真相・・・そして
そう・・姫さんは王族であるにも関わらず夕食ですら普通の市民レベルの食事をとっている・・・
この国の城には商人と結託してたんまり金がある・・という情報からすれば考えられない話だ。
「姫さん・・一応聞くが何か特別な事情でそのレベルの食事をとってるってことはないか?」
そういうと姫さんはちょっとムッとした表情になって
「だって仕方ないでしょ。こんな田舎の国じゃあ財政もそんなに豊かじゃないし、今日の壁の修理代の事ですら宰相に怒られたんだから。」
あ~それについては同情の余地なしwてか・・よく俺生きてたよなww
「という事は・・大臣達が商人と結託してこの国でよからぬ事をしている・・というのが妥当だな。そしてその話が明るみに出る前に俺をさっさと処刑して口封じしてしまいたい。・・と大筋はそんなところだな」
そう言うと姫さんは目をパッチリあけて感心していた。
「驚いた・・・たったそれだけの情報でそこまで解るんだ・・・」
だけど俺はこの件に関してはもう何もするつもりはない・・
「まあしかし、明日処刑されれる身だ。こんな事分かったところで何もできないけどな。」
しかし、姫さんは少し考えこんだ後
「ねえ、私と取引しない?」
・・・・・・
ハッ!俺みたいな明日死ぬことが決まってる奴と取引?・・一体なにが目的で・・
「あなたをここから逃がしてあげるわ・・・」
「・・・・何が目的だ?」
「この国の不正の証拠を集めてほしいの・・・」
「悪いが他を当たってくれ・・」
姫さんの提案だったが俺は断った
「どうして?・・このままだったらあなた、明日死ぬのよ・・・」
姫さんに理由を聞かれたが・・・これについては答えは決まっている
「俺は義賊と名乗っちゃいるが盗賊には変わりはない。が自分の命欲しさに犬に成り下がるつもりはないんだ。」
これに関しては俺の中の絶対のルールだ。盗賊である以上、鎖にだけは繋がれない。
・・・・・・
・・・・・
だが姫さんはキリっとした顔をして続けた。
「だったら・・この件を受けて成功したらこの私の命を差し上げます!!」
・・・・・なっ・・流石に俺もこの返答に関しては予想外だった。
「なんでそこまで・・・」
「あなたと同じよ。自分の命を懸けてまで守りたい物があるだけよ!!」
俺は姫さんの決意を宿った瞳に圧倒されてしまっていた。