親友のよしみ(未公開作品)
初めまして、天川裕司です。
ここではシリーズでやってます『夢時代』と『思記』の原稿を投稿して居ります。
また、YouTubeドラマ用に仕上げたシナリオ等も別枠で投稿して行きます。
どうぞよろしくお願い致します。
少しでも楽しんで頂き、読んだ方の心の糧になれば幸いです。
サクッと読める幻想小説です(^^♪
お暇な時にでもぜひどうぞ♬
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無課金でやっておりますので、これで精一杯…と言うところもあり、
お見苦しい点はすみません。 なので音声も無しです(BGMのみ)。
基本的に【ライトノベル感覚のイメージストーリー】です。
創造力・空想力・独創力を思いっきり働かせて見て頂けると嬉しいです(^^♪
出来れば心の声で聴いて頂けると幸いです♬
でもこの条件から出来るだけ面白く工夫してみようと思ってますので、
どうぞよろしくお願いします(^^♪
タイトル:(仮)親友のよしみ
▼登場人物
●緑川信二:男性。27歳。サラリーマン。
●加古川ノボル:男性。27歳。信二の幼馴染。
●木下ユカリ:女性。26歳。ノボルの彼女。セリフなし。
●川野春樹:男性。信二の中学の同級生。前は精神科医。
●警察:こちらは一般的なイメージでOKです。セリフなし。
▼場所設定
●信二の部屋:都内のアパートのイメージでOKです。
●街中:飲み屋や殺害現場など含め一般的なイメージで。
NAは緑川信二でよろしくお願い致します。
(イントロ+メインシナリオ+解説:ト書き・記号含む=3945字)
イントロ〜
皆さんこんにちは。
皆さんは何かの事件を起こした人に会った事はありますか?
もしその人が友達だったら、あるいは知らない人だったら、
その2つの場合においてその後の展開は変わると思います。
今回はその辺りのエピソードを絡めたお話。
メインシナリオ〜
ト書き〈事件〉
俺の名前は緑川信二。
突然だが、俺の友達が事件に巻き込まれてしまった。
ノボル「うわぁ〜、ユカリィ!ユカリィ!!」
友達の名前は加古川ノボル。
俺と同い年で、小学校からずっと一緒だったヤツだ。
信二「ノボル…」
ノボルが最近まで付き合ってた彼女が何者かに殺された。
夜道を歩いていた時、いきなり後ろから襲われた様子。
おそらく犯人は刃物か何かで滅多刺し。
怨恨の線で初め警察は捜査を開始したが、
犯人の足取りは未だわからない。
ノボル「クッソォォ!!犯人の野郎を見つけたら、絶対に俺が始末してやる!絶対許さねぇ!!最低、100回は殺してやる!!」
ノボルの激情振りはもう凄まじかった。
まぁ当然の事だ。
ノボルとユカリは少し前から結婚の約束をしており、
本当に仲睦まじく、こんな悲劇が訪れるなんて思ってもいなかった。
だから余計に精神が崩壊するほどショックで、
ノボルがこんなになってしまうのは
はたから見ている俺にもよくわかる。
もし俺がノボルの立場だったとしたら、
やはり同じようになっていただろう。
ノボルは本当にユカリを愛していた。
ユカリ以外の女には目もくれず、
ただ彼女だけを親身に愛していた。
だから俺も余計に悲しい。
信二「ノボル、こんな時にこんなこと言うのもなんだけど、何とか元気出して…。ユカリちゃんもお前がずっとそんな風に落ち込んでたら、きっと悲しむと思うぜ…」
ノボルの元にも何度か警察が来て事情聴取していたようだが、
ノボルはこんな状態でもあったから
まともに答えるなんて出来なかった。
警察もその辺の事は配慮してくれたらしく、
その事情聴取にも余り時間をかけず日を分けて行い、
ノボルが疲れないようにしてくれていた。
ノボルは心療内科にも行き、精神のバランスが崩れていたとの事で
それなりの薬も処方され、今でも通院している。
愛する人が亡くなるというのがどれ程の事か。
1人の人生が崩壊してしまう程、
その衝撃は非常に大きなものだ。
ノボルは身近にいる唯一の幼馴染。
どうにか力になってやりたかった。
ト書き〈友達と再会〉
そんな時…
春樹「よぉ久しぶり♪」
信二「やぁ」
中学の時一緒だった春樹と久しぶりに会った。
久しぶりに電話がかかっていたのもあり、俺は懐かしく、
とりあえず2人で飲みに行った。
(飲み屋にて)
信二「はぁ、最近どうも参ってんだよな」
春樹「ん?」
