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プロローグ【起点、かつての想い】

二次創作以外で初の投稿になります。拙作ですが、お暇な方は時間を潰すのにでもどうぞ。

某社の新人賞に投稿した作品なのですが、余裕の一次落ちでした(笑)

やはり第一線で頑張っている作家さんはスゴイんだなあと思います。

プロローグ 【起点、かつての想い】



 子供の頃、よくテレビで特撮ヒーローを見ていた。異形の怪人、派手な色をした正義の味方、一撃必殺の決め技。

 明確に分けられた正義と悪。幼い僕達は、悪が滅ぼされる姿を痛快に思い、正義の味方が振るう拳に憧れた。同じ思いを共有する幼い仲間達はヒーローを真似て走り回る。男の子にはありがちな、誰もが体験するか……見た事のある風景じゃないだろうか。


 尤も……それはいつしか「幼稚」とされ、年齢を重ねるごとに遠くなっていく。それは僕もまた例外ではなかった。

 大人に近付くにつれ知っていく現実。

 この世界の罪と悪に、飛び蹴り一つで解決出来るヒーローが介在する余地は無い。

 人外の怪人の方が、余程シンプルで可愛く思える陰湿な悪が世に蔓延っている。

 人間の世界は入り組んだ事情に縛られ、罪と悪を裁くにも自由は無い。今日も今日とて、何処かで罪が生まれて誰かが泣く。裁かれるべきは明確なのに、思想と人権は咎人すらも守ろうとするのだ。


 多くの人々はそれを諦める。世の中がそういう物だと。

 多くの人々はそれに憤る。どうしてもっとシンプルに善悪を問えないのかと。

 ……僕は、その前者だ。だって仕方が無いじゃないか。何を望んでも仮面のヒーローにはなれない。普通に生きていれば、自分の性能なんて否応無く解る。大きくなるにつれてテレビの中のヒーローを幼稚だと思えるのは、そうやって自分を物差しに現実を理解するからだ。


 不幸自慢なんかしたくもないが、どうにも僕の人生は世間一般に幸せとは思われにくい物だった。そんな事は気の持ちようで、幸せと思えばどんな境遇でも幸せと言えるかもしれないが……気の持ちよう云々を語られるならば、僕は幸せとは思えなかった。


「ヒーローは必要だと思いますか?」



 もしそう問われるならば。

 僕は、どう答えるだろう?


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