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『ゴールデンカムイ』にも登場した小樽の"ニシン御殿

 明治・大正を通じ、ニシン漁で財を成した青山家が小樽市内に建てた「ニシン御殿」こと〈旧青山別邸〉の維持・管理の支援を求めるクラウドファンディングが7月20日より始まっています。


 〈旧青山別邸〉は築97年。敷地面積約1500坪、建坪は190坪。現在の金額で総工費が約30億円という大豪邸です。2010年(平成22)に国の登録有形文化財に指定されます。

 床や柱はすべて木目の美しさを出した飛騨春慶塗、掃き出し窓は木枠に一枚硝子をぴったりと嵌め込んでおり、現代では復元不可能な職人仕事 。


 〈旧青山別邸〉を管理する小樽貴賓館の公式ウェブサイトやスタッフブログなどによれば、木造2階建ての建物の中には、6-15畳の部屋が18室あり、金に糸目をつけず、当時最高の銘木をふんだんに用いて、それぞれの部屋の趣向も異なるという”普請道楽”ぶりで、「北の迎賓館」とも称された豪奢な近代木造建築です。美術的にも価値が高く、”はばかり”の和便器は有田焼き。野田サトル原作の人気漫画『ゴールデンカムイ』に登場したことがあるとのこと。


『ゴールデンカムイ』にも登場した便所 © Otaru Kihinkan


 現在は、〈小樽貴賓館〉の一部となり、同館が補修を含めた管理を行なっています。国の登録有形文化財に指定されているものの、国から予算がつくわけではありません。維持管理は施設の所有者に一任され、その多くを入館料などの独自の売り上げに頼っています。COVID-19(新型コロナウイルス)流行の影響で来館者が激減、このままでは維持が困難とのこと。以下は、支援を呼びかけている、旧青山別邸の所有者で、小樽貴賓館オーナーの佐藤美智夫氏からのメッセージです。


「にしん漁の大網元、青山家が遺した別荘「旧青山別邸」の華麗さと豪壮さに惚れ込み、33年前にこの建物を購入しました。1年間の修復を経て、平成元年4月に一般公開。以来32年間、多くのお客様にご来館いただき、維持保存に努めて参りました。


 築97年の国登録有形文化財を長く後世に残したいと思い、この度プロジェクトを立ち上げました。古い建物は、手をかけなければすぐに廃墟同然になってしまいます。建物を修繕し、守ることは、その当時の文化はもちろん、当時の職人の技術をも受け継いでいくことになります。

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