第73層 悪夢顔
この作品は、文章表現レベルが1/1000Lvの作者の書いた作品です。
キャラ名が被ったりしますが、作者はオリジナルだと思っています。
様々な表現が含まれますが、話の内容と、作者の成長を見守ってください。
ガクッ……みたいな感じで倒れてから、少し時間が経って、ミライは目を覚ました。
そして、ミライはその場で立ち、周りをキョロキョロ見渡す。
「2人は……まだ寝てるか」
まあ、あの拳は受ければ分かるが、相当痛い。
町のときよりもレベルの上がった拳なので、考えただけで恐ろしい……。
しかも、技名を言わなかった感じから、通常攻撃と言ったところか。
「さて、回復させますか。アイテムは沢山有るし……」
ミライはメニュー画面を開きながら呟く。
ミチもユミルも、悪夢を見ているような苦い表情をしている。
ミライはメニュー画面から、回復薬と魔力回復薬を取り出し、2本とも一気に飲み干す。
どちらも一本100mlぐらいなので、5本までなら簡単に飲みほせる。
「うっううう……」
突然ユミルが卑屈な声を上げた。
どうやら悪夢から生還したらしい。
「ユミルー。おい、ユミル!」
「うう……ミライ……腹……減った」
「腹痛いんじゃないんかい」
ミライの軽い突っ込みに、ユミルは笑顔を見せる。
なんだか久しぶりにユミルの笑顔を見た気がする……気のせいだろうが。
そういえば、フロアが明るくて気がつかなかったけど、もう夜だったのか。
ユミルがお腹を鳴らし、こちらに何かを目で訴えてくる。
寝転んだ状態のままで……。
「分かった。わかったよ。飯は俺が作るから、自分で回復しててね。あと、ミチも頼む」
「俺よりも寝ぼすけさんが居たんだな」
「まあ、無理やり寝かされたんだから無理も無いだろ」
「たしかにな。ミライも一撃食らったのか?」
「町で一回食らってて良かったよ。そして彼女は逃げてった」
2人は笑いながら会話する。
ほんの数時間前の戦闘がなかったかのように。
「さてと、いつつつ……」
ユミルは起き上がると、一撃食らった箇所を手でさすった。
「大丈夫か?」
「大丈夫だ。そんな事より回復させないとな」
ユミルは、まだぐったりしているミチの方を見る。
「よろしく頼むよ」
そうミライは言って、ユミルに回復薬を強めに投げた。
ユミルは簡単にキャッチして、一気に飲み干した。
「ぷあー!ミライも飯任せた。それと……」
ユミルが一回言葉を切って、ミライの顔を見て、鼻下を擦ってみせる。
まさか……。
ミライは不安を過ぎらせながらも、鼻下を手でそっと触ってみる。
手には、半分乾ききって、ねっとりとした赤い液体が付着していた。
恐らく自分から見て、右の穴からの物だろう。
「相当、激しい戦闘だったようで」
ユミルのにやけ顔が、わざとらしくて苛立つ。
「ご想像にお任せします」
でも、否定できない自分である。
ユミルは、わざとらしく笑いながらミチの方へ近づき、メニュー画面を開く。
ミライは、ユミルの笑いには一切触れず、メニュー画面を開き、今日の献立を考えるのだった。