俺は何となくノボルの事を春樹に話してしまった。
春樹「え?そんな事が…」
信二「ああ…」
春樹とノボルは直接面識がない。
俺を通じてちょくちょく話を聞いてたが、
基本的に春樹とノボルは赤の他人だ。
でも春樹は優しい奴で…
春樹「俺も何とか力になってやりたいなぁ。話を聞くぐらいなら出来ると思うし…」
となり、今度2人はじかに会う事になった。
もちろん俺もそこに立ち会う形で。
ト書き〈信二の部屋で会う〉
ノボル「あ、どうも…」
春樹「いきなり来ちゃってすいません」
信二「ノボル、俺の中学の友達で春樹ってんだ。こいつ今、医療関係の仕事しててさ、精神科にも勤めてた事あったらしいから、いろいろ話してみたら、少し心が落ち着くかもだぜ」
ノボル「ああ…そうなのか」
まだ犯人の輪郭すら判っていないこの事件。
ノボルはずっとふさぎ込むように落ち込んでいた。
でもそれからノボルは悲しみのはけ口を
どうしても見つけたかったんだろう。
ぽつぽつ今の自分の気持ちや、ユカリちゃんと一緒に居た時の事、
今のユカリちゃんへの想いや、今後の将来の事まで…
何となくだが、その時の自分の全てを告白するような姿勢で
春樹に語り出した。
俺はずっと横でそれを聞いていた。
春樹も親身になって話を聞いている。
春樹は仕事柄カウンセラーの経験もあり、
こんな時の環境作りや患者との向き合い方は心得ている。
だからかノボルも段々信用したようで、
感情を吐露しながら、更にいろんな事を話し出した。
ノボル「もう、もう嫌なんだよ!あの頃に戻るのは…あの時に戻るのはもう嫌だ!ユカリが殺された時…あの時の事を思い出しただけでもう…」
ノボルは最後に泣いてしまった。
人目を憚らずに号泣。
春樹「あ、ごめん、すいません。どうか気を落ち着けて…」
信二「ノボル、大丈夫か?」
ずっと喋っていたが話はそこで中断。
それからノボルはまた自分のアパートへ帰り、
俺の部屋には春樹と2人だけになる。
ト書き〈奇妙な事を言う〉
それから俺と春樹は、暫くノボルの事について喋った。
信二「よぉ春樹、どうだ?ノボルのヤツ、かなり参ってると思うんだけど、そのうち落ち着くかな?」
春樹「…ああ、それは大丈夫だと思う」
信二「…ん?」
春樹は何となくその時、含みのある顔をしていた。
信二「なんだよ、どうしたんだ?」
じっと手を組んで1点を見つめていた春樹に俺は訊いてみた。
すると春樹は妙な事を言い出した。
春樹「その事件の時の事なんだけどさ、ちょっと詳しく教えてくれないか?」
信二「え?」
春樹「いや知ってるだけで良いんだよ」
そう言ってきたので、
俺は警察やノボルから聞いた話をそのまま言った。
すると春樹は…
春樹「うん、事件経過の事は大体わかった。じゃあノボル君とそのユカリさんとの関係を教えて欲しいんだ。特に最近のこと。何かトラブルとかなかったか?」
信二「え?トラブル?」
いきなりそんな事を言われたのですぐには答えられない。
でも春樹が妙に真面目だったので、
俺はとりあえず記憶を辿り、ノボルとユカリちゃんの
最近の関係を思い出せるだけ思い出してみた。
すると…
信二「…ああ、そう言えば、何回か喧嘩してたような事あったなぁ…」
春樹「喧嘩?」
信二「ん、ああ」
そう言えばユカリちゃんは亡くなるその直前、
ノボルと少し関係がこじれていたようで、
俺は2人の共通の友達だったから
その辺の事を少しだけ聞かされた事があった。
でもそんなシリアスなものじゃなく
忘れる程のものでもあったから、
大した事ないとその時は思っていた。
でもそれを聞いて春樹は…
春樹「そうか。いや、話聞いててちょっと不自然に思ったところがあったんだ…」
そう言い始め、何を思ったか…
信二「はあ!?ノ、ノボルが犯人だって?」
春樹「いやそうと決まった訳じゃなくて、ただそう思っただけなんだよ。…あのとき彼、『あの頃には戻りたくない』って言った後、『あの時は…』って言い直してたろ?」
信二「え?」
春樹はどうもさっきのノボルのセリフが引っかかっていたらしい。
俺にはよく解らなかった。
(オチ)
でもその後の警察の捜査で、
ノボルの携帯から消された連絡履歴が出てきた。
それは電話とメールだったが、主にメールの方が問題になったらしい。
そこには2人の喧嘩の内容が記されてあり、
2人は実は別れる寸前にあったとの事。
解説〜
はい、いかがでしたか?
