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ア・ホールド・ダンジョンズ!  作者: オレン
第二章(上) 束縛された水の街
144/217

第144層 絶対王者

この作品は、文章表現レベルが2/1000Lvの作者の書いた作品です。

キャラ名が被ったりしますが、作者はオリジナルだと思っています。

様々な表現が含まれますが、話の内容と、作者の成長を見守ってください。

 ミライの呪文発動後、このフロア一帯のキャラクターのステータスが表示された。その中からグラムのステータスに目を向けた。

 グラムのレベルは35で、HP(体力)が1636。MP(魔力)は639。職業クラス水隷術師すいれいじゅつしで当然属性は水か。

それにしても良く見えるようになったものだ……。そして、効果範囲も相当広く……。

ミライは強くなりつつある自分の魔法を感じながら、グラム以外の、レベル1のステータス表示を見透みとおした。


「え、クリー?」


ミライは懐かしい名前を目にして、思わず声を上げた。

 こちら側から見て、グラムから左に3人目の人物が、前のエリアで戦った魔女クリーだったのだ。

 前の戦闘時の可愛らしい格好から豹変ひょうへんしていたので、まるで気づかなかった。

 ミライの声には、まるで反応する様子は無いクリー。


「ほう。どんな魔法かと身構えてみれば、ただのストーカー魔法か」


グラムは不敵な笑みを浮かべながら言った。

 ミライは即座そくざにメニュー画面からほうきを取り出して、グラムに声と魔法を投げつけた。


「これからが本番だ!燃盛る変化球フゲネス・フレイム


ミライの放った大きな炎の玉は、大きさに比例しない猛スピードでグラムに向かって飛んでいく。

そして、グラムに直撃して、爆発音と共に燃え上がり、天井に大きく穴を空けた。

 しかし、狙ったはずのグラムと地面は全くの無傷で、HPも1しか減ってない。

ダメージを食らったのは、その周りの女子おなごたちで、ライフは半分以上持って行った。

 半殺しを狙って放ったつもりなのに、いてないなんて……。

そして、なるべく範囲のせまい魔法を放たないと、犠牲者が出てしまう。


「フハハハハハハ……貴様きさまの魔法はその程度か!」


その言葉と共に、グラムは圧縮の水撃スプラッシュ・ショットを飛ばしてきた。


魔術反射バリア!」


ミライは咄嗟とっさの判断で、魔法を放った。

 グラムの魔法は、バリアで跳ね返り、地面に小さな穴を空けた。

 グラムはミライの魔法を見て、少し驚きの表情を見せてから、再び笑みを浮かべた。


「様々な魔法を使う魔法使いだな。職業クラスが気になるものだな。まぁ、全ての魔法を出し切るが良い。全て受け止めて絶望にひたららせてやる」


職業クラスは魔法使いだ!魔水の激圧ウォーター・プレス


ミライは、グラムに言葉を返して、魔法を放った。

 今まで使って来た魔水の激圧ウォーター・プレスの中で、一番細い形になった。


「うそ……」


ミチは目の前の光景を見て、声をらした。

 魔法はグラムにだけ命中した。だが、グラムは全くの無傷だ。

 グラムは魔法を跳ね返すと言うよりは、吸収してダメージを無くしている。

 一体どうやって……。

 グラムは、ミライの表情を見て笑みを深めたと思ったら、残念そうな表情を浮かべてミライに声を掛けた。


「その様子だと、貴様の魔法も出尽くしたようだな。そろそろ終わりだな」


そうグラムは言って、再び鋭い水鉄砲を放った。

 ミライは、再び瞬時に魔術反射バリアを目の前に張った。

だが、グラムの魔法はミライの魔術反射バリアを粉々にくだいて、ミライに命中する。


「ぐあっ!うぁああああああああああ……」


「ミライ!」


ミチの呼びかけが掻き消される位、ミライは大声で痛みを叫んだ。

 グラムの攻撃は、運悪くミライの右肩から右肘ひじまでをつらいた。

 この世の物とは思えぬ痛みがミライをおかし続ける。

 ミライは痛みに耐え切れず、地面に崩れ落ちて、体を起こしてグラムを見るのがやっとの状態。


物理水激スブライドと言って、俺の物理攻撃だ」


グラムは笑顔で説明すると、物理水撃スブライドをミライに向かって放つ。

 その攻撃は、今度はミライの左腹部を貫く。


「ぐふぁっ」


ミライは真っ赤な血を口から吹き出した。

 ついにミライは、体も支えられなくなり、地面に完全に倒れ込んだ。


「もう止めて!お願いだから……もう……」


ミチの涙交じりの声が響き渡る。

 グラムは、ちらりとミチの方を向いて、再び目線をミライに戻し容赦ようしゃ無しに魔法名を放った。


水中の世界アンダーウォーター・ワールド


グラムが魔法名を放った瞬間、ミライに水がおおかぶされて、円状にまとまった水と共に、ミライの体も浮かび上がっていく。

 ミライにダメージは無いが、呼吸が出来ずに、もがき苦しむ。


「………………………………………」


ミチが何か叫んでいるが、水で耳が塞がっている以上、ミライは何も聞こえない。

 こんな終わり方かよ……。

ミライは、薄れゆく意識の中、ミチとグラムを少し高い位置から見つめる。

 しばらく見ていると、ミチはだんだんグラムの元によろよろと近づいていく。

 

「な、何を……」


ミライはゴボゴボと声を出し、水の中でもがいた。

 ミチは玉座に座るグラムの、靴に口付けをしたのだ。

 そのミチの表情は、死んでも忘れれそうに無いほど、顔を真っ赤にして涙を流していた。

 くそう。こんな所で……こんな形で……。

 ミライは、後悔と無力さの見えない涙を流しながら、水の中で意識を完全に失うのだった。

恐らく、今章のメインシーンの1つ。待ったかいあったな……

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