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ア・ホールド・ダンジョンズ!  作者: オレン
第二章(上) 束縛された水の街
107/217

第107層 氷と水

この作品は、文章表現レベルが1/1000Lvの作者の書いた作品です。

キャラ名が被ったりしますが、作者はオリジナルだと思っています。

様々な表現が含まれますが、話の内容と、作者の成長を見守ってください。

 「や、やっと着いたー」

ミライは目標としていたしかばねの前で叫んだ。

 それにしても、この屍、もの凄い大きさである。

 前のエリアの世界のモンスターたちの大きさが可愛く見えてくる大きさだ。

 完全に肉らしい肉が無くなり、真っ白な骨だけになった屍。

ただ、その骨の形は変わっているというか、手足のような骨が見当たらない。

 地と言うより、水で見られるような骨の形に見える。

 砂の中でも泳いでいたのだろうか……。

 ミライは、そんなことを思いながら苦笑いを浮かべる。

 そして、その大きな屍の周りをぐるりと一周して辺りを見渡した。

「うん。何にも見当たらない……」

ミライはため息をつき、屍で出来た影の中に入り、座り込んだ。

 水袋を手にとって飲もうとするも、もう1滴たりとも水は出てこない。

 ここに向かう途中で完全にからになってしまったのだ。

 その時のショックは発狂物はっきょうものだった……。

今は立ち直ったが……。

 ミライはあまりの暑さで、その場で横になった。

 寝転んでいると、汗が全身に伝っているのが嫌でも感じ取れる。

 ミライは寝転びながら、これからどうしようか考える。

「あーーーーーーーーーーーーーーー……ああっ!?」

ミライの弱りきった声に、突然活力が戻った瞬間だった。

 ミライは突然その場で立ち上がった。

「バリア!」

ミライは少し大きめのバリアを地面に作り出した。

 よし、魔法は使えるみたいだ。

 そのバリアの上にミライは飛び込んで行き、うつ伏せに寝転んだ。

「あー冷たいー」

ミライは幸せそうに小声で言った。

 ミライが考え出してひらめいたのは、このバリアの存在だった。

 これの元のイメージ素材は、氷だ。

冷たくないわけがないのだ。

 「でも、やっぱり溶けはしないかー」

ミライはバリアの上でつぶやいた。

 溶けてくれれば、水不足の心配がなくなったのに……。

「はあー。魔法で水でも出せればなー」

そう呟きながら、ミライはその場で回転し、仰向あおむけになる。

 水を出すイメージ。

水鉄砲みずでっぽうのように、いきおいの良い感じ。

 ミライは色々想像をふくらませて、右手を天にかざした。

 指を大きく広げて、目を細めてから再び目を大きく見開いた。

その瞬間だった。

 かざした手の少し先の空間から、勢い良く天に向かって水が発射された。

 その光景は、太く巨大な水柱が、地面から湧き上がったようだった。

「うそだろ!」

そうミライは叫んで、バリアから飛び上がり、バリアから全力で離れた。

 水柱は、天高くで勢いをなくし、再び地面の方に戻ってきた。

 やはり、どんな魔法も重力は絶対なのだ。

「うぐあ……」

バリアからの水攻撃が、ミライをおそった。

 完全に水の動きを読みきってかわしたと思った水柱は、地面にいてあったバリアのせいで全体攻撃のように、辺り一面に水が飛び跳ねたのだ。

「ははは……まさか出るとはね……それにしても、びしょれだ……」

ミライは濡れた服を手で伸ばしながら言った。

 そして、びしょびしょなミライは、しばらくその場で呆然ぼうぜんと立ちくすのだった。

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