第72層 切り裂きの正体
この作品は、文章表現レベルが1/1000Lvの作者の書いた作品です。
キャラ名が被ったりしますが、作者はオリジナルだと思っています。
様々な表現が含まれますが、話の内容と、作者の成長を見守ってください。
「べつに知りたくないけど、教えなさいよ!」
セーナは考えるのをやめて、ミライを囲むバリアの前まで歩いて来て言った。
ミチと似てるなと少し思っていたが、今完全にその考えは否決された。
この子、間違いなくツンデレだ!
セーナは、バリアを小さな手で触れる。
当然、触れると全てを跳ね返すわけではないので、セーナは触れ続けられる。
「じゃあ教えてやる」
ミライは、セーナの手にバリア越しで手を合わせる。
セーナは、合わさった瞬間すっと手を引っ込めた。
「まず、君は僕の攻撃を避け切れてないよ」
「しっかりかわしたわよ!」
「荒いバリアの破片は、だけどね」
セーナは不思議そうな顔をしている。
ミライはその表情を見て少し笑ってしまう。
「僕は、君に向かって荒い破片を飛ばした。でもそれだけではなかった。君の上と左右にも、破片を飛ばした。正面に比べたら明らかに細かいのを……」
ミライがそう言うと、セーナは服や腕をくまなく調べた。
そして、指先をじーっと見つめている。
どうやら、例の大きさの破片が見つかったようだ。
「ふふっ。魔法使いさん、なかなかやるわね。名前は?私はセーナ光魔法剣士よ」
今更名前と職業言われても、とっくに知ってるのですが。
とにかく、どうやら戦闘を終わらせてくれるらしい。
「僕はミライ。職業は、ただの魔法使いさ」
「ダサいわね」
「うるさい。今度は服引き裂くぞ」
お互いに軽い笑顔を見せる。
そして、ミライは四方を囲むバリアを解除した。
解除した瞬間、セーナは一瞬破片をかわそうと身構えたが、すぐに体勢を戻した。
「私はもうここには要は無いし、先に行かさしてもらうわ」
そう言ってセーナは、何故かミライの居る入り口とは反対の方向へ歩いていく。
「あ……」
ミライは、セーナの後姿を見て、思わず声を出した。
表側は、そんなに目立たなかった服の切れ目は、裏側では一変して、完全にズタズタに引き裂かれていた。
白い紐パンが完全に丸見えである。
正直、ここに来てそんな光景なれてしまったのだが……。
「何?何かあるの?」
セーナは気づいてないらしく、こちらを振り向いてもまだ笑顔だ。
セーナの背中および紐パンは、まだしっかり見える。
「いや別に何も無いけ……あ」
ミライは何も無いと言い切ろうとした瞬間だった。
バリアの破片で紐が切れ掛かっていたのか、セーナの紐パンがスルスルと地面に向かって落ちていった。
若々しいセーナの尻が完全に見えてしまっている。
さすがにミライは目線をそらした。
「きゃああああああああ」
セーナの悲鳴が耳に響く。
どうやら、今の現状を理解したらしい。
ミライは、横目でセーナの様子を見る。
セーナの体の向きはこちら側になっていて、スカートを完全に手で押さえている。
目がどうしてもセーナのスカートの方に行ってしまう。
「早く、早く服着替えなおせ!」
ミライは、顔を真っ赤にしてオドオドしているセーナに対して強めに言った。
「ら、ライトフラッシュ!」
セーナがそう叫んだ瞬間、セーナ辺りから、周りが見えなくなるほどのまぶしい光が現れた。
ミライは思わぬ眩しさに目をつぶる。
そして、ようやく眩しさが治まったところで目を開けた。
そこには、腕の傷は残っているが、服は同じデザインの新品に着替えたセーナがいた。
「ふん。この借りは次ぎ会ったら必ず返してもらうから!覚えてなさい!」
セーナは言い切ると、入り口とは反対方向の開けた場所から飛び降り、姿を消した。
何の借りだよ……と心の中に思っておく。
そして、覚えてたくなくても覚えているだろう。
そんな事を思いつつ、ミライは走ってセーナの消えた場所へと向かい、下を覗き込んだ。
下には、それなりに急な、らせん状の滑り台が存在していた。
相当奥まで続いている。
もしかしたら、一番下まで続いているのでは?
「ははは、はははは……」
ミライは声だけ笑い、崩れるように座り込んだ。
ミライの背中には、無数のバリアの破片が刺さっている。
バリアを1面だけ消そうとすると、バリアの破片も含めた全魔法が解除される。
だから、ミライの背中を守るバリアも破片に変えて、コントロールしようと思ったが、そう全てうまくいくわけでもないようだ。
「解除……」
思った以上に魔力消費と、ダメージを受けてしまったようだ。
ミライは、散らばるバリアの破片を全て消して、地面にうつ伏せで倒れるのだった。