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ア・ホールド・ダンジョンズ!  作者: オレン
第二章(下) 束縛された水の街
214/217

第214層 期待されし者

この作品の作者は、文章表現が現時点でLv5/無限です。

様々な名称、場面が出てますが、作者は全てオリジナルだと思っています。

作品も作者も成長過程ですが、期待してください。

 ミライは大きく背伸びをしながら体を起こした。

 少し寝ぼけながらも辺りを見渡してみるが誰もいない。

 そういえば、昨日眠ったときはミチ以外誰も居なかったっけ。


「ようやく目覚めたみたいね。良い夢見れた?」


 突然の声にミライは岩上の方を見上げると、昨日すぐそこに眠っていたミチが岩の上に座っていた。

 今こうして岩を見上げると、結構大きな岩だったのがわかる。

 それにしてもミチのスカートの中がちらちら目につくけど……気にしないでおこう。

 ミライは腰を起こし、その場で立ちあがってミチの方を向いた。


「夢は見なかった。そんな事よりミチ、そこから降りてこいよ」

「ミライが登ってくればー」


 そう言ってミチは笑う。

 それもそうだなとミライは岩の頂上をチラッと見てから、地面を踏み込んで大きく飛んだ。

が、岩の半分の高さも飛べずにミライは落下した。

 ……どうやって登ったんだよミチ。


「私はひとっとびで乗れたわよ」


 そうミチは笑い、岩上で立ちあがった。

 心が読まれたと思い一瞬ハッとしたが、偶々(たまたま)だろうと気を取り直す。

 そしてミライはミチに意識を集中させる。


瞬間裏移動ムーブメント!」


 ミライはその場で瞬時に消え、ミチの背後に瞬間移動した。

 しかし、岩に着地したつもりなのに足元が何故か安定しない。

 ミライは足元を見るやいなや大声で叫んだ。


「この岩薄っ!」


 ミライが地面に向かって急降下しそうなところを、ミチがどうにかミライの腕をつかんで阻止した。


「バカ! 飛ぶなら飛ぶって言いなさいよ!」


 そう怒りながらもミライを引き上げるミチ。

 ミチのおかげでなんとか助かったミライは、狭い足場にどうにか立つ。

 ミチが抱き着くようにくっ付いてくるが、足場がこう狭いと何も言えない。


「で、なんだよこの集まり」


 ミライは岩の上に立って景色を眺めることなく言った。

 ミライの目の前に広がる光景は、昨日戦った100人以上の人達が集まってこちら向き、手を振ったり大声で叫んだりしているのだ。


「ミライの出向きをたたえる会」

「なんだよそれ」


 ミチの冷静な言葉に突っ込むミライ。

 ミチは笑いながら手を振りかえしてるが、本当に称える会なのだろうか。

 ま、この騒動を作ったのは恐らくナトレだろうな。

 そう思いながらナトレを探していると、探すまでもなくナトレが声をかけてきた。


「ほら、あなたに期待してる人があんなにもいるのよ。何か一言言ったらどう?」


 ナトレはすぐ岩の下にセーナと共にいた。

 ……一言と急に言われても、どうすればいいんだ。

というか、まだ何もやってない気がする。

 称えるのは、それが終わった後で良いんじゃないか?

 そうこう考えながらも、ミライは大きく息を吸って言葉を吐いた。


「俺は!! ってうるさっ!」

「この中に音を操る職業者クラスの人がいるの。その人の効果のおかげで普通に話しても遠くまで響くわよ」

「それを早くいってくれよ……」


 ナトレに返した言葉も大きく全体に響き渡る。

 ミライは気を取り直して、再び話し始めた。


「何が起きたか知らないけど、集まってくれてありがとう。知っての通り、俺はこれからグラムに立ち向かうつもりだ。でもその事はそんなに凄い事ではない。それだけは分かって欲しいし、称えるのもその問題を解決した後でいい。……でも必ず、グラムは俺がどうにかする」


 ミライの言葉に皆の歓声が沸いた。

 と、同時にミライのお腹が大きくなった。

 当然その大きな腹の音も、辺り一面に響いたわけで。

 その腹の音を聞いたミチは笑い出した。

 当然、笑いは連鎖れんさするかのように広がっていく。

 ミライは恥ずかしさのあまり頬を赤く染めた。

 

「……とりあえず、腹ごしらえはした方がいいわね」


 ナトレは苦笑いを浮かべながら言った。


「そうだな。まずは朝食を食べないとな」

「ふふふっ、ミライ、もうとっくに朝は過ぎてお昼の時間だよ」

「えっ!? 嘘だろ!」


 ミライとミチの会話は辺り一面に広がっていき、全体の笑いはどんどん大きくなっていくのであった。

ルビ設定が変わったのか反映されてないかもしれないです。

そんな事より、投稿日程から大きく外れてしまって申し訳ないです。

日程は少し考えさえてもらいます。

次回更新は、私の風邪が治ってからで!

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