第42層 軽い戦闘、進化する魔法
この作品は、文章表現レベルが1/1000Lvの作者の書いた作品です。
キャラ名が被ったりしますが、作者はオリジナルだと思っています。
様々な表現が含まれますが、話の内容と、作者の成長を見守ってください。
「お、お帰りー」
暖炉でユミルがお出迎え。
恐らくだけど、あの場での心境や状況を言わされるだろう。
ユミルのこちらに対する目を見れば分かる。
そんな目線に、苦笑いを浮かべつつ、暖炉のそばへと近づいた。
「着替えるから、こっち見ないでよね」
ミチは2人に対して、目を細めながら言った。
ミチのお着替えタイムのようだ。
メニュー画面は、もの凄く便利だ。
どんなに汚い物でも入れてしまえば、次出すときは必ず綺麗になって出てくる。
さっき使った食器なども、洗わずにメニュー画面にしまった。
服なども、しまってしまえば、次出すときには汚れや傷などが綺麗に無くなって戻ってくる。
だが、同時進行で入れ替えと言うものは出来ないらしい。
つまり、一瞬だが、全裸状態になるということ。
その状況を、ミチはお気に召さないらしい。
まあ、当然だが。
「はいはい、早くしてよね」
ミライはそう言い、ミチに背中を向けた。
ユミルもミライの動きを見て、ミチに背中を向ける。
「絶対に見ないでよね!」
「へいへい」
ミチの2度押しに、ユミルは軽く返事を返す。
ほんの十秒、火の子が弾ける音以外は、何も聞こえない空間が出来る。
「もういいわよ」
ミチはそう言い、2人はミチの方向へと向きを変える。
ミチの姿は、黒白のチェックのパジャマ。
夏の学生服より可愛いかもしれない。
そんな事を思っていたら、隣にいるユミルが突然倒れた。
ユミルの横には、燃やすのに使う牧が落ちていた。
「いつつつつ…、何すんだよ」
ユミルが、ミチに対して言う。
一瞬過ぎて何が起きたのか、ミライにはさっぱり分からない。
「自分の胸に聞いてみれば?」
ミチが強気に出る。
「何だ、ばれてたのか・・・」
ユミルは微笑みながら言った。
ユミルの顔の鼻下には、赤い液体が、ゆっくりと垂れていた。
この男、どうやら覗き見犯のようだ。
「何故分かったんだ?」
「誰でも分かるわよ!」
「僕でも分かる」
ユミルはそう言われて、何かを察したように、自分の鼻を触る。
そして、触った指を見て、笑い出した。
「生理現象には、逆らえないか」
笑いながらユミルは言う。
「黙りなさい!許さないんだから!」
ミチはそう言い、牧をメニューから取り出し、ユミルに向かって投げる。
ユミルは、投げられた牧を右手でキャッチする。
「ハハッ!二度も同じ攻撃がつ…ぐはっ」
ミチの3撃目がユミルに命中する。
「フン!口ほどにも無いわね」
ミチはそう言って、メニュー画面から寝袋を出し、暖炉の反対側の方へと向かう。
ユミルは、負けたオーラを背中から出しながら、ぐったりと倒れている。
ミライはそんな状況を、ただ苦笑いを浮かべることしか出来ないのであった。
ミチはもう、スヤスヤと寝袋で眠っている。
ミライは、そんなミチの姿を見ながら、自分の布団に包まり、暖炉の側でぼーっとしていた。
しばらくすると、ユミルが負けから立ち直ったらしく、ミライの隣へと、ゆっくり歩いて座った。
「よう。・・・寝ているときは、こんなにおとなしいのにな」
ミライに軽く声を掛け、ミチの方を見て、呟くようにユミルは言った。
「この時ぐらい、おとなしくないとね」
ミライはそう言い、2人は軽く笑う。
「寝込みを襲ってやろうか」
ユミルは呟いた。
「寝起きでも勝てないと思うよ」
「違いねえな」
2人は笑う。
さすがにユミルも懲りたようだ。
ふと、ネロさんを思い出し、一番消したい存在だろうなーと思いつつ、ユミルの方を見る。
ユミルはそんな視線を察して苦笑いを浮かべる。
少し時間がたち、ユミルが口を開いた。
「ミライに2つ聞きたいことがあるんだが・・・」
「何なりとどうぞ」
「おまえ、モンスターの声が分かるのか?」
ユミルの言っていることが、いまいち分からない。
ユミルが言葉を続ける。
「昨日、あの強力なモンスターと戦ったとき、ミライが会話してるように見えたんだが・・・」
「うん、あいつ…しゃべってたけど?」
「俺には、ミライの声しか聞こえなかった」
ユミルの言葉に、ミライは驚いた表情を見せる。
「え、聞こえなかったの?」
ミライはユミルに聞く。
ユミルはうなずき、口を開いた。
「俺には聞こえなかった。たぶんミライのあの呪文が、強化されて聞こえるようになったのだと思う。あくまで予想だが」
「アペンシスか・・・」
ミライは呟くように言って、その言葉に対して、ユミルがうなずいた。
「まあ、悪い効果でもないし、今後役に立つだろうな。で、もう一つの方に移るのだが・・・」
ユミルの言葉に対してミライはうなずき、身構える。
「ミチとトイレ行ったとき、どうだった?」
「やっぱりきたか」
「やっぱりってなんだよ!」
2人は、笑い出す。
「で、どうだった?」
ユミルが、しつこく聞いてくる。
こいつ、根っこからのヘンタイの様だ。
「現実では、おいしくないイベントだった」
あえて率直には言わなかった。
「なーんだ。羨ましいイベントなのにな」
ユミルは残念そうに言った。
もっとしつこく聞いてくるかと思ったが、これ以上の質問は無かった。
「さて、そろそろ寝るとしますか」
ユミルはそう言って、立ち上がる。
ユミルは、一つため息をつき、掛け布団出して、その布団に体を包める。
「じゃ、おやすみ」
ユミルは、ミチともミライとも少し離れた場所で、そう言って横になった。
「おやすみなさい」
ミライも軽く挨拶を交わす。
そして、大きなあくびと深呼吸を同時に行う。
しばらく体育座りの状態でぼーっとして、うとうとと、眠気に教われ始める。
「・・・バリアー」
ミライは小声で呟き、昨日と同じように、暖炉を中心として相当の距離を囲むように、バリアを4方向に張り合わせる。
高さは昨日よりも無い気がする・・・。
上も塞がないと・・・。
そう思いつつ、バリアで天井に蓋をした。
そして、ミライは眠気に逆らわずに、草の地面に横になってから眠りにつくのだった。