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ア・ホールド・ダンジョンズ!  作者: オレン
第二章(上) 束縛された水の街
186/217

第186層 2人の魔法使い

この作品の作者は、文章表現レベルが現時点で3/無限です。

様々な名称、場面が出てますが、作者は全てオリジナルだと思っています。

作品も作者も成長過程ですので、あまり期待はしないでください。

 宮殿内部。

この長い通路を通れば、あのグラムの居る王の間に行けるが……。


「そう簡単に通してくれるわけ、ないか……」


ミライは溜め息混じりに言葉を呟き、竹箒を持つ右手に力を込める。

 ミライの見つめる通路の先には、2人の女が立ちはだかっていた。

その顔ぶれは情報強制公開アペンシスを使わずしても分かる。

 1人は白髪の魔術師、クリー。

何故か服装が最初に会った時の、俺様と同じフード付きのパーカーとスカートに戻ってるが……あの男の作戦なんだろうか。

 まぁ、前回会ったときの破廉恥ハレンチな格好よりは断然戦いやすいが……。

 そして、もう一人なのだが……。


「何故ここに居るんだ?」


ミライは彼女に聞こえるように呟いたが、当然言葉の返しなんて来ない。

 2人目、赤髪で黒一色の服装のネク。

相変わらずの大きな黒の魔法帽と、肩には目をきらりと光らす愛鴉カラスが一羽。

 どうしてネクはここに来てしまったんだ……。

 出来る事なら2人とは戦いたくない。

いや、もしかしたら戦わずしてこの場を切り抜けられるかもしれない。

 何故だか向こうの2人は、こちらに襲い掛かったりして来ない。

……きっと、ただの通路の見張り担当なのかもしれない。

 ミライは小さな希望を抱きながら、2人の元へと歩いていく。


「……すいませーん。王のグラムさんに会いに来ましたー……」


そうミライは小声で呟き2人の間を通り抜けようとした、その時だった。

 2人の女魔法使いは杖を構え、ミライを杖で殴り掛かってきた。


「はーあ、やっぱり駄目か。……魔術反射バリア


ミライは彼女らをギリギリまで引き付けてから、透明な氷壁を左右に作り上げた。

 2人の動きがもの凄く遅く見える。

……遅い、遅すぎる!

 2人の振り下ろした杖は、ミライの作り上げた氷壁に弾かれ宙へと舞った。

その杖めがけて、ミライは無言で燃盛る変化球フゲネスフレイムを放った。


「……スケイシス」


ネクの呟くように小さな声が聞こえてきた。

 その瞬間、ミライの放った火の玉が跡形も無く姿を消した。


「何が起きた!?」


ミライは思わぬ出来事に声を発した。

 何故突然、俺様の放った魔法が消えたんだ……。

 ネクはそう言ったたぐいの魔法を使うのか?

 それに、気がつけば左右のバリアも消えている……。

 2人の手元に杖が戻った。

クリーは杖が手元に来た瞬間、凄まじい威勢で魔術名を叫んだ。


「スタースライサー!」


その瞬間クリー上空に、大きな光の玉が現れた。

そして、その光の玉から無数の光の玉が現れミライに襲い掛かった。


魔術反射バリア!」


ミライは叫んで、目の前に氷壁を作り上げようとした。

だが、出てこない。バリアが作れない。


「くそっ、なにされたんだ!」


ミライは数十発もの光の弾幕を、バックステップを駆使して回避した。

最後には光の弾幕を生み出していた本体が飛んできたが、それをミライは華麗に宙返りで回避する。

 俺様も大分やれるようになったものだと、つい実感してしまう。


暗底あんていに眠りし力よ、我が力のかてとなりて万物の動力を封じ込まさんとせん」


ミライが宙を舞ってる間に、ネクが今までに無い位の力強い声で唱える。


「なっ」


 何が起こるというのだ……。

魔法でも、魔力を込めて唱える形の魔法は最高力難易度だぞ……。

と、ナトレから教わったが……。


「……リストレイント」


ネクの最後の呪文名では、やはり呟くような小さな声だった。

 だが、威力は声に反比例して凄まじい物だった。

だミライが宙返りでの着地の瞬間に、ミライ中心でネクまでの距離が半径の、もの凄く赤く大きい魔方陣が形成された。

その瞬間、ミライの体に妙な重圧感がし掛かった。


「グハッ……何が……アペンシス」


ミライは小さな声で呟やいた。

もしかしたら魔法が発動できないかとも思った、しっかりとステータスが表示された。

 クリー、レベル1、星術師。

……そういえば、クリーの職業クラスを始めてみたが、また個性的だな……。

 そして問題のネクは、レベル1、闇炎あんえん使い。

 闇の炎を操る……動けないのと関係ない気が……。

 だが、大体彼女ネクの魔法がどういった系統かが分かった。

 魔法陣魔法。敵を魔法陣にはめて様々な行動を不能にする。

さっき魔法が使えなかったのも、少し先に見える魔法陣が原因だろう。

 ミライがその魔法陣を見つめていると、魔法発動を無効にする魔法陣は姿を消した。

 そして、この魔法陣には少なからずのダメージ判定があるようだ。

気がつけば現在進行形で体力(HP)を80以上持ってかれている。

 この状況、一体どうすれば良いんだ……。

 じわじわと体力が奪われる中、ネクは更なる追い討ちをかけてくる。


「タット、行け」


何とも短い命令文で、ネクは肩に止まる鴉に指示を出した。

 グラムに操られると、ここまで優しさも消えてしまうのだろうか。

ふとそう思うミライだったが、そんなことを考えている余裕は無かった。

 指示を受けたタットは、ゆっくりとこちらに向かって飛んで来る。

その跳ぶ過程の中で、どんどんと姿を変化させていく。

 炎に包まれ、それが大きく増幅し、1羽の火の鳥のような巨鴉きょちょうへと進化していく……。


「なっ……嘘だろ!」


その光景にミライは叫ぶことしか出来ない。

 魔法を発動しても消される。

 巨鴉はどんどんスピードを速めて来る。

 あんなのを食らったら、生きていても戦闘なんて出来る体が残っていない。

 ミチを助け出す前に、ゲームオーバーかよ!

 そんなの、そんなのって!

明日続き投稿できたらします。遅くても明後日です。

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