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北の洞窟

 オレ達は北の集落の長老達の言葉を信じ、ヴァンパイアの脅威から北の集落を守る為と行く予定の遺跡の更なる情報を長老達から得る為にも、北の集落からテレポートを使いたぶんその洞窟前に着いた、モンスターの影はなく安全な事も確保しつつ新しき人間と獣モンスターの複数の足跡は、暗い洞窟の中に向かって続いていた。


 洞窟の周りは木に覆われた森の中らしいが、洞窟の入り口の周りには気味が悪い黒味のある紫色の蔦や、触ったら痛そうな刺のつるが周りに這って居た。


「何か不気味な洞窟ですね、トモーヤさん」


「ですね、ラビー殿」


 二人は普通に洞窟の感想を口にし、何故かフローラは膝をガタガタさせてビビってたのて手を握り、まあ緊張感を和らげたが他意は無いしフローラは恋愛対象外だ、何故ならフローラは女の子として魅力的だが家庭的とか一緒に居たいとか、フローラと共に居ても何にもそんな感情は起きないし、何かフローラからしたらオレはフローラのエネルギー供給協力者だろう。


 ガタガタガタ


「え…………エル」


「何だフローラ?」


 何かお化け屋敷を怖がる女の子の様な仕草、いや何かに怯えた子犬の様な顔でオレにフローラは言う。


「この奥から嫌な気配がビンビンしますよ」


 ビンビンの意味が違う方は良く聞いたが、怖い気配とかのビンビンは近年聞かないが何かに恐れてる様なフローラ、この奥に封印されたヴァンパイアに何かフローラとは違う何かが在るのだろうか?


 それを確かめる為にもアンデッド対策は必要、オレは白い着物装備に戻しダズルを装備しラビーは手持ちに通常武器しか無かったが、試しにコスモエッグを渡した。


「変な石の様な武器ですね、エルの旦那」


「それ一応片手斧だからな、ラビー」


 驚くラビーが聞き返す。


「此が片手斧ですか!?」


「何とも面妖な武器ですな」

「ウンウン、エルのこの武器は異常」


 何故かトモーヤには面妖な武器扱いされるわ、フローラからはオレの武器を異常とか言われる始末だ、だがそれアフロディーテ女神さんがさずけてくれた武器の一つだぞ、卵の様な石の様なのに銀河の様な模様が在るコスモエッグは、何故か植物モンスターに有効打に成る武器の一つだ、小剣の竜燐の剣を渡してるがアンデッドに有効かは不明な為だ、一応両方とも使って貰いラビーにアンデッドでも戦える武器か見極めて貰う。


 まあコスモエッグにも認めて貰えれば、武器がその性能の力を示すだろうしコスモ(宇宙)て付いてるのだから何かしら、凄い攻撃を秘めてるに違いないが貸してる間にラビーがそこに辿り着くかは不明。


 トモーヤには武器庫で、まだ見てないエネルギー剣や魔法剣が無いか探したら在ったので渡した。


「どっちか使えるか試して欲しい」


「バスタードソード系の片手剣タイプに、何か筒の様な物ですが何ですか?」


 筒型はビームサーベルではなく、サイブレードとかプラズマソード系だがエネルギーは(プラーナ)に依存するエネルギーブレード、生命力たるオーラを刃にしたオーラ刀と同じ部類だが此方は、プラーナソードでありプラーナと体力が限界前にリミッターにより、生命エネルギーの気が尽きる前に刃が小さくなり武器の交換を警告するらしい。


「────だとすると、我のオーラが尽きる前にこのバスタードソード系の魔法剣に、武器を替える必要が在るのですねエル殿」


 トモーヤはバスタードソード系と括るが、サーベル刃に大剣と剣の要素を詰め込んだサーベル型バスタードソードである、魔法剣の中でも炎と光の属性を付与されてるが斬っても炎は出ないし、光の刃が敵を切り裂く訳でもなく属性による斬るであり普通の斬撃に、敵の弱点が付与されただけだがダメージは与えられる為バカには出来ないらしい武器。


「ではお借りしますよ、エル殿」


「前衛の壁役に期待するよ、トモーヤ」


「任せて下さい」


 トモーヤがイケメンボイスで言っても、ときめかないぞオレは……………アレ? フローラもときめいて無いが乙女ならときめきそうな、何となくしそうな気がしたのだが。


(エルは私を見て、何か言いたげでしたが…………何だったのでしょうか? まあ、この猫精霊さんは格好いい声ですが、エルの方が私的にたまに悪い顔しながらや優しい顔の時の声が一番ゾクゾクしちゃいますが、絶対にエルには内緒です……………何となくバレたらイケナイ気がします)


「では、装備を整えたし行くぞ皆」


「ハイ、エル」

「ハイよ、エルの旦那」

「参りましょう、エル殿」


 因みにフローラに渡せる防具は無かったが、ガードリングて魔法や物理防御力が高い腕輪のリングを渡した、装備が服ではペラッペラの裸装備に近いからだが物理や魔法防具では無い為、フローラは基本ティシュー走行に近いがまだウレタン装甲位なら、それなりに安心出来ただろうな。


 戦車の例えならドイツの、二次世界大戦の自走砲戦車のマルダーⅡ並の防御力だが、フローラはアンデッドに対し攻撃力は無いので攻撃力が無い輸送車位かも知れないな、まあ本人には言わないが。


