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ア・ホールド・ダンジョンズ!  作者: オレン
第二章(下) 束縛された水の街
197/217

第197層 宮殿からの脱走者たち

この作品の作者は、文章表現が現時点でLv4/無限です。

様々な名称、場面が出てますが、作者は全てオリジナルだと思っています。

作品も作者も成長過程ですが、期待してください。

 「そう、それでミライに会いにね……」


 ナトレ複雑な表情を浮かべながらつぶやいた。

 宮殿からの脱走班の彼女達の話は、とても信じられる内容ではないけど、筋は通っていた。

 ミライと私が脱走した後、気を失っていた彼女達を起こし宮殿から逃がしたのが、あの最初に会った女兵2人を含む4人の女兵士らしい。

脱走班は女兵の助言に従い、宿へと逃げ込み1夜を過ごした。

そして、彼女達は宿屋のクロネから話を聞いて、この場所まで来れたのだという。

 確かに話の筋は通っているけど、不可解な点もいくつか有った。

 1つは何故グラムの魔法効力が無くなったのか。

 グラムの能力は、相手が自分の操る水を体内に取り入れれば、思うがままに指示ができ、操作できるという事。

ただし女性限定。それでも彼女ら女性陣にとっては強力すぎる能力だった。

 その効力の解除方法は分からないけど、グラムが何かしない限りその束縛そくばくからの解放は無理だと私は思っていた。だから私はグラムの与える飲食物に一切いっさい手を付けなかった。

 けれども彼女達は、全く操られている様子も無くこの場所にいる。

 グラムが死んだなら、あの水壁がなくなっているはず。じゃあ一体どうして……。

 もう1つは何故彼女達を女兵が逃がしたのか。

 魔法効力が無くなったのなら、彼女達と共に逃げてくればよかったはず。

でもそうしなかった。最初からグラムをしたっていたとも思えないし。

 ……まさか!

 ミチが1つの結論に行きついたとき、ナトレと脱走班の話も終止符を打っていた。


「……そう。話は聞かせてもらったわ。助けた張本人はすぐそこに居るわ」


 そう言ってナトレは、ミライのいる場所までの案内を始めた。

案内といっても少し歩くだけで、そのだらしない姿がすぐ目に入る。

 そんな救世主の彼を見た、赤く長い髪の女の子はナトレに質問をした。


「……ミライは、どうして?」


 赤髪の黒魔道服の彼女は、どうやらミライを知っている様だった。

 彼女の使い間と思われる黒鳥こくちょうも、眠るミライの目の前で翼を大きく広げたかと思うと、ミライの腕を突きに突いていた。

 妙な鳥の動きに思わず皆が微笑む。

それでも、主人の「駄目」の一言で主人の肩に戻るのだから相当頭の良い鳥なのだろう。

 黒鳥の動きに気を取られつつも、ナトレは彼女の問いに答えた。


「ミライは強力な薬の副作用で30時間以上眠りにつかないといけないの。起きるのは早くても明日ね。……それにしてもミライを知っているようだけど」


「ミライは空から降ってきた。……後、宮殿での記憶は残ってる」


 赤髪の子は平然とした口調で言った。

 空から降ってきたという言葉も気に掛かったけど、後半の言葉の方が衝撃だった。

 その言葉を聞いてミチは、思わず口が動いていた。


「記憶が残ってるってことは、ミライがあなた達を凍りつかせるまで?」


 ミチの言葉に脱走班一同はうなずく。

 だとしたら、グラムの能力はただ身体を操れるほどの能力なのだろうか。

 ミチが考えをふくらます中、複雑そうな表情を浮かべながらナトレは口を動かした。


「でも、せっかく来てくれたのに当の本人がこれではね。何か伝えれるなら、彼のためにもあなた達の為にもなるのだけど……」


「手紙でも書いてけば?」


 唐突とうとつなセーナの言葉だった。

その言葉を聞いたナトレは表情を変え、セーナに笑みを見せてから口を動かした。


「セーナ、その案採用ね。紙は貴重品だから、1枚に皆で書くことにしましょう」


 その言葉に脱走班の彼女達は複雑そうな表情を浮かべる。

それでも、彼女達は断る事無く大きめな1枚の紙に書き始めた。

 書いていく最初のうちは、初対面もあってか重い空気が流れ込んだか、それも段々とにぎわい、しばらくしない内に和気藹々(わきあいあい)とした空気が辺りを包み込んでいた。

 明るい会話の中、彼女達はさとった。

 縛られた世界に小さな光を差し込んでくれたのは、なによりもミライの存在だということを。

 そして女性陣によるミライての手紙文は、ゆっくりと書き進められていくのだった。

活動報告にも記入させていただきましたが、これからこの時間に毎日更新です。

この行動のテーマは初心に帰ろうです。他にも様々なシークレット理由がありますけどね。


正直ミライには早く目覚めて欲しいものです。ミチ視点難しいし……。

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