今回の意味怖ヒントはセリフでした。
春樹が言ってたノボルの不自然なセリフ。
「もう、もう嫌なんだよ!あの頃に戻るのは…あの時に戻るのはもう嫌だ!ユカリが殺された時…あの時の事を思い出しただけでもう…」
ノボルは春樹に話を聞いてもらいながら、
つい感情的になり、こう言ってしまいます。
そこで春樹が引っかかったのは…
「あの頃に戻るのは…あの時に戻るのは」
とノボルが言い直したところ。
この「あの頃」と「あの時」という2つの言い方で、
その内容が大きく変わる事に気づいたでしょうか?
あの時と言うのはピンポイントで
ユカリが殺されたその時の事を指すもの…
としてそれ程おかしなものじゃありません。
でもこれが「あの頃」となると、
少しその時間軸の幅が広がってしまい、
ユカリが殺されたその時ではなく、もう少し時間幅の広い、
奥行きのある内容を指すものとなります。
実はその意味を解読すると、
大事な人である筈のユカリが元気でいる時に戻りたくない…
となり、詰りユカリが元気でいてもらったら困る…
と言うノボルの気持ちが隠されているという事。
この点をもってノボルがユカリを殺害していた事が解ると
春樹は瞬時に感じ取り、その推測・推理を立てていたのです。
さすが春樹は精神科に勤め、カウンセラーの仕事をしていたのもあり、
その辺りの心情の揺れ動きには敏感だったのでしょう。
そしてこの事が実を結ぶ結果がラストにありました。
警察が情報の復元捜査をした結果、
ノボルの携帯電話からユカリと喧嘩していた時の模様が
はっきり出てきてしまいます。
情報でもありそれは嘘をつかず、その通りの事が
ノボルとユカリの間に起きていたのです。
と言う事で、ユカリを殺していた真犯人は実はノボル。
理由は別れる程の喧嘩をした末、
「どうせ別れるなら無き者にしてやる」
といったノボルの激情によるもの。
前半でノボルは精神科に通院していたとありましたが、
これは事件を受けて精神バランスが崩れたと言うだけじゃなく、
元々精神に何らかの異常をきたしていたから…
とも伺えますね。
そしてもう1つの意味怖エピソードは、
1番身近にいる筈の信二が
その真相を突き止められなかった事。
つまり信二はノボルが幼馴染だったのもあり
その贔屓目で真相を見破る目をあえて封印し、
意識的にも無意識的にも、
「ノボルが犯人な訳ない」
と自分に納得させていた事です。
だからこんな時は赤の他人である春樹の方が
真相を見破るのに容易く、今回の事件解決に至った…
と見る事も出来るでしょう。
仲間を庇い合う精神は確かに美しいかもしれませんが
こんな許せない事まで同時に庇ってしまうとあっては、
やはり少し考えものですよね。
でも世間ではこういう事が一般に起きているようです。
少しでも楽しんで頂き、読んだ方の心の糧になれば幸いです。
サクッと読める幻想小説です(^^♪
お暇な時にでもぜひどうぞ♬




