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ア・ホールド・ダンジョンズ!  作者: オレン
第二章(上) 束縛された水の街
166/217

第166層 真正面10センチの壁

この作品は、文章表現レベルが3/1000Lvの作者の書いた作品です。

様々な名称が出てますが、作者は全てオリジナルだと勘違いしてます。

作品も作者も駆け出しですので、作品と共に作者の成長も見守ってあげてください。

「きゃっ!」


ミライが目を見開いた瞬間に聞こえた最初の一言がそれだった。

 発言者は目の前に立っているセーナ。

困惑したような表情で俺様を見つめている。

いや、哀れに思ってるのかも知れない。

……なぜなら、俺様は予定していた瞬間移動地点とは違う場所に立っていたからだ。


「見事なまでに真正面ね」


ナトレは嫌々しく笑みを浮かべながら言った。

 そう、ミライが瞬間移動した先はナトレの背後ではなく、セーナのすぐ目の前だった。

その距離10センチもない位で、少し手を伸ばせば抱き寄せられる距離だ。

 上目遣いで見てくるセーナの表情が痛くまぶしい……。

 ミライはセーナの視線から目線をらしつつ、溜め息交じりで思いを口にした。


「ナトレの背後に回りこむつもりだったんだけどなー……」


「え、私の背後じゃなくて?」


ミライの言葉に思わずセーナが聞きかえした。

 うーむ、背後に回りこむルートが悪かったかな……。

色々考えながらも、ミライは自分のイメージを口にする。


「俺様は、ナトレの背後に右回りに大きく回り込もうと思ったんだけど……。何が違ったんだろう」


「そこにセーナと言う障害物がったから、じゃない?」


ナトレは1つの答えを導き出して言った。


「えっ、えっ、何、私のせいなの?」


少し動揺しながらセーナは言った。

 それは違う。

そう思いミライは大きく首を横に振った。

 もしそうだとしたら、俺様は少なくともセーナの背後に回り込んだはずだ。

それに、セーナが居た場所よりも、もう少し遠回りのルートを俺様はイメージしたはずだ。

なのに、どうして……。

 ミライが考えに困っていると、何所からかナトレの提案が耳に入ってきた。


「もう一回やってみたら?今度は左回りでも」


「そうしてみる」


そう言って、ミライは再び集中モードへ入っていく。

 セーナは真後ろに居て、前方にはナトレの姿。

大丈夫だ、次こそは……。


瞬間移動テレポート!」


そうミライは、ナトレだけに意識を集中させ叫んだ。

 その瞬間、ミライの姿がパッと消えて、パッと現れた。

 だがしかし、ミライの目の前に立つのは、ナトレの後姿でもナトレ自身でもなく、鋭い目つきで上目遣いをするセーナの姿だった。

 そのセーナとの距離は10センチで――。


「技の名前普通すぎるし、また私の目の前だし……」


セーナの冷ややかな言葉がグサっとミライを貫く。


「技の名前も、技の内容も改善しないといけないわね」


追い討ちを掛けるようにナトレの言葉がミライに襲い掛かる。

 何だこの負け犬のような気分は……。

それに、そんな短時間でカッコイイ技名なんて浮かばないだろうよ。


「納得いくまで背後に回り込もうとするけど、いい?」


「納得いくまで名前を変えて良いわよ」


ミライの言葉に、笑みを浮かべながらナトレは言葉を返した。

 そのいやしい笑みをミライは受け流しつつも、ミライは集中力を高めるのだった。

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