第200層 夢の中の少女
この作品の作者は、文章表現が現時点でLv4/無限です。
様々な名称、場面が出てますが、作者は全てオリジナルだと思っています。
作品も作者も成長過程ですが、期待してください。
薄黄色の背景が全面に広がる空間。
自分の足が地に着いているのかすらも分からない。
ミライは立ち尽くしながら、一人言葉を呟く。
「ここは、一体……」
「ここは夢の中。あんたも薄々気づいてるんでしょ?」
「なっ! 誰だ!」
まさかの返答にミライは驚きながらも、声の聞こえた方に目を向けた。
そこには微笑みながら立つ少女の姿があった。
髪は茶色で長さは肩まであり、後髪が外側に広がるように跳ねている。
服装は裾のギザギザとしたスカートの、黄色のワンピースのような服。
手足は細く、何も身に着けていない。
それにしても、実態のハッキリした夢だな……。
ミライは謎の少女の方に体を向ける。
「ここは夢の中でも何でもいいとして……。もう一度聞く、君は誰?」
「私は……そうね。あなたの身近な裏の存在とでも言っておくわ」
そう言葉を吐いて、少女は不敵な笑みを浮かべる。
何か面倒くさいのが来たな。夢だから軽くあしらうか……。
そう思いながら少女の事を呆然と眺めていると、少女は笑みを強めて口を動かした。
「そんなに見つめて……まさか、私のプロポーションに一目惚れして」
「そんな訳ないだろ。……胸無し」
「くっ……言ったわね!」
少女はそう表情を強張らせたかと思うと、瞬時にミライの目の前まで詰め寄った。
「うわっ! なんだ!」
ミライは思わず声を上げる。
今使ってきたのは、まさか瞬間裏移動か。
驚きの表情を見せる中、少女は微笑む顔をミライに近付けて口を動かす。
「私もあなたの側にずっといたから、これ位は使えるわよ」
「いや、だから誰だよ。名前は? あと何の目的で俺の夢の中に現れた」
ミライの質問攻めに少女はムッとしながら顔の距離を離す。
そして腕を組み、少し悩んでいるような表情を見せる。
本当にこの子は何者なんだ。
あれだけ習得に苦労したムーブメントを軽々使ってくるなんて……。
それに、ずっと側にいたなんて言ってたが、俺には彼女の姿を見た覚えは一度もない。
一体、彼女は……。
ミライが考えをめぐらせる中、少女は何か思いついたのか、明るい顔つきでミライに言葉を向けた。
「私の名前は……無いの。だから、あんたが名前を決めなさい! それが済んだら、あんたの前に現れた目的ぐらいは話してあげても良いわ」
少女は両手を腰に当て、楽しそうにニッと笑う。
そんな少女を尻目に、ミライは面倒そうな表情を浮かべる。
名前ねぇ……どうするかな。
ミライは腕を組み、考え込みながらその場に腰を下ろすのだった。
少女の一言で今後の展開が大きく左右する……。
そんな気がして少し怖かったので、今日は逃げさせていただきます。
毎日更新ならこんな日も……ね。
そして地味に200もの層が出来上がりました。
これもそれも皆さんがあってですからね。大変感謝してます。