第155層 利点と欠点
この作品は、文章表現レベルが2/1000Lvの作者の書いた作品です。
様々な名称が出てますが、作者は全てオリジナルだと勘違いしてます。
作品も作者も駆け出しですので、作品と共に作者の成長も見守ってあげてください。
3人は焚火を横に円陣形に座り、ミライ強化プログラムの話を始めた。
最初に口を開いたのはナトレだ。
「さて、とにかく時間はあまり無いのだから、とっとと本題に移るとして……」
ナトレは、げんなり弱ったミライに目を向ける。
ミライは本題に移る前までに、俺様のくだりで8杯もの液薬を飲んでいた。
さすがに、液薬の妙な感じには慣れないが、俺様を使う事に抵抗は無くなった。
ミライは目を虚ろにしながら、ナトレに言葉を向けた。
「で、俺様は一体何をすると……」
ミライの言葉に、ナトレは右手で待ったとばかりに手を広げて見せて、話し出した。
「行動に移す前に、ある程度知識を身に着けて貰わないといけないの。まずは、ミライ、あなたの利点ね」
俺様の利点……。考えてみても、意外に思いつかないものだ。
腕を組み考えるミライを見つめながら、ナトレは話を続けた。
「ミライの利点は、様々なバリエーションの魔法を放てる事。そしてそれの狙いの的確さ。そして発動スピードに似合わない、絶大な威力。……はっきり言ってセンス的才能ね」
「……そんなに褒められてもな」
弱った表情を明るくして、照れくさそうに言うミライ。
ナトレは表情を変える事無く、話を進める。
「まあ……バリエーション以外は、今のセーナの方が上手ね」
「当然よ!」
セーナが自慢げに言葉を放った。
セーナが強くなったのは認めざるをえない。でも何か悔しい……。
ナトレは、しょんぼりするミライを軽く笑いがらも口を動かす。
「で、利点の次は欠点ね」
その言葉の後、少し空気が固まり、ミライは固唾を呑む。
ナトレは少し考えた後に、ミライの方をしっかり向いて話した。
「あなたの欠点は、魔法使いならではの元々のステータスの低さ。そして、エロ的展開に弱い事」
「……はい?」
ミライは自分の欠点に違和感を感じて思わず言葉を返した。主に2つ目。
ナトレは薄ら笑いを見せて、口調を強めにミライに言葉を向けた。
「あなた、そういうの見てられないでしょ」
「いや……そんな事は無い」
ミライは男として言葉を返した。
そんな弱点、あって堪るか!
そんな思いの中、ナトレから言葉を向けられた。
「じゃあ、セーナの方を向いて」
ミライは言われるままに、セーナの方に体ごと向いた。
セーナは相変わらずの白Tシャツ1枚である。
ハの字の女の子座りで、俺様に気を使ってか手で股元をシャツの裾で隠している。
そんなセーナにナトレは言葉を掛けた。
「セーナ、体育座り。足若干開いて」
そんな注文セーナは受け入れるわけが無く、ナトレに言葉を返した。
「そんなの、見られてるって分かってるのに嫌よ!」
「お願いよ。あなたの弱点、話さないであげるから」
その言葉にセーナは無言になった。
そして……ゆっくりと座る姿勢を、ナトレの言ったとおりに形を変えた。
ナトレは目線をミライに変えて言葉を放つ。
「ミライ、目を瞑らない!逸らさない!……すぐに分かるんだからね」
ナトレの言葉で、ミライは無意識に瞑る目を開く。
目の前に映るのは、泣きそうになりながら顔を赤く染めて、体育座りをするセーナ。
細く美しい両足の間に見えるのは、間違いなくセーナの下着である。黄色の縞パンである。
こんな展開……全然……何とも……。
「こんな事して、一体何になるって言うんだ!……うっ」
ミライは叫んだ後に、鼻に手を当てた。
一瞬、鼻から何かが出てくるかと思ったからだ。
目を逸らせば、ナトレに見破られるが……この状況、セーナも泣きそうだし。あーどうすれば……。
そう思った瞬間、背中からどしっと何かがのしかかって来た。
そして、ミライの耳元にナトレが囁く。
「あなたの利点欠点にもう1つ共通してあるの。……それは、優しさよ」
ナトレは胸をギュッとミライの背中に押し付ける。
俺様の体温がどんどん上昇していく。もう……無理。
ミライは自分の鼻から流れ出る液体を、拒む事無く流した。
周囲を包む明るさに、液体は赤色を反射させて、ポタポタと地面に垂れ落ちる。
こうしてミライは、自分の欠点を受け入れる事になったのだった。