第193層 確認と確信
この作品の作者は、文章表現レベルが現時点で4/無限です。
様々な名称、場面が出てますが、作者は全てオリジナルだと思っています。
作品も作者も成長過程ですので、あまり期待はしないでください。
完全に日も沈み、すぐ近くにはセーナの光ではなくミライの魔法による焚き火がパチパチと燃えている。
そして数々の料理が目の前に並び、辺りに食欲を増幅させる匂いの中、ミチは大きく息を吸ってから両手を目の前にパチンと当てて声を出した。
「いただきます!」
「いただきます」
そして、全員がその後に続いて声を出す。
ミチの声が聞こえたとき、何もかもが戻ってきたという実感が湧いた。
……久々に聞いたので、思わず笑みを浮かべてしまう。
そんなミライに気づいたのか、ナトレはミライに声を掛ける。
「どうしたのミライ。そんなにニヤニヤしちゃって」
「いや、なんでもないさ。それよりも、今日はやけに豪華だな」
ミライは目の前の数々の料理に目を配る。
「それはもう、ミライが眠ってしまう前だもの。これ位は作っておかないとね」
ナトレは笑みを浮かべながら良い、料理に箸をつける。
今日の夕食は全てがメインに見えるが、その中でも一際目立つのはもの凄く大きな魚の姿煮だ。
どれくらい大きいかと言うと、正面に座っているナトレの足元が見えなくなる位の厚みで、横幅は俺の胴体ぐらいだろうか。
そしてその魚が見た目大柄のくせにあっさりした白身で、いくら食べてもお腹がもたれる事がなく当然美味しい。
一体こんな魚がこの砂漠の何所に住み着いているのだろうか。
4人はしばらくの間料理の美味さで会話に花が咲いていたが、ふとミライはある事お思い出し、話の線を逸らしにかかった。
「そういえばナトレ、さっきの種明かしだったかをそろそろ話してよ」
ミライが口を開いた後、ミチとセーナは興味心身にナトレを見つめる。
ナトレは薄ら笑みを浮かべ立ち上がると、どこか遠くを見ながら話し始めた。
「……私はさっきの一連の流れで見たかったものがあったのよ。一つは言うまでも無いけど、ミライ、あなたの心意よ」
ナトレは目線をミライに向ける。
「俺の……?」
「そう。あなたがあのような展開を望んでないのは薄々分かってたけど、何故そこまで拒むのが知りたかったの」
「拒んでいるつもりはあまり無いんだけどね……。しいて言うなら、あまりそういう展開に持ち越すと俺も含め男性陣は酷い目みるからね。ネロさんのてによって……」
そうミライは言って、ほのかに輝く星空に目線を送った。
「ふーん、そんな内容聞かされたことないわね。それであの手紙かしら」
そう言ってミチも過去を振り返るように空を見上げる。
ナトレは困った表情を浮かべつつ口を動かす。
「それは……まあ、当たり前なのよ。彼女に敵う相手なんて存在しないでしょうし。でもそういう事ではないの」
「じゃあ、一体……」
そうミライが聞き返そうとしたとき、ナトレは突然叫んだ。
「ミライ、アペンシス!」
「えっ!? 何?」
突然の事にセーナは声を上げる。
……本当に一体何なんだ。
突然の事だったが、ミライは冷静にナトレに聞き返す。
「それはこの辺り一帯に? それともナトレ単体に?」
「当然、私単体にね。セーナとミチには悪いけど、ここからは大人の会話よ」
何となく勘付いたが、了解した。
ミライは情報強制公開を無言で唱えた。
相変わらずのレベルの高さが、ナトレの元に表示された。
「ちょっと、それはどう言う事!?」
すぐさまセーナは声を張りつつ聞き返した。
ナトレはセーナを笑顔で見つめながら口を動かす。
「ふふふ、内緒よ」
(と言うことで、始めるわよ)
そうナトレは心中から語りかけてきた。
そしてナトレはその場に腰を降ろす。
「分かったぁ……っと、てことだから俺たちの表情でも楽しんでてよ」
思わず返答を口に出したミライは、どうにか誤魔化そうとした。
ミチとセーナは表情を濁らせ、納得行ってない様。
そして、心内でも分かったと一言唱えておく。
(さて、話を進めましょうか)
ミライは固唾を呑み、不安を抱きながらも了解の合図を出したのだった。
伏線を作る一方で全く回収してない!
そう思っての展開です。……よけいに増えそうですけどね。
では、次回は明後日です。