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いざ遺跡の中へ

 別れ道中央に在る天使の石像前で、昼のティータイムをしながら周りを見渡し石像の鑑賞をする。


「なかなか壮大ですが、石像の一部が壊れてるのは何か物悲しいですな」

「確かに、ベル殿…………こんな素晴らしき石像が、()()やら一部破損は悲しいですな」


 二人は悲しげに一点の落書きを見る、二人は分からない文字だが書いて在るのは『異世界夜露死苦 Byルーク』と、なんかDQN感溢れる日本語だ…………日本人の恥だなコレ。


「全く馬鹿は、何処にでも居るな」

「?」

「?」


 オレの言葉に不思議そうな顔をする、トモーヤとベルさんだった。

 一応小腹も満たす為にチョコとクッキーを出したが、やはりベルさんは珍しく在ったキャロットクッキーを好んで食べてた、やはりどんな姿でもやはり兎だな。


 トモーヤはクッキー以外は、全く食べる事はなかった…………精霊でもやはりチョコは食べないらしい、たぶんそうだよな?


 休憩をしながら、どちらに向かうか会議するが……………


「さて、どちらに行こうか、二人の意見を聞きたいのだが」


 だが二人から返って来た答えは、ガッカリだった。


「エル殿が行きたい方で」

「エルさん、期待してますよ」


 丸投げかよ、会議は始まって直ぐ終わった。

 仕方なく朧月を使い、運命を朧月に託し直立に立てた。


「また原始的な方法ですね」

「普通は棒では?」

「うるさいよソコ」


 丸投げしといて色々文句を言わないで欲しい、朧月の柄から手を離し倒れる方向を観察するが、何故か倒れる気配はない……………何かに少しまってと焦らされてる様だ。


「倒れませんね?」

「倒れませんな?」

「普通に有り得ん」


 同時に三人で言うが、全く動く気配が無い…………仕方なく朧月を使った、方向を目指すのは諦めコインに変える。


「地面に弾いたコインの方向に、向かおう」


 ガルドルコインを親指で弾き、運命を託された金貨は回転しながら弧を描き、ゆっくりと運命を決める様に石畳の……………やや広い隙間に挟まった、挟まり動かないコインを虚しく見ながらまた振り出しに戻る。


「何でやねん」

「また奇跡が起こりましたぞ!?」

「使えない奇跡が、起きましたね」


 トモーヤ、使えない奇跡て言うと運命の神に怒られるぞ、居るかは分からないが。


「自分で決めろて事かな?」

「でしょうな」

「我には分かりませんが、そうかも知れませんよ」


 二度も不可解な事が起きてるし、仕方なく眼を閉じてゆっくりと神経を研ぎ澄まして行くと、自然と足が動きどちらに進んでるか分からないが進み行く。


「そっちですか」

「エル殿はそっちを選んだか」


 誰かに導かれてる感じはしない、真っ白な地図を見ながら歩く様な感覚で前に進み、暫くして瞳を開き見た風景は…………………。



 ☆


 その頃エルベアトの動向を、ストーカーの様に神力で見てたアフロディーテに、サプライズで二柱の姉妹高次元体女神がやって来た。


「ヤホー、アフちゃん元気」

「お久しぶりです、アフロディーテちゃん」

「……………ゲェ!!」


 アフロディーテの脳裏に、苦々しい記憶が蘇ると共に慌ててお茶友の二人に向かって走る。


「何で居るのよ、私の次元に一人以上で来ないでて言ったでしょ!! 時見ちゃん」


 その時見ちゃんと呼ばれた女神は、髪はピンクのツインテールで、朱色(しゅいろ)のリボンと宝珠の様な虹色の瞳に、何を考えてるか予測不可な天然で目鼻立ち整った顔立ち、巫女服を洋風ドレス風に複合したような服装をした、何かミステリアス可愛い美少女天然女神である。


 その隣には腰よりも長い鮮やかなオレンジ色の髪に、紫紺の宝珠の様な美しい瞳に、白いローブ・ア・ラ・フランセーズドレスの様な服装で、アフロディーテよりは幼い容姿ではないが中学生か高校デビュー位の少し儚げな美少女が居た、そしてその少し儚げな優しい雰囲気の女神時波が、アフロディーテに言う。


