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ア・ホールド・ダンジョンズ!  作者: オレン
第一章 ホール・ダンジョン
41/217

第41層 食後のトイレ

この作品は、文章表現レベルが1/1000Lvの作者の書いた作品です。

キャラ名が被ったりしますが、作者はオリジナルだと思っています。

様々な表現が含まれますが、話の内容と、作者の成長を見守ってください。

 歩き始めて何時間が経つのだろう。

辺りは暗くなり始めている。

 だいぶ歩いたが、周りの景色は空以外まるで変わらず、目標の木にも近づいた気がしない。

 それよりも、モンスターが全く出てこなかった。

 まあ、平和に歩けたので良かったのだが。

「さて、今日はこの辺までにしとく?」

ミチが歩く足を止めて、振り向いて言った。

 休憩などの指摘は、全てミチが指示していた。

リーダーシップが有り、ムードメーカーでもある。

そんなミチが、何となく羨ましかった。

「もう良いだろ。全然近づいた気がしないが」

もう1人のムードメーカー、ユミルはそう言った。

 この2人がいるからこそ旅が楽しいのかもしれないと思う。

「じゃあ今日はここで野宿か。じゃあ夕食作るね」

ミライはそう言い、草原の一部を魔法で燃やし、その場所に牧を投げ入れる。

 牧はメニュー画面にたくさん常備してある。

 物を無限大に入れれて重さは全く無い。

 そんなメニュー画面は反則な気がする。

「ミライ、辛いのが食いたい」

ユミルからの注文が来る。

「却下!甘いものよ」

ミチは、相当甘い物好きのようだ。

「はいはーい。期待しないでね」

ミライは、フライパンを持ちながら言った。

 さて、何を作ろうかな。

ミライはフライパンを片手に考える。

 甘いものと辛い物・・・。

「さて、何を作ろうか」

今度は、言葉に出して考えるミライ。

そして、何を作るか何となく決めて、ミライは料理の工程に入ったのだった。


 「はい、出来たよー」

ミライがそう言うと、待ってましたとばかりに2人がこちらに来る。

「おお、うまそう!」

ユミルは喜びながら、料理の置かれた敷き物の上に座る。

「チャーハンだけ?オーダーと違うのですけど」

ミチは不満そうに言うが、表情は柔らかかった。

「ちゃんとデザートも作ったって。どーぞ」

ミライはそう言って、2人の座る敷き物の上に甘い物を乗せた。

「さっすがミライ。プリンとは、分かってるじゃない」

ミチの表情は、柔らかい表情から笑顔に変わった。

「味の保障はしないけどね」

ミライは自信満々に言った。

「では、いただきます!」

「いただきます」

ミチの言葉の後に、2人が声を合わせて言う。

 合掌制度でも言うのだろうか。

 手を合わせて食べる制度は、ミライから広まったものだ。

「それにしても、やっぱりミライって料理上手いよねー」

ミチが口をもぐもぐし終わると、何気ない感じで言った。

「上手いも何も、一人暮らししてるから勝手に腕上がるって」

「その若さで独り身か。偉いな」

ユミルが感心そうに言った。

 独り身ねえ・・・。

「これから先もずっと料理担当でいいのよ?」

ミチが微笑みながら言った。

「遠慮しときます」

ミライが即答で答える。

「明日は俺かー。料理作るだけって言っても、大変だろうなー」

ユミルが料理を食べ終わり、力が抜けているような言葉を放った。

 ミライも食事をすませる。

「ま、がんばって!」

料理を作ってくれと訴えるユミルの目に対して、ミライは言った。

「なー、ミライー」

「交代制度だからね、お断りだ」

ミライは、しつこいユミルに強めに言った。

そう言われてユミルは、手を横に開き首を横に振る。

 どうやら諦めてくれたらしい。

 「ご馳走様でした!」

ミチは、食べ終わり、しっかり手を合わせていった。

「ご馳走様でした」

2人もミチの後に続いた。

 ミチが食べ終わると、食事が終了。

こんな形で、しばらくの間は続きそうだ。

「さて、食事も終わったし、私は少しトイレしに行くから・・・」

ミチはそう言って、周りを見渡す。

 女の子だから、もうちょっと、トイレに対する恥じらいを持ってほしいものだ。

ミライは、そう思いながらミチに言葉を掛ける。

「行ってらっしゃーい」

「ミライ。ついて来て・・・」

ミチは、少し恥ずかしそうに言った。

 ユミルは、口に含んでいた水を「ブー」っと吹きこぼす。

「いや、何で!?」

ミライは、当然のように聞き返した。

「えっと・・・暗いし、周り見えないし、怖いし・・・」

ミチの声は、どんどん小さくなっていく。

ふとユミルの方を見ると、なぜか不満そうな表情。

「2人とも、行ってらっしゃーい」

ユミルは軽い口調で言った。

「早くしてよ・・・」

ミチがミライに向けて、そう言った。

 どうにかしようと考えている時間は無いようだ。

「分かったよ・・・」

ミライは諦めた感じで言った。

 ミライが承諾した瞬間、ミチはミライを引っ張り暗闇の方へと走って行くのだった。


 月明かりに照らされているが、ほとんど影でしか判断が出来ない。

そんな所に、ミチとミライはいた。

 遠くには、暖炉とユミルの姿が見える。

「こっち見ないでよ?」

ミチが恥ずかしそうに言って、影を小さくする。

 どうやら、その場に座ったようだ。

「見るわけ無いだろ。暗闇で見えないし」

とは言っても、月明かりで近くにいるミチの姿は、はっきりと見える。

ミライは、ミチに背を向ける。

背を向けた先の、暖炉にいるユミルは大きなあくびをしている。

 しばらくしないうちに、生々しい音が聞こえてきた。

 正直、もの凄く気まずい空気だ。

 向こうは、もっとだろうけど・・・。

「もう、こっち向いて良いわよ」

ミライは言われるがままに、ミチの方を向いた。

「つき合わせてごめんね。…でもモンスターが怖くて・・・」

 月明かりでも分かるミチの赤面に、すこし胸の鼓動が高まる。

「まあいいよ。1つだけ聞かせて。ユミルじゃないの?」

「ユミルは堂々と見てきそうだから…嫌!」

「なるほどねー」

2人は、軽く笑う。

 ユミルのことに対して否定できないのは残念だが・・・。

「さて、戻りましょ!」

そう言って、ミチはミライの手首をつかむ。

そして、2人は暖炉へと戻るのだった。

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