第117層 ホットホットホット
この作品は、文章表現レベルが2/1000Lvの作者の書いた作品です。
キャラ名が被ったりしますが、作者はオリジナルだと思っています。
様々な表現が含まれますが、話の内容と、作者の成長を見守ってください。
「……もう良いわよ」
尖った口調でセーナは言った。
ミライはその言葉を聞いて、ゆっくりと2人の方に振り返った。
セーナはナトレの体を使い、隠れていた。
それでも、セーナの服装にホットパンツが追加されたのはすぐに分かった。
そうやらセーナは2つ目の選択肢を選んだようだ。
今後の状況的には、嬉しい方の選択肢……なのか?
その答えをミライはすぐに理解し、ため息と苦笑いが出てしまう。
そのミライの行動を見て、ナトレもやれやれと首を横に振った。
「さて、そろそろ進みましょ。いくら時間があっても、さすがに勿体無いわ」
ミライとセーナの関係の間に入るナトレが口を開いた。
「たしかに。日が暮れても困るしな」
「ミライ。悪いけど一夜は絶対に野宿になるわよ。この距離だとね」
ナトレは砂漠の遠いほうを見て言った。
「食料無いんだけど……」
「食料なら私が持ってるわ。それを分けるわ。もちろん、後々でいいから2人とも代金払ってね」
ナトレは若干笑みを浮かべて言った。
「そのうちね」
セーナは笑みを浮かべながら言った。
「それじゃ、話しながらでも良いから行きましょ」
ナトレの言葉に2人は肯き、ナトレを先頭に3人は町を目指して歩き始めたのだった。
あの巨骨から歩き始めてだいぶたった。
と言っても、まだ後ろを振り向けば、大きな存在感を放っている巨骨が見えるわけだが……。
歩き始めてからの数分間は、様々な話で盛り上がっていたが、それも数分のこと。
その後は会話も弱りに弱り、とうとう口も開かず、もくもくと歩くだけとなった。
汗の量が尋常じゃない。
それは、左隣にいる彼女もそうなわけで……。
歩いてる間、目を合わせるどころか、口すら利いてくれない彼女も……。
「あーつーいー!」
全く会話の無かった寂しい空間の中、突然セーナは叫んだ。
「一番涼しそうな格好に見えるけど?」
ナトレは歩きながら楽しそうな口調で言った。
その鋭い指摘に、思わずミライは笑みを浮かべる。
ナトレとミライが歩く中、セーナは突然足を止めた。
「ナトレ。ちょっと……」
ミライの問いかけに、1歩前を歩くナトレも足を止めた。
ナトレは振り向き、足を止めるセーナの方を見る。
ミライも複雑な表情のセーナを見つめる。
そして、誰も動かない時間が数秒間続いた瞬間だった。
突然、セーナはロング白Tシャツの下に履いているホットパンツを勢い良く脱ぎだした。
「ちょちょ、ちょっと」
ミライは慌てて体ごと目線を大きく逸らした。
一体、何を突然……。
「ミライ、こっち見なさい!」
セーナは命令口調でミライに言った。
ミライは黙って、体ごとセーナの方を向いた。
そこには、ホットパンツを片手に持って立つセーナの姿があった。
そのセーナは、どんどんミライの方向へ近づいてくる。
「これで良いんでしょ、これで!」
セーナはミライを見上げるように、少し顔を赤くしながら言った。
戦闘以来の下から目線……。
そして、戦闘以上の顔の近さと赤さ。
その赤さは、僕にも移ってしまいそうだ。
……大体の考えは察することが出来た。
「それで良いよ、それで。でも、顔近すぎだ」
ミライの言葉にセーナは、顔の赤さを増してから顔を離して、空を見上げた。
そして、ちらりと手に持つホットパンツを見て、大空に向かってそのホットパンツを投げ上げた。
ホットパンツは空中をくるくると回りながら上へ飛んで行き、一番高い位置で、セーナのメニュー画面へと消えていった。
その光景はどうであれ、このエリアでの一番のセーナの良い顔だった気がする。
その3人の空間に、一筋の温かな風が横切った。
そして、セーナの長い白Tシャツの裾がひらり。
当然、その光景はミライもしっかりと目撃。
「……また見たわね!」
そう言って、セーナはミライに殴りかかる。
「悪いのは僕じゃなくて風だってば!」
そう言ってミライは、走ってセーナから逃げる。
その2人の追いかけっこをナトレは笑いながら見守る。
そんな温かな風がもたらしたホットな空間は、しばらくの間続くのであった。