 赤茶色の地層をした暗そうな洞窟に入った、トモーヤを先頭に夜目が利くトモーヤが前方警戒し、音や気配の警戒はラビーが担当し洞窟の後方と天井の警戒はフローラが担当し、オレは疑似タブレットを使いマップとスキルのレーダーを使い、何処から敵が接近中か知らせるがレーダー故にトモーヤ達の正確な情報よりは曖昧だ。


「まあスキルは接近や、警告を教える事しか出来ないのよ」


「・・・・・・今頃寝起きかよ、どんだけ寝れば気が済むやら」


「うるさいわよベアド」


 夜目が得意な二人が居る為、まだ薄明かるいので全くの暗闇ではないので歩けてるが、何故か不機嫌なミスティは膨れっ面で肩に降り立ち、なんかボヤキながら居るが体型はねんどろ体型なままだ、痩せも太りもしない不思議な妖精である。


「同じ精霊ですが、ミスティ殿は暇そうですね」


「うるさいのよ、猫畜生のトモーヤ!」


「やれやれ、レディーにあるまじき言葉の悪さですね」


「黙りなさい、猫畜生!」


 何かほっこりする様な、コントを見てる気分だがミスティのお陰でモンスターが接近、足音に反応しトモーヤを制すラビーにトモーヤは臨戦態勢に入る。


「さて、モンスターに遭遇したから光を出して構わないか?」


「私は暗い方が良いのですが、エル」


「オレは良いですぜ、エルの旦那」


「同じく」


 フローラに味方は居なかった、目を閉じて光を出す。


「世界の始まりの力よ、今解き放たん…………小恒星(フレアーライト)


 微妙に熱を帯びた光だが、何故に唱えたかと言えば唱えるのと唱えないのでは、このフレアーライトの光の効果範囲と小さな恒星と言う名だが、フレアーだから小恒星では無い気がするがまあ使える魔法は使わないとね、太陽の様に魔力を燃やし小さな太陽の様に光る魔法だが、魔力エネルギーの量が凝縮されてる為最悪この魔法を放てば、高温で物理的に燃える敵なら燃やし尽くすらしい。


「来たよ、エルの旦那」


「行くぞ、ラビー殿」


 トモーヤは魔法剣を鞘から抜き、ラビーは両手に竜燐の剣を鞘から抜き構える、そして現れたのはヴァンパイアの下級ヴァンパイアに呪われ死んだ、南の集落からこの禁断のダンジョン洞窟に入って帰って来なかった住民だ。


 身体は黒紫色の肌をし、目は怪しく赤く光り防具には余りダメージは無いが腹には槍の様な物で刺された跡がある、何か刺された辺りに黒い瘴気らしきモヤが見えるき気がする。


「ゾンビかは分からんが、倒させて貰うぞ」


「モンスターにしては、相当臭いですよ」


 だがフローラが注意喚起に二人に言う。


「それは強い呪毒のモンスターヴァンパイアの、下僕化した低級ヴァンパイアに成った人間ですが噛まれると呪毒で生きたままヴァンパイアの下僕化しまいますし、呪毒が全身に回ると完全にヴァンパイアの下僕に成ってしまうので、下僕化解除の回復手段の薬草が無いので噛み付かれないで下さい」


「え"!?」

「エ"ェ"~!?」


 ラビーとトモーヤは青い顔をしながら叫ぶが、呪毒なら手持ちの万能薬で回復出来そうな気がしたが何処までの回復が見込めるか不明だから、敢えて不確定な安心感を与える気はない、そして仕事をしないミスティは何か言いたそうにオレを見るだけだ、そしてラビーとトモーヤが青い顔をして言う。


「噛まれずに倒さないと……………」

「盾で吹き飛ばして、動けなく成ってから…………」


 何か深刻そうに二人は同時に言い、何かを決意しながらモンスターのゾンビの様なヴァンパイア姿で、八重歯を光らせ四体のモンスターに堕ちた人間だった人達が襲い来る。


「まったく、人間に戻せるなら治したいが…………」


「無理ですよエル、もう彼等の呪毒は薬やもし浄化出来るとしても、心臓が止まりモンスターとして下僕化したらもう助けられません、心臓が動いてない以上…………」


 苦痛な表情でフローラは言う、死者なら倒すしかないしモンスターのヴァンパイアの呪縛から解き放って、成仏させてあげなければやらかして自己の責任により死んだとしても、死んでも死にきれないし遺族まで巻き込ませたくは無いだろう。


「悪いけど、倒させて貰うよ!」


 ラビーはモンスター化した、元冒険者の首を攻撃を避けながら狙い竜燐の剣で切り裂く、普通のモンスターヴァンパイアならこの程度では倒せないが、下級だからか下僕だったからかは判らないが、首が落ちると共に倒れる。


「てえぇーぃ!! トリャ!」


 トモーヤも盾で二体吹き飛ばし、残り一体の剣の攻撃を盾で受け流し魔法剣で流れる様に敵の胴体を切り裂く、切り裂いたからか動かなく成りオレも魔法を使い倒れた二体に放つ。


「安らかに眠れ」


 光魔法のメギド・フレームを放ち、地面から吹き上がる青く光る聖なる炎で二体を鎮魂歌の炎の様に身体を焼き、塵すら残さずに消し炭に変えたが魂は浄化され天国に行けたかは分からないが、魂は成仏しただろうがそれはアンデッド系や魂が囚われたゴースト系だけで、悪魔とかには滅びの炎だろうな…………生きてる人間もただでは済まないみたいだけど。


「・・・・・・・今の、巻き込まれてたらