第17層 うまい1日
この作品の作者は、文章表現が現時点でLv1/無限です。
様々な名称、場面が出てますが、作者は全てオリジナルだと思っています。
作品も作者も成長過程ですので、あまり期待はしないでください。
「……と、言うわけで今の状況があるわけです」
「なるほどねぇ」
ユミルの会話が嘘だったかのような楽しい感じだった。
話が重くなる事が無かったのは、何よりユミルの対応というか、突っ込みがすごかった。
少女について行ったと言えば、「おまえはロリコンか!」なんて言葉で帰って来たりした。
「それにしても……」
ユミルが話を切り替えるように話し出した。
「それにしても、やっぱりネロさん良かったよなー」
そう言った時のユミルの顔はにやけていた。
「僕には刺激が強すぎましたよ……」
そう返すと、ユミルが大声で笑いだす。
「でもいいよなー、俺はそんなに長いことネロさんと話さなかったぜー、羨まし過ぎる」
5人で行ったんだから当然だろ。
その言葉を心にとどめつつ、言葉を返した。
「心外だよ!それにしても悪女だったと思うな」
「それは見た目の問題だろうよ」
ユミルの返しに、2人で笑い出す。
そう笑いだした瞬間に扉がガタンと開く。
「2人とも、ちょっとうるさいわよ!」
そう言って、ネルロスさんが出てきた。
思わずビクッとなってしまった。
「すいません」
ユミルが軽く、まじめ口調で返した。
ミライも続けて同じ言葉を言い、目線をユミルからネルロスさんに向ける。
ネルロスさんを見た瞬間に、思わず目をそらしてしまった。
ネルロスさんがこわい顔をしていた訳ではなく、何というか、格好が異常だったのだ。
風呂上がりだったらしく、きれいな金髪は湿っていてタオルを頭に巻いている。
そして、緑で縦縞のパジャマ姿。
サイズが間違っているのじゃないかと思ってしまうほど、さっきまで目立たなかった大きな胸が、パジャマをはち切ろうとしている。
パープルの下着がはみ出て見えるのですが……。
ちょっと隣に目を向けると、ユミルが口を空けて胸をうっとり見ている。
どこかに行ってしまっているようなユミルを、指でつついてやる。
ハッと目が覚めたかのような反応をして、こちらをにやけ顔で見てくる。
こいつ、かなりのヘンタイだ!
そう思っていたら、ユミルが自分の鼻を指で指し、鼻下をこすってミライに見せる。
まさかと思い、自分の鼻下を右手人差し指で触れる。
ベトッとしたものが指に触れた。
その指を見ると、ものすごい鮮やかな赤色が、指についていた。
やってしまったと、顔が赤くなっていく。
顔が赤くなっていくに連れて、鼻下の赤さも増している気がする。
ユミルがミライの鼻を指差し、笑い出す。
「これ以上この部屋を、血で汚さないでくれる?」
ネルロスさんが、笑顔で呆れながら言う。
「すいません」
ミライが鼻を押さえながら言い、ネルロスさんにふたたび目線を向ける。
ふとネルロスさんの後ろを見ると、パジャマ姿のミチがいた。
ミチもこの光景を見ていたのだ。
ミチの哀れなものを見る目がこわい。
そう思っていたら、ネルロスさんが僕らに向けて言った。
「ほら、男共は2階ね。ココは客室じゃなくて私の部屋なんだから。まさかタンスの中とか見てないでしょうね?
そう聞いて、ベッドから立ち上がるユミル。
そして何かを思い出したかのようにミライに言った。
「おまえ、あの時の顔は、まさか……」
何のことだろうと一瞬考えたが、それもすぐに思い出した。
「あの時は違う!」
そう大きく批判を声に出したが、顔が赤くなり、思わず鼻を押さえてしまった。
「ほら、もういいからさっさと行った!」
呆れたようにネルロスさんが言った。
女2人の目線が怖い。
そう思いながら、その場から立ち上がって目を合わせないように、ユミルとミライは二階に上がっていくのだった。
2階には部屋がたくさんあったが、一番奥が開けっ放しだったので、そこを使えと言う事とすぐに分かった。
そして真っ暗でほとんど何も見えない中で、ユミルが先に入ってすぐ近くの右のベッドに跳びこむ。
ミライも、入ってドアを閉めて反対側のベッドの布団に入る。
ユミルは全く動かなくなったので、寝たのかと思いミライは目をつぶる。
「今日は、いろいろとうまかったな」
寝ていると思っていたユミルは、突然の呟いた。
起きていたのかと思いつつ、その呟きを無視して、ミライは眠りにつくのだった。
文字配列のみ。
昔の自分の発想の面白さは勝る部分がありますね。