第57層 大樹へ
この作品は、文章表現レベルが1/1000Lvの作者の書いた作品です。
キャラ名が被ったりしますが、作者はオリジナルだと思っています。
様々な表現が含まれますが、話の内容と、作者の成長を見守ってください。
ユミルの作戦内容はいたってシンプルだった。
僕らが少し考えても、その答えにたどり着いたのかもしれない。
「その作戦は分かったんだが、そう、うまくいくか?」
心配で思わずユミルに答えを聞いてしまう。
「大丈夫、あのビナンケでの戦闘位ので十分だから。飛距離も、あの魔女っ子との戦闘で大体予想つくし」
ユミルの言う魔女っ子とは、クリーのことだろうか。
「ねえ、早くしないと気づかれちゃうわよ」
ミチは大樹の方を見ながら言った。
大樹の周りには、蜂のアビリーが数え切れないほど居る。
まさに、モンスターの拠点なのかもしれない。
「そうだな。ミライ準備は良いか?」
「準備も何も、装備いらないし、集中力の問題だし、いつでも良いよ」
「そうだったな。じゃあ、これ貸してやるよ」
そう言って、ユミルはミライに愛用している大剣を渡した。
「え、何で…って重っ!」
あまりの重さにミライは、ユミルの大剣の剣先を地面に刺した。
「非力だなー。まあ、持ち手握ってるだけで良いよ」
あなたが怪力過ぎるんだ!
そう思いながらも、少しユミルの言葉に疑問を持つ。
「ミチの武器もそうだけど、大体の武器や道具には、魔力が備わってる物だ。だから、それを装備すれば、今まで以上の力を発揮できるとね」
「ふーん、分かった」
ユミルの説明には軽く返事を返し、地面に突き刺さった剣をミライは握る。
何となくだが、力が湧いて来るような気がする。
「準備おっけー。さて作戦を実行しようよ」
2人に対して、ミライは言った。
「そうだな。大丈夫か?ミチ」
ユミルは、ミチに確認をする。
「大丈夫。さて、行くわよ!」
結局仕切るのはミチのようだ。
ミライは、ミチの掛け声と聞いて目をつぶり、集中力を高めていくのだった。
「フゲネス・フレイム!」
そうミライは叫んだ。
ミライの少し前上空には、今まで作ったことの無い大きさの燃え盛る大玉が、宙に浮いていた。
「そーりゃ!」
ミライは変な掛け声と共に、巨大な火の玉を遠くの方の草原に向かって飛ばした。
巨大な火の玉は、ほぼ地面との平行を保ちつつ高度を落としていきながら飛んでいく。
ものすごい、ゆっくりと・・・・・。
「この速さは、予想外だったなー」
ユミルは、火の玉の動きの遅さに、苦笑いを浮かべる。
その火の玉の遅さといったら、早歩きで追いかければ追いつくだろうかと言った具合だ。
ミライは火の玉を残念そうに見ていると、ミチがこちらに向かってきた。
「はい、魔力回復薬ね。どうする?私が飲ませてあげようか?」
ミチはそう言って、手に持った回復薬と笑顔を見せる。
その笑顔に、飲ませてもらっても良いかなーなんて思ってしまう。
だが、その飲ませると言う言葉は、失敗魔法に対する慰めの言葉な気がする。
なので、軽く断ってから回復薬を受け取り、ミライは一気に飲み干した。
魔力回復薬は無味だが、爽やかなミントの香りが口中に広がっていく。
その香りと同時に、体の中で足りなくなった何かが、満ち溢れていく気がする。
「さて、魔法は落ちてくれないが、大樹に向かおうか」
「そうだね」
ユミルとミチは笑う。
ミライも笑うが、素直には笑えなかった。
「ユミル、剣返すよ。ありがとね」
そう言って、ミライは剣を地面から引っこ抜いた。
引っこ抜いた大剣をユミルに渡した。
「おお、そうだったな」
ユミルは大剣を受け取ると、グルグル大剣を振り回して、メニュー画面にしまった。
「さて、じゃあ、向かいましょうか!」
ミチは元気よく言った。
ミチの言葉に、2人はうなずく。
そして、3人は大樹に向かって、ゆっくりと歩き始めるのだった。