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ア・ホールド・ダンジョンズ!  作者: オレン
第一章 ホール・ダンジョン
29/217

第29層 「実力魔法」対「発想魔法」

この作品は、文章表現レベルが1/1000Lvの作者の書いた作品です。

キャラ名が被ったりしますが、作者はオリジナルだと思っています。

様々な表現が含まれますが、話の内容と、作者の成長を見守ってください。

 ミライの火の玉は、20mという短い距離をゆっくり飛んでいる。

相手に届くのには、もう少し時間がかかりそうだ。

それよりも、途中で消えてしまうのではないのかとも思ってしまう。

「アッハハハハ。それがあなたの実力」

魔女クリーはミライを見て、見下すように言った。

そしてクリーは目線をギュウに向けて何かを言った。

 何を言ったかは聞き取れなかったが、ギュウは言われてすぐに、ミライの放った火の玉に歩いて近づく。

「こんなもん、俺が消してやるよ」

そう言うと、ギュウは火の玉とのタイミングを見計らって、ミライたちを襲おうとしたときに使ったダガーを振り、火の玉を力強く斬った。

 ダガーの刃と火の玉がぶつかった瞬間だった。

もの凄い爆音と共に、爆風が6人を包み込んだ。

「うわっ!」

ギュウは叫ぶと共に、大きく吹き飛ばされてクリーにぶつかった。

「いやっ!イタタタ・・・」

クリーは、上に乗ったギュウをどけて立ち上がる。

それに釣られるように、ギュウ、ゼインも立ち上がる。

 「おい!ギュウ!大丈夫か!」

ゼインはギュウを見た瞬間に叫んだ。

ギュウはダガーを持った右手に火傷を負って、左耳から血を流しているのが、こちらからも見て分かる。

ゼインは、両手をギュウにかざしている。

どうやらゼインが、向こうの回復担当のようだ。

 敵3人組が向こうで慌てている中、こちらの3人組は納得が出来ていなかった。

「ミライ、いつあんな見かけ騙しな技を?」

ユミルは、微笑みながら言ってきた。

「いや、イメージと違うし。と言うより、イメージ不足かな?」

ミライは、思ったままのことを口にした。

「あんな名前まで付けたのにね」

ミチは笑いながら言った。

「うるさいなー。まあ次こそはうまくするとして、今はあの人たちをどうにか追い払おうか」

ミライも笑いながら言った。

「あくまでも追い払うなのね」

ミチは呟くように言った。

「いや、殺すとか概念に無いし、見るのもいやだし…」

「じゃあ、どうやって追い払うんだ?」

ユミルはミライに向かって聞いた。

「考えがある。1人で大丈夫だと思うけど、何かあったら援護して」

「おっけー、まかせて!」

ミチは軽々しく答えた。

ユミルも軽くうなずく。

そしてミライは、自分の考えを実行するのだった。

 「逃げるなら今のうちだぞ?」

ミライは、少し離れた30m先ぐらいの3人に大声で言った。

「だ、だれが逃げるものですか!」

クリーはそう叫ぶが、体が若干震えているのが分かる。

ミライは、その言葉を聞いてから、もう一度火の玉をイメージし、3人に向かって放つ。

今度は、大きさは変わらなくても、速さが数倍速い火の玉が打てた。

もちろん、爆発力も変わらなかった。

「つう・・・」

クリーはバリアで爆風を防ぎきる。

「フゲネス・フレイム!」

ミライは守りきったのを見計らって、同じタイプの火の玉を、2個3個という感じで、数を増やしながら放っていく。

クリーも必死に、バリアで爆風から3人の身を守る。

「あんまり調子に乗るんじゃないわ!」

クリーは隙を見て叫ぶと、ミライがあの時出したような、巨大な火の玉を空中に出した。

「やばっ、フゲネス・フレイムっ!」

ミライは焦りつつも呪文を叫び、空中に浮かぶ火の玉に向かって、こちらも火の玉を打った。

 クリーの大きな相手の火の玉と、ミライの小さな火の玉とがぶつかり、爆風を起こして2つとも相殺される。

「うそでしょ!?」

クリーは、そう大声で叫んだ。

 どうやらあれが、彼女の最大の力だったらしい。

「フゲネスッ・フレイムっ!」

ミライは大声で叫んだ。

 すると、ミライ前方上空には、無数の小さな火の玉が、並んで現れた。

まるでそれは、巨大な1枚の炎の壁にも見えた。

「ちょっと、まずくない?」

ミチは、その大量の火の玉を見て言った。

ミライはミチの言葉を無視して、炎の壁の端っこの5発を3人組の前に落とした。

そして、安定の爆発を見せる。

「クリー。これは、逃げようって!」

それなりに回復したギュウが、そう言った。

「うるさいわね!お、覚えておきなさい」

クリーは、ミライに向かって言うと、一目散に町に向かって逃げ出した。

それを追うように、ギュウとゼインも逃げ出していった。

 しばらくすると、3人の姿は町へと消えていった。

 「ふー終わったー」

ミライは、そう言って火の玉を地面に落とそうとした。

「ちょっと、遠く狙わないと爆風に・・・」

ミチは、そう言いかけたが、落ちていくのを見て言うのをやめた。

残りの火の玉は、地面に落ちても爆発しなかったのだ。

「ダミーか・・・」

ユミルは呟くように言った。

「そういうこと。まあ、だいぶ魔力節約したほうだよ」

ミライもそう言って、自分のステータスを見る。

「戦略的だったわね。ほら買っておいた奴の1本、あげるわ」

ミチはそう言って、ミライに向かって魔力回復ビンを投げる。

「どうも。まあ、発想の勝利だったな」

ミライはそう言って、納得したようにうなずいた。

「まあ、ばれてたら形勢逆転してただろうがな」

そのユミルの冷静な言葉に、3人は笑い出したのであった。

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