第41層 食後のトイレ
この作品は、文章表現レベルが1/1000Lvの作者の書いた作品です。
キャラ名が被ったりしますが、作者はオリジナルだと思っています。
様々な表現が含まれますが、話の内容と、作者の成長を見守ってください。
歩き始めて何時間が経つのだろう。
辺りは暗くなり始めている。
だいぶ歩いたが、周りの景色は空以外まるで変わらず、目標の木にも近づいた気がしない。
それよりも、モンスターが全く出てこなかった。
まあ、平和に歩けたので良かったのだが。
「さて、今日はこの辺までにしとく?」
ミチが歩く足を止めて、振り向いて言った。
休憩などの指摘は、全てミチが指示していた。
リーダーシップが有り、ムードメーカーでもある。
そんなミチが、何となく羨ましかった。
「もう良いだろ。全然近づいた気がしないが」
もう1人のムードメーカー、ユミルはそう言った。
この2人がいるからこそ旅が楽しいのかもしれないと思う。
「じゃあ今日はここで野宿か。じゃあ夕食作るね」
ミライはそう言い、草原の一部を魔法で燃やし、その場所に牧を投げ入れる。
牧はメニュー画面にたくさん常備してある。
物を無限大に入れれて重さは全く無い。
そんなメニュー画面は反則な気がする。
「ミライ、辛いのが食いたい」
ユミルからの注文が来る。
「却下!甘いものよ」
ミチは、相当甘い物好きのようだ。
「はいはーい。期待しないでね」
ミライは、フライパンを持ちながら言った。
さて、何を作ろうかな。
ミライはフライパンを片手に考える。
甘いものと辛い物・・・。
「さて、何を作ろうか」
今度は、言葉に出して考えるミライ。
そして、何を作るか何となく決めて、ミライは料理の工程に入ったのだった。
「はい、出来たよー」
ミライがそう言うと、待ってましたとばかりに2人がこちらに来る。
「おお、うまそう!」
ユミルは喜びながら、料理の置かれた敷き物の上に座る。
「チャーハンだけ?オーダーと違うのですけど」
ミチは不満そうに言うが、表情は柔らかかった。
「ちゃんとデザートも作ったって。どーぞ」
ミライはそう言って、2人の座る敷き物の上に甘い物を乗せた。
「さっすがミライ。プリンとは、分かってるじゃない」
ミチの表情は、柔らかい表情から笑顔に変わった。
「味の保障はしないけどね」
ミライは自信満々に言った。
「では、いただきます!」
「いただきます」
ミチの言葉の後に、2人が声を合わせて言う。
合掌制度でも言うのだろうか。
手を合わせて食べる制度は、ミライから広まったものだ。
「それにしても、やっぱりミライって料理上手いよねー」
ミチが口をもぐもぐし終わると、何気ない感じで言った。
「上手いも何も、一人暮らししてるから勝手に腕上がるって」
「その若さで独り身か。偉いな」
ユミルが感心そうに言った。
独り身ねえ・・・。
「これから先もずっと料理担当でいいのよ?」
ミチが微笑みながら言った。
「遠慮しときます」
ミライが即答で答える。
「明日は俺かー。料理作るだけって言っても、大変だろうなー」
ユミルが料理を食べ終わり、力が抜けているような言葉を放った。
ミライも食事をすませる。
「ま、がんばって!」
料理を作ってくれと訴えるユミルの目に対して、ミライは言った。
「なー、ミライー」
「交代制度だからね、お断りだ」
ミライは、しつこいユミルに強めに言った。
そう言われてユミルは、手を横に開き首を横に振る。
どうやら諦めてくれたらしい。
「ご馳走様でした!」
ミチは、食べ終わり、しっかり手を合わせていった。
「ご馳走様でした」
2人もミチの後に続いた。
ミチが食べ終わると、食事が終了。
こんな形で、しばらくの間は続きそうだ。
「さて、食事も終わったし、私は少しトイレしに行くから・・・」
ミチはそう言って、周りを見渡す。
女の子だから、もうちょっと、トイレに対する恥じらいを持ってほしいものだ。
ミライは、そう思いながらミチに言葉を掛ける。
「行ってらっしゃーい」
「ミライ。ついて来て・・・」
ミチは、少し恥ずかしそうに言った。
ユミルは、口に含んでいた水を「ブー」っと吹きこぼす。
「いや、何で!?」
ミライは、当然のように聞き返した。
「えっと・・・暗いし、周り見えないし、怖いし・・・」
ミチの声は、どんどん小さくなっていく。
ふとユミルの方を見ると、なぜか不満そうな表情。
「2人とも、行ってらっしゃーい」
ユミルは軽い口調で言った。
「早くしてよ・・・」
ミチがミライに向けて、そう言った。
どうにかしようと考えている時間は無いようだ。
「分かったよ・・・」
ミライは諦めた感じで言った。
ミライが承諾した瞬間、ミチはミライを引っ張り暗闇の方へと走って行くのだった。
月明かりに照らされているが、ほとんど影でしか判断が出来ない。
そんな所に、ミチとミライはいた。
遠くには、暖炉とユミルの姿が見える。
「こっち見ないでよ?」
ミチが恥ずかしそうに言って、影を小さくする。
どうやら、その場に座ったようだ。
「見るわけ無いだろ。暗闇で見えないし」
とは言っても、月明かりで近くにいるミチの姿は、はっきりと見える。
ミライは、ミチに背を向ける。
背を向けた先の、暖炉にいるユミルは大きなあくびをしている。
しばらくしないうちに、生々しい音が聞こえてきた。
正直、もの凄く気まずい空気だ。
向こうは、もっとだろうけど・・・。
「もう、こっち向いて良いわよ」
ミライは言われるがままに、ミチの方を向いた。
「つき合わせてごめんね。…でもモンスターが怖くて・・・」
月明かりでも分かるミチの赤面に、すこし胸の鼓動が高まる。
「まあいいよ。1つだけ聞かせて。ユミルじゃないの?」
「ユミルは堂々と見てきそうだから…嫌!」
「なるほどねー」
2人は、軽く笑う。
ユミルのことに対して否定できないのは残念だが・・・。
「さて、戻りましょ!」
そう言って、ミチはミライの手首をつかむ。
そして、2人は暖炉へと戻るのだった。