第106層 PT文通
この作品は、文章表現レベルが1/1000Lvの作者の書いた作品です。
キャラ名が被ったりしますが、作者はオリジナルだと思っています。
様々な表現が含まれますが、話の内容と、作者の成長を見守ってください。
大砂漠の中、ミライは1人立ち尽くしていた。
1歩前に進もうにも、目的となる道や物や町が見当たらないのだ。
「どこ進もうかなー」
ミライは呟きながら、前後左右、ぐるりと見渡した。
見渡したところで、広がるのは、ほぼ同じ景色なわけで……。
そして、どの方向から自分がぐるりと見渡し始めたのか分からない始末。
「うーん」
ミライは声に出して悩むほど追い詰められていた。
下手に前に進めば、あの奥に見える骨のようになってしまう……。
「よし、決めた」
そうミライは叫んで、前へと進みだした。
目的地は、少し奥の屍まで。
ミライは、歩く足の1歩1歩が砂に埋もれていきながらも、確実に前へ前へと進んでいった。
歩いている途中で、着ているパーカーのフードを被ることにした。
強い日差しが痛く感じたからだ。
「あつい……そして、あの骨どれだけ遠いんだよ!」
暑さに怒りを覚えつつ、言葉を吐き捨てるミライ。
少し奥のほうで見えたはずの骨の大きさは、いまだに小さいまま。
まるで全然進んでないようだ。
フードを被っているので、汗の量が尋常じゃない。
汗を流すのに伴い、手元の水分も減っていく。
手元にあった水を入れてた布袋も、もうだいぶ軽くなった。
ミライは、どんどん重くなっていく足取りの中、何となく箒でも取り出そうと、メニュー画面を開いた。
そして、メニューに異変を感じて、足の動きを完全に止めた。
「なんだ?」
ミライが見つめるのは、上の大きな区切りの枠の、左からアイテム、術技、の次の場所にあるPTと言う枠だ。
そのPTと言う枠が、少し周りの色と違う色で光っていたのだ。
ミライは久しぶりにPTの画面を押した。
「うわっ……なんだ!?」
ミライはPT画面を開いてすぐに驚いた。
何故かミチのPT登録がされたままである。
登録したら、解除するまで残り続ける設定なのだろうか。
ただ、その事に驚いたのではない。
驚いたのは、その下の見たことも無い機能。
簡単に言うと、PT内のやり取りが出来るメール機能と言った所だろうか。
そこにミライ宛のメールが来ていたのだ。
9件もの数が……。
そして、PTはミチしかいないわけで……。
ミライはメールを1件1件開けて、読んでいった。
「ねえこんな機能あるんだけど知ってた?」
「私は砂漠に居るみたい。近くに変な町が見えるわ。」
「ねえ、返事返してよ!てか、早く気づきなさいよ!」
「生きてる?」
「ねえ、生きてる?」
「まさか、死んだりなんかしてないよね?」
「死んでたら、ミライの名前見えないはずだもんね……」
「私、町の前に着いたんだけど、何か怖くて入れないわ。」
「町の中で待機してます。早く返事返してください。心配です。」
ミライは、ミチの文をすべて読み、大きくため息をついた。
よかった。
ミチは無事に生きているみたいだ……。
ミライは、ミチに返す言葉を腕を組みながら考える。
そして、考えを絞ってから、PT枠の一番下にある「メールを送る」ボタンを押した。
「うわっ!」
ミライは再び大声を出して驚いた。
ボタンを押した瞬間に出てきたのは、メニュー画面の底に、垂直に広がる画面だった。
画面にはパソコンのキーボードのように、英数字と、かな文字などが敷き詰められていた。
驚いたのは、そのキーボード画面の異様な大きさだった。
この画面の適度な大きさ作るのにも、慣れが必要になるのか……。
そうミライは考えながらも、ミチへの文をローマ字打ちで書いていく。
「心配どうも。そんな事より、暇そうだな。っと」
ミライは自分の打った文字を読み直してから、送信ボタンを押した。
返事の送られたミチの表情を想像すると、少し笑みが浮かんでしまう。
ミチの返事を楽しみにしつつ、ミライは少し軽くなった足を動かし、まだ遠くの方に見える屍を目指して歩くのだった。