第170層 新事(あらごと)
この作品は、文章表現レベルが3/1000Lvの作者の書いた作品です。
様々な名称が出てますが、作者は全てオリジナルだと勘違いしてます。
作品も作者も駆け出しですので、作品と共に作者の成長も見守ってあげてください。
「セーナ!」
そうミライは叫んで、セーナの元へと駆けつけた。
地面に倒れるセーナを見ると、服が3本の爪で引き裂かれた様な跡があった。
その傷は以外にも浅い。いや、寧ろ無いに等しい。
「いたた……」
セーナは背中を摩りながらゆっくりと立ち上がった。
どちらかと言うと、吹き飛ばされた後に打った背中の方が気になるらしい。
「大丈夫か?」
「平気だけど、それよりも……一体何よ、あの攻撃!」
セーナは、こちらに視線を送るモンスターを見つめながら言った。
「たぶん、空間を歪ませる程の威力があった……と思うんだけど」
そうミライは冷静に言った。
でも、何か引っかかる。
光の進路を曲げるほどの威力が、何故セーナの服を引き裂く程度の威力なんだ……。
そうこう考えてる内に、セーナは愛用の折れ曲がった傘を装備し、モンスターに近づいて行った。
どうやら、接近戦に持ち込むらしい。
「……俺様も参戦するか」
ミライは溜め息混じりに言って、それから大きく息を吸い込んだ。
そして、目を一瞬キリッとさせて、鋭い口調で言った。
「情報強制公開」
この辺り一体の生物の情報が伝わってくる。
セーナ、モンスター、ナトレ、そして自分の含めた4つの情報が目で捉えられた。
えっと、モンスターの名前は……イロエで、レベル1か。
HP(体力)600のMP(魔力)200。レベル1ならそんな物か。
そして、レベルも上がってないのに、新たに見える項目が増えていた。
種族は、セーナと同じ進行者か。
……え?
ミライは新たな機能のせいか、思考が一瞬停止した。
思わず2度見するが、やはりセーナもイロエも同じ種族だ。
そして、目に留まったのは自分の種族。
これまた進行者。……つまり、だ。
ミライは必死に戦う2人の方を見て、一瞬イロエと目線が重なったのを確認して魔術を発動した。
「瞬間裏移動!」
発動後、自分の体が移動した事を自覚して、その場で叫んだ。
「セーナ、違う。この子はモンスターじゃない。俺様たちと同じ人だ!」
「……何所見て叫んでるのよ」
セーナの冷静な一言で、ミライは興奮から目が覚めた。
目の前を見渡しても誰も居ない。
振り向くと、3人の異性が何ともいえない表情でこちらを見つめていた。
……そう、ミライの叫んだ位置は、目の合ったイロエの背後だったのだ。
完全に固まってしまった空気に、ミライはただ苦笑いを浮かべるのだった。