第53層 恩返し
この作品は、文章表現レベルが1/1000Lvの作者の書いた作品です。
キャラ名が被ったりしますが、作者はオリジナルだと思っています。
様々な表現が含まれますが、話の内容と、作者の成長を見守ってください。
物音1つない自分の家、部屋。
周りで騒ぐ同級生、教室の中。
ああ、戻ってこれたのか。
戻ってきてしまったのか・・・・・。
「………っい。……っらい。…みらい。ミライ!」
ミチの叫ぶ声に、ミライは目を開けた。
「よかった・・・」
ミチは今にも泣き出しそうな表情を浮かべている。
すぐ隣には、ユミルの微笑む顔を見える。
「ここは・・・」
ミライは、周りを目だけ動かし見る。
張り巡らされたままのバリアと、真上のバリアの奥の木々の葉の隙間から、かすかに光が見えている。
とにかく、もう日は昇っているらしい。
「大丈夫か、ミライ。一応言っておくと、あの戦闘が終わってからの朝だ。ミライの怪我は夜通しでミチが治した。そして俺はユミルだ。分かるか?」
ユミルがゆっくりとした口調で説明した。
そういえば、右肩のもう痛みも無い。
一応左手を右肩に当てて確認するが、穴なんて開いてないようだ。
「なんか、ありがとね」
「いいって別に。これで借りが返せたしな」
ユミルが言い、笑顔を見せる。
「ふぁーあ、さて、ミライも目を覚ましたし、私は少し寝るわね。ミライ料理よろしく!」
ミチが笑顔で言った。
そういえば、今日、当番だっけ・・・。
「いててて、急に右肩が・・・」
「嘘ついてもダメね」
ミチには嘘が通用しないようだ。
「まあ、当番だから頑張れよ!俺も寝よっと」
ユミルは言ってから、大きな欠伸をして立ち上がる。
「んじゃ、よろしくね。あと、バリア張替えとかないと、モンスター入ってくるかも」
「はいはい、しときますよ」
ミライは軽く返事を返し、体を起こし、頭をかく。
ミチも立ち上がり、ユミルの方に歩いて行く。
ミチとユミルは、バリアフロアの中心辺りで、地面に寝転がり目を瞑った。
「おやすみー。…ありがとうな」
お礼の言葉は聞こえないように小声で言った。
寝ているかどうか分からないが、2人の表情は笑顔だった。
良い仲間に合えたな…本当に。
2人の寝顔を見て、ミライも思わず微笑んでしまう。
「さてと・・・」
ミライは立ち上がり、バリアを全て一回消し、今度はほぼ隙間無くなるようにバリアを張り替えた。
そして、ミライは昼食の準備を始めるのだった。