第16層 ココに来た理由、ユミル
この作品の作者は、文章表現が現時点でLv1/無限です。
様々な名称、場面が出てますが、作者は全てオリジナルだと思っています。
作品も作者も成長過程ですので、あまり期待はしないでください。
食事の後は、全員解散と言うことで自由行動になった。
ミチは指示された場所の風呂に行って、ユミルはトイレに駆け込んでいった。
僕はと言うと、ネルロスさんの食器の片づけでも手伝おうかと思ったが、あっさり断られてしまったので、さっきの部屋に戻ることにした。
部屋の中に入り、立ち止まる。
そういえば、買い物前は血だらけだったベッドは、純白で清潔なベッドに変わっている。
そんな綺麗なベッドに座って一息つく。
今思えば、今日は色々ありすぎた。
突然の洞窟の中の世界、突然の仲間、突然のパンチラ……。
色々今日を思い出していたら、あの出来事を思い出し、顔を赤くした。
「ふうー。おっミライ。どうした?」
トイレが終わったのか、当然扉からユミルが入ってきた。
「風呂でも覗いてきたか?」
そして、入ってきてこの一言である。
「そんな覗くわけないだろー」
ミライは、棒読みで言った。
「なんだ、つまんないの。よいしょっと」
そう言って、同じベッドの、ミライとは反対側の方にユミルが座った。
「今日は、助かったよ。色々と」
突然ユミルが呟きだす。
「僕は助ける気なかったですよ。ミチに引っ張られて助けただけです。感謝するならあの子にですよ」
ユミルと全く同じような、まじめなトーンで返す。
顔はお互い反対方向だから、表情は分からない。
「急に大人になったな。でも、結局君の魔法で助かったんだ。君は強いよ」
ユミルは楽しそうにそういうが、言葉は真面目だった。
「ユミルが15でミチが13。僕はまだ9だよ」
「レベルの数字なんて、ほとんど意味ないさ。ところで……」
ユミルはそう言うと、すたすたと歩いて、ミライの目の前の床に座った。
戦闘の時には見れなかった、ユミルの姿があった。
髪は鮮やかな緑色で、少し焼けた肌、若干赤みがかった目。
そして、よい肉付きの体で、特に腕はそんなに太くは無いが、筋肉だけだって言うのが見て分かる。
「俺は、正直……あの戦闘で死のうと思っていた」
表情のくもっているユミルが、そう言った。
返す言葉が見つからない。
ユミルが、少し間をおいてから話を進める。
「俺にも仲間がいた。ここに来る前からも、来てからもだ」
「ユミルは、どうしてこの世界に来たの?」
少し話をそらすかのように、ミライは言った。
「ああ、俺は向こうでは、採掘業をやっていてな。毎日せっせと働いてたよ」
ユミルの表情は、もの凄く遠くい過去を見ているようだった。
「しかしある時、突然採掘場所に得体の知れない大きな穴が現れたんだ」
どうやら、世界中のあちこちで穴が出来たのは本当のようだ。
ミライは、ただうなずいた。
「無法の採掘かと思って、同僚の一人がその穴に入っていった。そしてすぐに出てきたと思えば、死体で出てきやがった」
ミライはうなずくことしか出来ない。
「何かあると思って、俺を含めて5人がこの世界に入り込んだんだ。正直最初ここに着た時は、驚きと楽しさがあった。でも、他の奴らは、この町に来るまでに消えていった。はっきりと覚えているし、思い出せるよ。と言うより、時々思い出してしまう。正直、あいつらの消えていく姿を思い出すのが死ぬほどつらい。だから、あの明らかに勝てそうになさそうな、モンスターの集団に俺は突っ込んで行ったんだ」
ユミルはそう言い切ったが、まだ表情に違和感が残っている。
「じゃあ、良かったです。自殺を止めれて。ちゃんと生きてくださいよ。その人たちの分まで」
ミライはそう言うと、ユミルはポカンとしていた。
「死を見たら、その死を受け入れ背負って生きろ!って、何かの台詞で見ましたから」
ミライはそう笑顔で言った。
「ははは、そちらの世界はだいぶ発達しているようで」
そうユミルは言ったが、いまいちその言葉を理解できなかった。
「さて、俺は話したぞ。次はミライの番だな」
「えー」
完全なユミルの不意打ち攻撃だった。
「そんなに深い重い話じゃないよ?」
女の子について行ったらここに来た、なんて言えるはずがない。
「ははは、かまわん。早く話せ!」
ユミルはニヤニヤしながら、こちらを見てくる。
もう逃げ切れそうに無いようだ。
「はいはい。えーっとね……」
ミライは、不意打ち攻撃をかわせずに、ここに来るまでの話を淡々と話始めるのだった。
文字配列のみ。
後書きは2年後の作者が書き残しているので、初見の方は読むと調子狂うかもです。
昔はパンチラが好きだった自分が文字に表れてますね。
青いね。