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ア・ホールド・ダンジョンズ!  作者: オレン
第一章 ホール・ダンジョン
86/217

第86層 途切れた滑り台

この作品は、文章表現レベルが1/1000Lvの作者の書いた作品です。

キャラ名が被ったりしますが、作者はオリジナルだと思っています。

様々な表現が含まれますが、話の内容と、作者の成長を見守ってください。

 「キャーーーーーー!」

 「うわーーーーーー!」

ミチとユミルの叫び声が響き渡る。

僕も叫んでいるが、2人の叫び声が大きすぎて自分の声が聞こえない。

 まあ、2人の叫ぶ意味は、苦楽と対照的な叫びなわけなのだが……。

 それにしても、この滑り台、もの凄く滑る。

 甘い香りを放つ蜜は、完全に固まっていてツルツルと滑る。

 そしてこんなにも滑って、安全処置の外枠が甘いのにも係わらず、ミチはスピードを落とすということをする様子は無い。

……だれかこの子を止めてくれ!

 2人の叫び声がしばらく鳴り響き続けた後、ミチは突然ブレーキを掛けた。

 急激にスピードを落として、そして「ゴツン」と何かが何かにぶつかる音が響き渡って、勢いが完全に無くなった。

「いたたたたたたた……」

ミチが、「た」の音をどんどん低くしながら連呼している。

 ミチが完全に止まって、ミチの後ろに居たミライも、ミチの数センチ後ろで完全に止まった。

 その後ろから、勢い良くユミルがミライにぶつかった。

「うわっ」

 その反動で、ミライはミチにぶつかる。

「きゃっ」

ミチの可愛らしい叫びの後に、パチンと大きな音が響き渡った。

 ミチは、ミライの手の甲に大きく平手打ちをしたのだ。

「痛っ!」

そうミライは叫び、ミチに触れていた手を引っ込める。

 叩いたミチに文句を言おうと思ったが、少し冷静に考え直してやめた。

 ……うん。

胸に触ってたな……。

 ミライはミチに謝るタイミングを失い、代わりに一言聞いた。

「ミチ。どうして急に止まったんだ」

「だって……どうみても、これ行き止まりよ」

元気なさそうにミチが言う。

 その言葉を聞いて、ミライはミチではなく、ミチの前の方を見た。

そこには、巨大な空洞の穴が存在した。

ただし、完全に蜜で穴が塞がっているやつ。

 「どうするんだよ。この滑り台、絶対登れないぜ?」

ユミルが後ろの方から言ってきた。

「たぶん、あの光魔法剣士さんは、これで地上まで降りたのだと思うよ」

そうミライは言って、滑り台の下を覗き込んで指を刺した。

 そこには、1本の長い紐が見えない下の方まで伸びていた。

「うそだろ!大樹の残り半分をロープで下りるのかよ!」

流石にこの状況は、ユミルも冷静さも失うようだ。

 冷静さを失うというより、必死に今後の未来を変えようとしているようにも見えるが。

「大丈夫よ。たぶん」

ミチの前向きな言葉も、「たぶん」と言う後付で信じれなくなってしまう。

 3人はロープをもう一度見る。

 風が吹くだけで、大きく、ゆらゆらと揺れている。

 本当にセーナはこのロープで降りて行ったのかと考えてしまう。

「さて……行くわよ」

流石に今回は、ミチの声も真剣みを帯びている。

 そして3人は、体にくくり付けたロープをそのままにして、風で大きく揺れるロープに、順番にゆっくりと捕まるのだった。

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