第165層 集中と表現
この作品は、文章表現レベルが2/1000Lvの作者の書いた作品です。
様々な名称が出てますが、作者は全てオリジナルだと勘違いしてます。
作品も作者も駆け出しですので、作品と共に作者の成長も見守ってあげてください。
「まず、この技の利点はね……」
「一瞬で近距離戦に持ち込めること」
ナトレの話す言葉の隙間に、そうミライは言葉を入れた。
ナトレはミライの言葉に微笑みながら大きく肯く。
俺様自身が使用しているから分かるが、本当に発動から相手のすぐ近くまで向かうのが一瞬なのだ。
高速移動と言うよりは、瞬間移動。ワープ的な感じだ。
しかし、遠距離魔法を扱う俺様にとっては、全く利点を生み出さない魔法であって……。
「今回この技を完璧に習得させるのは、あくまでミライの言う見方の救出であって王の撃退じゃないのよ」
ミライの心を見透かすようにナトレは言った。
「でも、俺様も相手の目の前には瞬間移動できるよ?」
「相手の目の前だと、出現した瞬間にグサッって一撃を食らう可能性もあるの。だから、相手の後方に瞬間移動が理想的なのよ。でも正直、私には扱えない技だから少し羨ましいのよね。あなたの目の前に瞬間移動できるやつ」
ナトレは一理ある答えを言った。
しかし、ナトレは後ろにしか回りこむことが出来ないなんて……。
「何となく分かったけど、瞬間移動って相手の近くなら何所でも飛べるんじゃ……」
「そうも行かないのが現実なのよね。まぁ、とにかく実戦あるのみよ。早速やりましょ」
確かにそうだなとミライは肯いた。
ミライはその場で集中力を高める。
魔術氷結の時もそうだったが、時間を掛けてでも1回を成功させる。
これがナトレの大まかな修行術の教えだ。
だから、この集中すると言うのは次の行動のための大事な起点で、大事なイメージを膨らます場面である。
……しかし、相手の後ろ側に回ると言うイメージが浮かばない。
「ねぇナトレ、後ろに回りこ込むコツは?」
集中力を半分鈍らせながら、ミライはナトレに聞いた。
ナトレはその言葉を聞いて、少し考えるそぶりを見せる。
イメージを言葉で表現するのは難しいようだ。
ミライの質問の答えは、少し間を空けてから返ってきた。
「そうねぇ……真っ直ぐ相手に飛び掛るのじゃなくて、円を書くように左右や上を回り込む感じ?」
「……よく分からないけど、やってみる」
ハッキリそう言って、ミライは再び集中力を高める。
瞼を閉じ、呼吸を小さくし、意識を頭の中だけに集中させ、他は完全な脱力状態。
……前方に居るナトレを右から大きく回り込む。
「来た!」
ミライは大声で一言言い放ち、閉じた瞼を大きく開いた。