「時見お姉様に、「アフちゃんに、さぷら~いず!」と言われたので」

「言われたのでじゃ無いわよ! 時波ちゃん」

「たまには良いじゃない、アフちゃん」


 アフロディーテはストレスが増し、奇声をあげ自分の髪を乱暴に扱い始めた。


「ふがぁぁぁぁぁぁ!!」


 イラつきながらも一息入れ、キレながらアフロディーテは言う。


「前に困った事が起きたのに、時見ちゃんだけなら良いけど、姉妹で来ると困るて言ったよね! トキちゃん」

「そうだっけ?」


 悪びれる事も無く、時見はにぱにぱと笑顔で言う、基本高次元体女神の時見は天然無自覚系女子である。


「もうこの天然、誰か何処の男神でも良いからこの子を伴侶にして、少しボケと天然直してよぉ~」

「私天然でもボケても無いよ、アフちゃん」


 真顔でアフロディーテに言う時見、それを見て謝る時波。


「・・・・・・すいません、何時も次女の時見お姉様が迷惑掛けて…………」

「分かってるなら止めてよ、ナミちゃん」

「・・・・・・色々無理です、私この頃好きな殿方に出会って、お姉様を介護する事は無理です」


 顔を赤らめながら、時波は恥じらう乙女の反応に二柱の女神は凍り付く、介護の言葉すら気に出来ないワードに二柱の女神は思考が一瞬停止した、そして二柱は混乱し叫ぶ様に言う。


「嘘でしょ、あの奥手で男神に全く興味すら向かないナミちゃんが」

「嘘でしょ、私だってまだなのに、時波()ちゃんが…………うそようそよ……」


 まだこの時には時見が後に時波と同じく、人間の男に恋をし人間の分身体を使い結婚するとはまだ知るよしもない、時波は人間肉体の分身を使わなかったが、自分の分身でもイチャイチャする光景を見るのは嫌だった為、だが後にその男に恋人らしきのが接近し、悩みに悩む乙女に成ってしまうオチが待ってるのだった。


「ナミちゃんが・・・・・恋する乙女に・・・・・」

「嘘よね……………嘘よ……………此は悪い冗談よね、ねぇ? アフちゃん?」

「私に聞かないでよ、私だって・・・・・私だって・・・・・」


 時波の爆弾発言により、アフロディーテは重要な事を忘れて居た、そしてその影響は地上のエルベアトに運命の歯車が動き始めた、それはエルベアトが歩き進んだ場所により、選んだ運命の歯車が回り始めた。


 それは右の道か? 、それは左の道か? により、出会う人物の運命は変わるのだった、その者達の運命も元の世界で変わるが一人以外。


 そしてルークの居た時代では、本来勇者に成る予定だった人物が異次元の裂け目に落ち、異世界の化け物女王と死闘を繰り広げ相討ちで異世界の地で果てた、そしてその異次元の裂け目を発生させたのは、サプライズで遊びに来た時見と何柱かの女神と何故か連れて来られた、時を冠する四姉妹にはまだ姉弟が居るがその神達は基本時を冠してはない。


 そしてルークが現れる前に起きた、本来この世界に来る筈ではない七魔侯もとある存在が関わって至りするのだった、それは違う理由で時波も被害女神の一柱でもある。


 こうして時見と時波のサプライズにより、アフロディーテは自分の創造した世界に居る、七魔侯に対する切り札の少女の運命さえ変えるのだった。


 さて本来は来る予定がなかったが、思い付きにより時見が来た事によりトラウマのエルベアトに、ハーレムウハウハやりたい放題主人公道をひた走るロドルフに、とある姫と旅をする別の名前の小鳥遊悠一とは違う世界へと、この選択のエルベアトは歩み出したのだった、それは一癖も二癖もあるヒロイン達との出会いである。



