第25層 信頼と二度寝
この作品は、文章表現レベルが1/1000Lvの作者の書いた作品です。
キャラ名が被ったりしますが、作者はオリジナルだと思っています。
様々な表現が含まれますが、話の内容と、作者の成長を見守ってください。
真っ暗闇な世界。
ミライは、そんな世界に1人立っていた。
誰もいない、何も無い、寂しい世界。
自分の手を見るが、今にも消えてしまいそうだ。
ただ、何だろうか。
足元と胸元から、力がわいてくるように温かい。
そして、ぬるっとしている。
ん?ぬるっと・・・。
「うわっ」
変な感覚を感じて、ミライは叫び、目を覚ます。
何だ…、あの闇の世界は夢だったのか。
ミライはホッと胸をなでおろす。
たぶん外からだろうが、鳥のさえずりが聞こえる。
そして、足元からは2つの寝息が聞こえる。
「いいやつらに会ったな・・・」
2人を見て、そう呟くミライ。
そして、ミチの長く甘い香りのする髪を、指でなぞる。
これだけ可愛いなら、足元が唾液で汚されていても憎めない。
少しだけ、ミライは笑みを浮かべた。
そして、部屋内の無音の時間が、ゆっくりと進んでいく。
ミライは、そんな時間を幸せに感じるのだった。
無音の薄明るい空間の中、左の扉がひとりでに開いた。
そこからは、ネルロスがゆっくりと入ってくる。
そして、ベッドに上で起きているミライに気づき、少し笑顔になった。
「あら、ようやくお目覚めね。お二人さんはどうする?」
「このままでいいです」
「そう」
ネルロスは、ゆっくりと歩き、ミライが寝ている所の左の位置の椅子に座った。
「まだ完治したわけじゃないから、あまり無理はしないほうが良いと思うわよ」
「わかりました。でも、ネルロスさん。僕は、いったい何が・・・」
「左腹部損傷および、肋骨の左側の一番下が折れてたわね。そうとう重症よ。いったい何があったのかしら?」
ネルロスは、少し機嫌が悪いように聞いてきた。
機嫌が悪いのじゃなくて、心配しているの間違えか。
「少女に、左腹殴られただけです」
「ふふ、災難なものね」
ネルロスは、目を細めた笑顔でそう返した。
「まあ、ここまで直りが早かったのは」
「この2人のおかげ、ですかね。まあ、ネルロスさんの治療あってこそですけど」
ネルロスの言葉を途中で切り、ミライは軽く笑いながら言った。
「ちゃんと、感謝しておきなさいよ」
ネルロスは微笑みながら言った。
「もう、とっくにしてますよ」
ミライも、微笑みながら言う。
「その様子だと、もう大丈夫そうね。じゃあ私は、そろそろ仕事の方に戻るわね」
ネルロスはそう良い、椅子から立ち上がる。
「ネルロスさん。ありがとうございます」
ミライは、部屋を出て行こうとするネルロスの背中に向かって声をかけた。
「ふふふ、どうも。治療費と宿代は、後から3人分きっちり貰うからねー」
そう言って、ネルロスは部屋をゆっくりと出て行った。
ちゃっかりしているなー。
そう思いつつ、ミライはゆっくりと目をつぶる。
「すー・・・すー・・・」
ミチの寝息が響く。
「すぅー・・・・ぬぅー」
ユミルの寝息と寝言も響く。
そんな静かなオーケストラのような寝息たちを聞きながら、ミライはもう一度、浅い眠りに付くのだった。