第107層 氷と水
この作品は、文章表現レベルが1/1000Lvの作者の書いた作品です。
キャラ名が被ったりしますが、作者はオリジナルだと思っています。
様々な表現が含まれますが、話の内容と、作者の成長を見守ってください。
「や、やっと着いたー」
ミライは目標としていた屍の前で叫んだ。
それにしても、この屍、もの凄い大きさである。
前のエリアの世界のモンスターたちの大きさが可愛く見えてくる大きさだ。
完全に肉らしい肉が無くなり、真っ白な骨だけになった屍。
ただ、その骨の形は変わっているというか、手足のような骨が見当たらない。
地と言うより、水で見られるような骨の形に見える。
砂の中でも泳いでいたのだろうか……。
ミライは、そんなことを思いながら苦笑いを浮かべる。
そして、その大きな屍の周りをぐるりと一周して辺りを見渡した。
「うん。何にも見当たらない……」
ミライはため息をつき、屍で出来た影の中に入り、座り込んだ。
水袋を手にとって飲もうとするも、もう1滴たりとも水は出てこない。
ここに向かう途中で完全に空になってしまったのだ。
その時のショックは発狂物だった……。
今は立ち直ったが……。
ミライはあまりの暑さで、その場で横になった。
寝転んでいると、汗が全身に伝っているのが嫌でも感じ取れる。
ミライは寝転びながら、これからどうしようか考える。
「あーーーーーーーーーーーーーーー……ああっ!?」
ミライの弱りきった声に、突然活力が戻った瞬間だった。
ミライは突然その場で立ち上がった。
「バリア!」
ミライは少し大きめのバリアを地面に作り出した。
よし、魔法は使えるみたいだ。
そのバリアの上にミライは飛び込んで行き、うつ伏せに寝転んだ。
「あー冷たいー」
ミライは幸せそうに小声で言った。
ミライが考え出して閃いたのは、このバリアの存在だった。
これの元のイメージ素材は、氷だ。
冷たくないわけがないのだ。
「でも、やっぱり溶けはしないかー」
ミライはバリアの上で呟いた。
溶けてくれれば、水不足の心配がなくなったのに……。
「はあー。魔法で水でも出せればなー」
そう呟きながら、ミライはその場で回転し、仰向けになる。
水を出すイメージ。
水鉄砲のように、勢いの良い感じ。
ミライは色々想像を膨らませて、右手を天にかざした。
指を大きく広げて、目を細めてから再び目を大きく見開いた。
その瞬間だった。
かざした手の少し先の空間から、勢い良く天に向かって水が発射された。
その光景は、太く巨大な水柱が、地面から湧き上がったようだった。
「うそだろ!」
そうミライは叫んで、バリアから飛び上がり、バリアから全力で離れた。
水柱は、天高くで勢いをなくし、再び地面の方に戻ってきた。
やはり、どんな魔法も重力は絶対なのだ。
「うぐあ……」
バリアからの水攻撃が、ミライを襲った。
完全に水の動きを読みきってかわしたと思った水柱は、地面に敷いてあったバリアのせいで全体攻撃のように、辺り一面に水が飛び跳ねたのだ。
「ははは……まさか出るとはね……それにしても、びしょ濡れだ……」
ミライは濡れた服を手で伸ばしながら言った。
そして、びしょびしょなミライは、しばらくその場で呆然と立ち尽くすのだった。