第100層 レッツワープ!
この作品は、文章表現レベルが1/1000Lvの作者の書いた作品です。
キャラ名が被ったりしますが、作者はオリジナルだと思っています。
様々な表現が含まれますが、話の内容と、作者の成長を見守ってください。
小石や砂利が敷き詰められた、幅の広い大きな道。
その周りを木々一つ無く、草丈の低い若緑色の大草原が取り囲む。
弱い風でも靡く大草原は、緑の穏やかな大海原にも感じ取れる。
上下左右、人の居る気配など全くしない大草原を歩く2人の男女。
「結構歩いたけど、まだ着かないのかよー」
箒を振り回しながら言う、魔法使いミライ。
「きっともう少しよ。日が暮れるまでに着けばいいけど」
ミライに前向きな言葉をかける、両手武器使いミチ。
2人は突然の巡り会わせで仲間になった関係。
始まりは違っても、向かう目的は同じ仲。
「ほら、あれじゃない?」
そう言ってミチは、進んでいる道の先を指差す。
そこには、空に向かって伸びる光が見えた。
その光の輝きは強く、塔が光を放ってるようにも見える。
いかにも、ワープゾーンが在りますよと主張しているようだ。
あの光の大きさなら、もっと前から見えてても良かったような気もするが……。
「ワープしたらどこに行くんだろう」
ミライは呟く。
「分からないけど、ネロさんが居る所でしょ。ほら、早く行こ!」
そう言ってミチは、光の塔に向かって走り出す。
「ちょっと!待てよー」
元気なミチをミライは追いかけていく。
前で走るミチの濃い金色の長髪が揺れる。
風呂もまともに入ってないのに、どうしてあんなにさらさらしているのだろうか。
まあ、風呂に入ってないのに臭くない僕が思うことでもないのだが。
2人は一本の道を元気良く走っていく。
この先、どんな困難が待っているか分からないのはわかっている。
でも、ミチとならやっていけそうな気がする。
だから、僕は支えていかなきゃいけない。
目の前を走る、元気な主人公のような彼女を。
「これ……だよね、きっと」
ミチは、目の前の光景を見ながら言った。
「たぶん、これしかないだろ。先に道無いし……」
2人の目の前に在るのは、光を放った謎の台座。
大きさは、10人ぐらい乗れる位の大きさだろうか。
目の前の台座を前に、ミチが疑問を言った。
「これってさ、乗るのよね。乗ったらどうなるんだろう……」
「最初のときみたいに、体が消えて移動するんじゃない?」
「服とか消えちゃったりして……」
緑のワンピースを手で少し伸ばしながらミチは言った。
「まさか無いだろ。たぶん……」
個人的には消えてくれても……。
まあ、体も消えるから、結果見えないわけで。
「とりあえず、乗るわよ」
そう言ってミチは、ミライの左手を掴んだ。
握られたときに、少しドキッとしたのは気のせいって事にしておこう。
ミチはミライを引っ張り、2人は輝く台座の上に立った。
「……何も起きないわね」
「うん、何も……」
2人は顔を合わせて、不思議そうな顔をした。
もうこのまま何も起きないのでは……と思った時だった。
どこからとも無く、懐かしい響きの声が聞こえてきた。
「あ、やっと来た来た」
「ネロさん!?どこに……」
ミライは突然の声に驚く。
聞こえてきたのは、お姉さま的美声のネロの声だった。
「届けてるの声だけよ。まあ、とにかく、こっちに来てもらおうかしら」
「行くってどうやって?」
ミチは、聞こえて来るネロの声に対して聞く。
「ちょっと、待っててね。今飛ばすから……」
「飛ばす!?」
ネロの声に、2人は声をあわせて返す。
「いくわよ。レッツワープ!」
ネロの声は、2人の声を完全に無視して言った。
「ちょっと待って、まだ心の準備が……」
ミライが言っている途中で、ワープ機能が発動された。
突然、足で地面を踏んでいる感覚が無くなった。
「え」
「は」
ミチとミライの、情けない驚きの声が響く。
足元には、今までの明るい光とは裏腹の、真っ暗な闇が広がった。
これは……落ちるな。
「きゃああああああああああああああっ」
「うわあああああああああああああああああ」
ミチとミライは、突然現れた穴に吸い込まれるように落ちていく。
風圧で、ミチのワンピースが、大きく捲れ上がる。
ワンピースの上下は完全に一枚で繋がっていて、腰の方で何か止めていたわけでもないので、一瞬完全に捲くれ上がった。
それを必死に、ミチは前の方を両手で押さえる。
僕の手を繋いだまま……。
ミチの体温が上昇しているのが、僕の手を伝って感じ取れる。
そして、僕も体の妙な火照りを感じる。
「ミチ!手を放せええええええ」
ミライは風圧の中叫ぶ。
しかし、ミチは全く気づかず、スカートを押さえ続ける。
そして、そのまま足元から風圧を感じながら、2人は穴の闇の中を落ちていくのだった。