 ★


 眼を開き見えたのは、通路全体が星の様に光輝く廊下であり後ろを振り向けば、何故かワクワクしてるトモーヤとベルさんが居た、二人は仲良くハモりながら言う。


「まさか左に行くとは思いませんでしたよ」

「まさか左に行くとはね、どんな場所か楽しみだエル殿」


 まあどちらに進んでも結局は、何処かで繋がっては居ると思ってたが違う意味で繋がってた、他の出口が在る隠れ入り口のダンジョンに………だが辿り着事はない。


「不思議ですよね、ベル殿」

「そうですね、トモーヤさん」


 途中両サイドに壺を担いだ、水の女神らしき石像を過ぎると通路が不思議に夜空の様な、神秘的な岩肌に足元は不思議な光で普通に歩け、オレ達は景色を楽しみながら進みそして、洞窟内部に出ると広い空間の洞窟内部なのに絶壁の谷間の溪谷が在り、谷の岩肌には不思議な植物の花から星の瞬きの様に胞子らしき物が放たれる、その光景は眺めも美しくロマンチックな光景だ、此で彼女が居たらと思う…………。


「この光景を幼馴染みの、婚約者に見せたいな…………」


 トモーヤが呟けば、ベルさんも呟く。


「私も恋人に見せたいですね…………」


 畜生、リア充共がぁー!!


「そう言えば、エル殿の彼女はフローラさんですか?」

「そう言えば、エルさんの彼女は、フローラさんですかな?」

「・・・・・・何故にフローラ?」


 二人は同時に答えを言う。


「何となく」

「何となくですね」


 何となくで言わないで欲しい、オレとフローラはそんな関係ではない。


「違うみたいですね、ベル殿」

「違うみたいですな、トモーヤさん」

「違いますね、二人共に爆散しろリア充」

「「?」」


 二人は「リア充」の意味を知らないので、エルベアトの言葉の意味を知る術はない。


「それにしても、異世界は凄いな…………」

「我等の世界とは、また掛け離れた神秘ですな」

「そうですね、ベル殿」


 モンスターの気配も無く、美しい洞窟の中の溪谷の崖には、美しいクリスタルや何故か伝説に出そうな鉄鉱石の様なクリスタル的なのが在る、色は星の様に蒼白く輝いてたり、七色や不思議な紫色の輝き等が在る。


「アレは、ミスリルではないのですか?」

「ミスリルぽいですね、トモーヤさん」


 溪谷の絶壁の地面付近に、その鉄鉱石の様なクリスタル的なのが在る、一応調べればミスリルではなかったが、ステルラ()魔鉱石て名前らしい、星の魔力が蓄積した鉱石でこの場所にしか無いらしい。


「星の魔力が詰まった、鉱石ですか?」

「何となくですが、あの気難しいドワーフの鍛冶師が欲しがりそうな鉱石ですね」


 ベルさんは鉱石を見ながら言い、トモーヤはドワーフの事を言いながら『だが』とか雄弁ゆうべんに目が語ってた。


「───ですが、鉱石は普通には採れない様ですな」

「砕けたピックや剣の欠片が、錆びてますが残骸ですね」


 ステルラ魔鉱石の根本を見ると、確かにと思った…………結構頑張ったらしき残骸が残ってる、て事は普通の金属道具では採取出来ない鉱石の様だ。

 アフロディーテ女神さんから貰った、アイテムの採取道具で根元から折れば採取出来たがコレ普通に鉄系金属として加工出来るのだろうか?


「結構あっさり採れましたね」

「工具の材質が違いますよ、ベル殿」


 何やら道具に興味津々な二人だ、こうしてオレ達は鉱石採取に夢中に成った、ティアームーン鉱石は鉄より軽いアルミの様な金属、だが軽いが何故かオリハルコンやミスリル程度の武器では、防具に傷が付かないらしいとトモーヤが言ってたが、ポケットワールドのケットシー達のエリアでは、貴重な鉱石らしい。


「鉱石バイヤーに売れば、結構な値段に成りますね」

「我等のエリアでは、聞いた事の無い鉱石ですね」


 トモーヤが採取したのは、トモーヤが売るなりして構わないと言ったら。


「とんでもない、何処で手に入れたかとか色々面倒なバイヤーの噂が有るので、売りたくは無いですよ…………ドワーフ達になら売るかも知れませんが」


 ポケットワールドのドワーフは、色々な世界から来たり世界が崩壊し助けらた難民ドワーフも居る。


 まだ入り口だが、オレ達はこの日此処で一泊する事に成った。


 次回に続くはず。




 ベル∶今日はキャロット鍋にしませんか?

 トモーヤ∶イヤイヤ、そこは魚介鍋で。

 エルベアト∶オレはすき焼食うが…………


 夕食が相容れない三人だった。

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