あのーココに連れてきた人はどこに?」
一応合って話をしておこうと思ったので聞いてみた。
「市場のほうに行くと言って出たと思うけど?」
「ありがとうございます。えーっと……」
「宿主のネルロスよ。出口はその扉を出て、廊下をまっすぐ行けば玄関があるから」
僕の考えていることが見え見えのようだ。
そして、よく頭が回る良い印象の宿主だ。
「じゃあ、その子に会いに行ってきます。ミライです。ネルロスさんありがとうございます」
「きおつけてね。市場はここを出てから右にまっすぐよ」
そう聞いてミライは、ネルロスの顔を見て軽く頭を下げる。
そして宿屋を出て市場へと向かうのだった。
文字配列のみ書き直しました。