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ア・ホールド・ダンジョンズ!  作者: オレン
第二章(上) 束縛された水の街
181/217

第181層 波乱の食事

この作品の作者は、文章表現レベルが現時点で3/無限です。

様々な名称、場面が出てますが、作者は全てオリジナルだと思っています。

作品も作者も成長過程ですので、あまり期待はしないでください。

「いただきます!」


3人はしっかり手を合わせ、目の前のご馳走に対して感謝を示した。

 暮色ぼしょくの空下での早めの夕食だが、その目の前に広がる料理内容が破格の物だった。


「すごい!ナトレ、これどうしたの!」


そうナトレに聞くセーナは、少し息が荒っぽくなっている。

 俺様自身もその料理に圧倒され、最初に食事に手を付ける勇気が無い。


「長い眠りに着く前くらいは、美味しいもの食べようと思ったのよ」


ナトレは笑みを浮かべ、最初の一口に手を付けた。

 そして食べた途端、とても幸せそうな表情を浮かべた。

その瞬間ミライとセーナは、勢いよく目の前に置かれた食事にがっついた。

そして単純な感想を、驚きの表情とともに一言ずつ。


「うまい!」


「おいしい!」


 今日の夕食はたった1品だけ。

 それは完全霜降りの、いかにも高級そうな大肉だった。

肉を口に入れた瞬間に残るのは、上品な果実の香り、ただそれだけだった。

 料理工程は、ただ数種類のワインと肉を弱火でじっくり煮込んだだけとナトレは言う。

なのに、何ともいえないこの味わい。

 どれだけ良い素材を使っているのだろうか。

 そして、いつの間にこんな物を準備してたのだろうか。


「そういえば、ナトレは残りどれくらいで薬の効果切れるの?」


ミライは肉にかぶりつきながら聞いた。


「そうねぇ、昨日のあなたとの戦闘の前に4本飲んだから、もって残り2時間位かしらね」


 4本と言うと、薬の効力は24時間。

……まだあれから1日経ってないんだな。

 しみじみ1日を振り返っていると、セーナがナトレに気になる内容の質問をした。


「で、大体どれぐらい寝ちゃうの?」


「恐らく、薬の効能時間の半分と予想してるけど……少なくとも、それ以下は無いわね」


 と言う事は、最低12時間以上睡眠。

 あれ、だとしたら俺様は一体どれだけ眠りに……?

 ミライが計算し終わる前に、ナトレが再び発言する。


「ま、そんなのはどうでも良いのよ。それよりも、ミライ。あなたに罰ゲームを下すわ」


「……何でも掛かって来い!」


そして何故かミライは、両手に拳をかかげファイティングポーズを取る。

 ミライの返答にナトレは笑みを浮かべる。


「それじゃあ……でも、食後でいいわ」


「食後ね」


溜め息のように呟き、ミライは体全身の力を緩めた。

 残り2時間で済む事ってなんだろう……。

 そうこう想っていたら、隣に居たセーナがこちらに話し掛けてきた。


「ねぇーミライぃー」


「ん?……なんか顔赤いぞ」


 薄っすらとだが頬が赤で染まっている。

 ……熱でもあるのか?

と、思っていたら、セーナははミライの胡坐あぐらする足の上に頭を滑り込ませた。

 ミライの顔のすぐ下にセーナの顔が存在する形になった。


「うわっ、どうした。何かおかしくないか?」


「別にぃー。……そんな事よりミライ……寝よ?」


「は?」


セーナの潤んだ瞳に一言で返して、ナトレに助けを目線だけで求める。

 セーナは一体、何がどうなったんだ?

 その答えは、すぐさまナトレの口から聞くことが出来た。


「だいぶお酒がまわってきたのね」


「お酒って、この肉のアルコールは全部飛ばしたんじゃ……」


「そんなことするわけ無いでしょ。もったいない」


「もったいないって問題じゃ……」


 今思えば、ナトレの舌も回らなくなっている気がする。

 それに俺様自身も少し火照ほてっている気がしない事もない。

まぁ、一番お酒に酔ってるのは目の前のセーナなんだろうけど。


「でも奇遇ね。私もセーナと同じ考えだったわ」


「寝よ?」


「うるさい……って、え?」


 ミライはセーナの鼻をつまんでやる。

こう触ってみると、本当に熱があるような気もするが気のせいだろうか。

 そんなことよりも、だ……。


「私の罰ゲームは、私が眠るまでの間、添い寝でもしてもらおうと思って」


「じゃあ、私もそれでいぃー」


鼻声の状態でセーナは言った。

そのセーナを見ながら、ナトレは笑みを浮かべ口を動かす。


「じゃあ、それで決まりね」


「勝手に決めないでくれ」


ミライは言葉を滑り込ませた。

だが、とっくにアウト判定が出ていたようで……。


「何でも良いって言ったのはあなたよ?有言実行しなさいよ」


「男らしくないぞぉ。おとなしく受け入れろー」


「う……」


2人の言葉に返す言葉もなく、ミライは言葉を詰まらせた。

 そんな罰ゲーム、考えればおのずと展開が見えてくる。

と言うか、過去に経験した気がする。

 それは、俺様がどうも苦手な展開である。

 好き嫌いとかの問題ではない。むしろ夢のような展開だろう。

だが見られ方によっては、一瞬で俺様の人生が終る可能性があるのだ。

 本能を押さえる理性は有ると思っている。

むしろ強い理性が俺様には備わっているのは理解している。

 だが、他人の理性がどうなのかは俺様には分からないし、それをどうこうする事もできない。


「心配しなくても大丈夫よ。それに、苦手は克服させるのも私の修行内容の1つよ」


全てを見切ったようにナトレは言った。

 だが、修行途中で死ぬなんて、真っ平ごめんだ!

 あー俺様も少し酔いが回ってきた……。


「彼女はそう簡単に私達やあなたを死に追いやる事なんてしないわ。それに、あなたは今後もっと沢山の異性とも触れる事になるわ。拒んでいるようじゃ、体がもたないわよ」


ナトレは不敵に笑みを浮かべる。


「別に拒んでるわけじゃない」


「じゃあいいじゃん。私もう眠くなってきた……」


そうセーナは言い、恥じらい無しに大きく欠伸をする。


「分かった。分かったからそこで寝るな!」


そうミライは言って、セーナの肩を持ち、体を無理やり起こさせる。

 セーナは不満そうにミライから離れ、ゆっくりと立ち上がった。


「ミライ、後で床一面によろしくね。少しあったかめにね」


「……分かったよ。さ、てー合わせて食事終らせるぞ」


 どんどん皆の口調が崩れていく。

お酒の力って恐ろしい……。

 ミライは2人が手を合わせるのを確認して、大きな声で食事を閉めた。


「ごちそうさまでした!」

 良く出来た場面の次は、こうも遅くなってしまうものなんでしょうかね。

もうしわけないです。

 今までの全宣言撤回して言いなおします。

1月の中盤までは、投稿が不安定になります。


 私も投げ出す気は無いので、みなさんもせめて章終わりまでは読んでもらいたいです。

 必ず、心に何かを残させますので。

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