第129層 一人街へ
この作品は、文章表現レベルが2/1000Lvの作者の書いた作品です。
キャラ名が被ったりしますが、作者はオリジナルだと思っています。
様々な表現が含まれますが、話の内容と、作者の成長を見守ってください。
町が見えてから、さらに歩いて数時間。
辺りはだいぶ日が落ち始めた。
そして、町まであと少し……と言うより、街の目の前まで3人は来ていた。
そこで3人は揉めていた。
「何で街に入らないんだよ。ナトレもセーナも」
「怖いから」
ミライの強い問いかけに、セーナは即答した。
「少なくとも水がある分には、この街の中より、砂漠の方が安全といったら安全なのよ。だからミライ、街に行く前に水を置いていってね」
ナトレは冷静に解釈して一言つけた。
ナトレの言葉に、ミライはもの寂しそうに言葉を返した。
「それは良いけど……何だかなー」
「あら、一人だと怖いの?」
ナトレは笑みを浮かべながら言い返した。
「それもある。ただそれ以上に……」
「それ以上に?」
セーナが聞き返す。
ミライは一呼吸置いてから、呟くように言葉を吐いた。
「何だか急に1人になると思うと、寂しいなーっと思って……」
「あら、言ってくれるわねぇ……」
ナトレは苦笑いを浮かべながら、言葉を返した。
そう。この2日ほどだったが、相当濃い内容のものだった。
色々あったが、ここまでよく楽しくこれたほうだったと思う。
そんな色々の原因のような2人と、こんな早くに……。
「そんな顔するぐらいなら、私達と一緒に残れば良いじゃない」
ナトレは少し寂しそうな目線を向けて言葉をミライに向けた。
ナトレの言う事は、確かに正当で、一番安全かもしれない。
でも、ナトレから街に関する謎の情報を聞いた以上、この街からミチを連れ出したいのだ。
何せミチは、かれこれ2日も街で待っているじゃないか。
例えどんな危険な場所でも、待たせているなら、行かなければならない。
決心をつけてミライは、2人に対して笑みを浮かべながら話し出した。
「……うん、僕は行くよ。街の中で待っている仲間がいるんだ」
「そう。私は町の近くでゆっくりしてるから、何かあったら合いに来れば良いわ」
「ふん。厄介な男が消えてくれて清々するわ」
セーナは腕を組みながら、ミライに背を向けて言った。
そんなセーナに、ミライは何かを思い出したかのように声を掛けた。
「あ、そういえばセーナ」
「な、何よ?」
「PT登録しておこうよ。人数制限無いだろうし」
「別にそれぐらい良いわよ」
そう会話を交わして、セーナとミライはメニュー画面を開き、PT登録をお互いにした。
PT登録するナトレの手つきは手馴れていた。
「ありがとう。何かあったらメール出来るから」
そう言ってミライは、笑みを浮かべてセーナに見せる。
そんなミライの姿に、セーナも笑みを浮かべながら言葉を返す。
「ふん。ミライも頑張りなさいよ。私のライバルとして!」
そんな突然のライバル宣言をミライは笑って受け入れ、顔を真剣な表情に戻す。
「それじゃ。バリア、バリア、バリア、バリア、バリア!……ウォーター・プレス!」
素早く作り出されたバリアのケースに、大量の水が入り込み、飛び出していく。
当然近場にバリアのケースを作ったので、3人に勢い良く水が襲ってくる。
「これだけあれば大丈夫でしょ」
「もっと大きくしてくれても良かったのに……泳げるし」
ナトレは濡れた事を怒る事無く呟いた。
「横幅は広くしたんで……」
ミライは、残念そうな表情を浮かべるナトレに対して、苦笑いを浮かべながら言った。
そのミライの言葉に、ナトレは嬉しそうに微笑む。
……どれだけ泳ぎたいんだ!
そう思いながらミライは、2人やバリアの方向ではなく、大きく佇む街の方に体を向けて、言葉を放った。
「それじゃあ、またどこかで」
「ええ、また」
「行ってらっしゃい」
そのナトレとセーナの言葉に、右手を大きく上げて見せながら、ミライは街の方へと歩いていったのだった。
……そして、街の前。
確かに言われた通り、街の周りを液体が覆いかぶさっていた。
その光景は、夕暮れ時のせいか、紫色の毒々しい液体に見える。
殺されると聞かされるので、何だか入りづらい。
でも、ここまで来た以上引き下がるわけには……。
「……さて、行こうか」
そうミライは呟き、街を取り囲む液体に右手から突っ込むのだった。