第85層 螺旋滑り台
この作品は、文章表現レベルが1/1000Lvの作者の書いた作品です。
キャラ名が被ったりしますが、作者はオリジナルだと思っています。
様々な表現が含まれますが、話の内容と、作者の成長を見守ってください。
「これか……」
「これだよ……たぶん」
「うわー面白そう!」
ユミル、ミライの真っ暗な反応に対して、ミチは実に楽しそうだった。
今、3人が目の前にしているのは、恐らくセーナがここから脱出するために使ったであろう物だ。
その形を言い表すのは難しいが、例えるなら、螺旋階段の階段が滑り台に成っていると言った所だろうか。
……これ、滑るのか?
「でもさ、この滑り台に付いてるこれって何だろう?」
ミライは、螺旋滑り台の異様な光沢を指差して言った。
「……これ、甘い香りするわよ!お菓子で出来てるんじゃないの?」
ミチはいつの間にメルヘンチックになったんだよ……と、心のうちに抑えとく。
「まあ、あの大軍が集めた蜜か、樹液じゃないか」
ユミルが冷静に推理して、一瞬だけ入り口の方のバリアを見る。
「まあ、何でも良いわ。とにかく行きましょうよ!」
ミチは滑り台を見て、ミライたちを見て、にっこりと笑う。
2人はその笑顔に対して苦笑いでしか返すことが出来なかった。
それもそのはず。
ミライたちがこれから乗ろうって思っている滑り台には、気休め程度の小さな安全処置の外枠があるだけなのだ。
少し勢い良く滑れば、すぐに滑り台外にジャンプ!なんて事になってしまう命がけの滑りがこの先に待っているのだ。
なのに、ミチのように笑顔だなんて出来るわけが無い。
「……なあ、他の道にしないか?」
とうとうユミルが、この言葉を切り出した。
「他の道が在るならね。私は、バリアを解除しての百戦錬磨は嫌よ」
「それ使い方間違ってる気がするけど、まあ、戦うのは僕も反対」
ユミルの気持ちも分からなくないが、ここはミチの考えに乗っておく。
だって、あの数と戦闘をするなら、まだ滑り台滑ったほうが安全な気がするでしょ。
「……しかたない。滑るか。この危険な滑り台を……」
ユミルは、そんなに考えることも無く腹をくくったようだ。
「じゃあ、考えが変わらないうちに行きましょ」
そうミチは言って、突然1本の長いロープを取り出した。
「……それ、何に使うんだ?」
ユミルは、ロープを体にくくり付けているミチに対していった。
「え、生きるも死ぬも運命共同ってことよ。ほら、ミライもユミルも結んで結んで!」
「……はいはい」
そうユミルは返答して、ミライにどうにかしてくれと表情を見せてくる。
僕は、首を横に大きく振り、ミチから受け取った縄をユミルが結べる分を余らしつつ、腹辺りを巻いて硬結びをした。
そして、ユミルにロープを渡す。
ユミルは、無言で受け取り、腹に余ったロープをくくりつけた。
ユミルの表情は全く冴えていない。
「よし、じゃあ行くわよ!」
「おー」
ミチの元気の良い声に2人は暗く掛け声を合わせ、今後の展開に身構えたのだった。