わたしの「松沢病院」の入院生活10 3人の佐藤さん 退院急に決まる
その日は、突然、やってきた。
「早く退院したい」でも、できない。
「諦めの境地で」、そのことを考えないようにしていた。
「大神医師」の久しぶりの診察が、午前中にあった。
「やること、終わったので、今日、退院しましょう」
「家族には、私から、連絡しましたので、退院の準備をお願いします」
あまりにも、急なことで、あっけにとられていた。
病室に戻ると、少しして、優しそうな風貌の、
男の看護師(佐藤さん)が、やってきた。わたしは、初めて見る人である。
「佐藤です。よろしく、お願いします。」
佐藤さんは、風呂に入った、
シャンプー類などの、整理を手伝って、くれた。
では、用意が、終わりましたら、
「ナースステーション」で、声をかけてください。
荷物の整理をしていると、相部屋の男性が、
「退院ですか、おめでとうございます」と声をかけてくれた。
簡単な言葉をかわすと、ナーススティションで、
声をかけ、「薬剤師」の到着を待った。
そのとき、唯一の愛嬌がある、おばちゃんから、声をかけられた。
実は、昨日同じ場所で、ペットボトルを落として、
たまたま、近くにいて、拾ってくれたのが、彼女だった。
「退院ですか、おめでとうございます。隔離室入りましたか。」
わたしのように、隔離室に入らない患者は、珍しい。
「詳細に紹介状を書いてくれた野崎先生に感謝」
「隔離室に入ったら、退院が1週間遅れたかもしれない。」
計15日の入院だった。
ズボンに入っていた、キャンディー2個を返してもらって、
「佐藤さんは、いますか。とても、よくして、もらったんで」
「佐藤は、他の患者さん(多分、隔離室)のところにいってます」
「伝えます。その言葉が、我々の励みになるので」
優しそうな、わたしの「担当看護師」の女性は、いった。
今は、わからないが、「33病棟」には、3人の佐藤さんがいるそうだ。
わたしが、最終日にあたった「佐藤さん」は、
一番女性っぽい「看護師」だそうだ。
タクシーで、良子と帰宅した。
タバコを続けて、3本吸った。
松沢病院の「禁煙生活」の反動で、
より、ヘビースモーカーになってしまった。
家に帰ると「秀忠」が、手料理の「スパイス カレー」を作っていた。
「秀忠」が、退院するときは、大好きな寿司、
「回転ずし」か、宅配寿司の「銀の皿」と決まっていた。
今回もそうなると思ったが、毎日面会にきた「秀忠」が、
「退院時いなかった」のは、「手作り料理」を食べてもらうためだった。
おいしかった。
それも、当たり前、料理研究家「リュウジの本」の通りに
作っているのだから。良子か、わたしは、助手である。
難があるとすれば、とても遅い。
よい意味での「手抜き」を覚えなければ・・・
今後、生活保護で「ひとり暮らしを目指す」「秀忠」は、
家にある食材を使って、「料理を作る必要がある」
「男のたまに作る手料理」から、「主婦の料理」が求められる。




