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ア・ホールド・ダンジョンズ!  作者: オレン
第二章(上) 束縛された水の街
184/217

第184層 連行現場

この作品の作者は、文章表現レベルが現時点で3/無限です。

様々な名称、場面が出てますが、作者は全てオリジナルだと思っています。

作品も作者も成長過程ですので、あまり期待はしないでください。

 街をおおう水壁を抜けて、宮殿に向けての大通りを進んでいたときだった。


「ちょっと、放してください!私は宿の仕事があるんです!」


「王の命令だ、さっさと来い!」


聞き覚えのある声が聞こえてきた。

 その会話光景に目を向けると、やはりそこには彼女がいた。

 宿屋で出会った、銀髪のクロネだ。

ついでに、宿屋で俺様とミチを連行した女兵2人もいるが……。

 クロネは両手を女兵2人に捕まれ、抵抗しながらも、ズルズルと引っ張られている。

 何だか分からないが、よくない状況に立ち会ったらしい。

どうしようかとミライが迷っていると、クロネがもがきざまに後ろを振り向き、目線がしっかりと合わさった。

 その瞬間、ミライはほぼ無意識に行動に出ていた。

……共に行動していた女兵が左右に分かれて吹っ飛んだ。


「きゃっ。……お、お前は!」


「以外に女性らしい声も出るんだな」


ミライの不敵な笑みと言葉に、声を上げた女兵は目線を逸らし顔を染めた。


「うるさい! それよりも貴様、何故こんなところに」


「招待されたのでね。それをぶち壊しに」


ミライは持ち手の箒と手紙を持ち替えて、見せ付けながら言った。

 この紙を握ってるだけで、虫唾が走る。

でも、まだ捨てるわけには行かない。


「そんな事、させる訳にはいかないな」


その言葉とともに、女兵2人は立ち上がった。


「あのーミライさん」


結構大事な場面に似合わないトーンで、クロネが声を掛けてきた。

当然のようにミライは下を向いて声を掛け返した。


「どうした? クロネ」


「少し、冷たいのですけれど……」


困ったような表情と瞳で訴えかけてくるクロネ。

 あー、そういえばそうだった……。

水壁を通ってきたから、体全身が水でビショビショなのは当然だ。

 そして現在おかれる状況は、クロネをお姫様だっこした状態。

一瞬で何をどうしてこうなったかは、……自分でも実感が無いぐらいだ。

 とにかく、こんな濡れた体で抱き寄せれば、当然水分は相手側にも移動するわけで……。


「ごめん。服濡らしちゃったな」


「別に良いです。……それよりも」


クロネは左右の女兵に目を配った。

 それよりも、この場をどうにかしなければならない。


「……逃げるぞ、クロネ!」


ミライは大声で叫び、小さな路地に向かって走り出した。


「はい、お願いします」


その言葉とともに、身をゆだねるクロネ。

 クロネは姫様だっこが嫌ではないらしい。

もしかしたら、女性全てがそうなのだろうか。


「待て!」


少し距離を置いた場所から2人が追いかけてくる。

 1つ目の十字路を越えて、すぐさま後ろを振るかえる。


瞬間裏移動ムーブメント


ミライは小さく呟き、女兵の後ろに回りこんだ。

 そして、すぐさま通り過ぎた十字路で違う道を選択し走り出した。

 後ろから追いかけて……こない。

 作戦は無事成功というわけだ。


「強くなりましたね」


ミライの腕に包まれるクロネはささやくように言った。

その言葉に、ミライは思わず笑みを浮かべる。

 第3者からの褒め言葉は、何だかくすぐったい。


「ありがとう。それよりも、どうしてあの人たちに?」


「披露宴での食事を私に用意しろと言って来たんです。お仕事が有るのでお断りしたんですけど、強引に引っ張られて……」


「ふーん。て事は、まだ準備中な訳だ」


 助け出す形のイベントは、大体がメイン場面での救出が一般的だが……関係ないか。

忙しい中の押しかけも悪くない。


「さて、着いた」


ミライは足を止め、その場にクロネを降ろした。

 着いた先は、敵の本拠地へ続く階段の前。

こうして見上げてみると、やはり高く、大きい。

 目線を宮殿からクロネに向けて、苦笑いを浮かべつつも言葉を掛けた。


「ここまで連れて来てごめんな。本当は宿前まで行ければ良かったんだけど……」


「別に大丈夫です。助けてくれてありがとうございます」


クロネは深々とお辞儀をして、それから満面の笑みを浮かべた。

 これが営業スマイルでない事を願いたいものだな。


「いえいえ。じゃ、俺様は急ぐから。気をつけてね」


そう言葉を残して、ミライは逃げるように宮殿の階段を駆けて行った。

 クロネは、そんなミライの後姿に再び深々とお辞儀をする。

そして薄ら笑みを浮かべ、その場を後にした。


「はぁー……俺様ってもう言わなくて良いかな」


 恥ずかしいし……。

ミライは大きな独り言を吐き捨てながらも、一歩一歩階段を駆け上がるのだった。

クロネの服装は、メイド服orエプロン姿


決まってないので、お好きな方をどうぞ。

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