第104層 道具片手に一旦お別れ
この作品は、文章表現レベルが1/1000Lvの作者の書いた作品です。
キャラ名が被ったりしますが、作者はオリジナルだと思っています。
様々な表現が含まれますが、話の内容と、作者の成長を見守ってください。
「持ち物3個って、1種類の所持数マックスで3種類でも良いんですか?」
ミチはネロの方を見上げながら言った。
「それはダメよ。3個と言ったら3個。同種類を複数持っていくんだったら、同じ物を3個が限界よ。水だったら3本、食料でも3個のみよ。大きさは問わないけど」
「それだったら、コイン100枚なんて無理なんじゃ……」
ミライがネロに言葉を投げかける。
「それは大丈夫。持って行かないその他の物はこちらで預かるわ。あ、そうそう、今回から汚かったり壊ている物をしまっても、再生出来ない様にしておいたから増殖は無理よ。いい?」
ネロは不適な笑みを浮かべながら言った。
それを聞いて、ミチとミライは顔を合わせて苦笑いを浮かべる。
全部筒抜けでばれてる……。
「あ、それと、資金は繰越じゃないから。また0から集めなおしだからね」
ネロは大事な追加情報を淡々(たんたん)と言う。
「モンスターから金出るようにしてください」
「だめよ、バイトでもして稼ぎなさい」
ミライの頼みは、簡単に流された。
「じゃあ、あのコインの取得方法は?」
ミチは質問を再び投げかける。
「一定条件を満たした強クラスのモンスターを倒したときか、あとは、特殊な依頼やイベントをこなすのね。その他、良い行いでもすれば、私からのご褒美としてあげなくもないわ」
ネロは言いなれた感じで、スラスラと言った。
ネロの言葉に、ミチは大きく肯く。
少し間が空いてから、再びネロが2人に聞き返した。
「もう質問は無いかしら?」
「無いです」
ミチは元気よく笑顔で答えた。
ネロの目線がミライの方に向けられ、ミライは大きく肯く。
「それじゃあ、いい頃合だし、早速ワープ作業に移るわね。ほら2人とも中央に立って」
そうネロに言われて、ミチとミライは、前にもワープする前に立った場所まで歩く。
「じゃあ、持って行く道具選んでちょうだい。メニュー画面から取り出すだけで良いわ。いらない物はメニューに預けておいてね」
ネロは、ネロ用の大きな電子画面のようなメニュー画面を出してから言った。
「双剣は2組で1つですよね」
ミチが叫ぶように言った。
「うーん……まあ、良いわよ」
ネロは少しだけ考えてから言った。
「じゃあ私はこれで」
ミチは、そう言ってメニュー画面から道具を取り出した。
出てきたのは、双剣、大量に水の入った袋のような水入れ、そして大きく平らな砥石だった。
ミチが朝早くに剣を研いでいるのは知っていたが、まさかこんな大きな石を使っているとは……。
「じゃあ、僕は……」
ミライは呟きながら選び、悩んで選んだ3品を取り出した。
取り出したのは、ミチと同じ水、箒、そして中華鍋だった。
「何で、それ?」
ミチは中華なべを指差しながら苦笑いを浮かべて言った。
「これが一番万能だから。扱いやすいし」
「ふーん」
ミライの答えに、ミチは笑みを浮かべて、軽く言葉を返した。
「じゃあ、その他は私が預かるわよ」
そう言ってネロは、画面を操作する。
すると、ミライの開いていたメニュー画面のアイテム覧から、全てのアイテム名が消え去った。
それを見て、ミチは少し驚いた表情を見せる。
「それじゃ、早速だけど飛ばすわよ。早く道具しまいなさい」
ネロはそう言うと、だいぶ高い場所まで上昇していく。
ミチとミライは、落ち着いて道具をメニュー画面内に収める。
「準備良いわね。それでは飛びまーす」
ネロはだいぶ遠いところから叫んだ。
ネロの言葉と同時に、懐かしい騒音のような機械音が鳴り響く。
しばらくすると、2人の体が透け始める。
「一旦お別れね。ミライ、またどこかで会いましょう」
「ああ。どこか町か何かで」
ミチとミライは軽く言葉を交わし、お互いにニッと笑みを浮かべる。
だいぶお互いの姿が薄くなってきた……。
「それじゃ、行ってらっ……」
ミライはネロの言葉を最後まで聞く事無く、転送されるのだった。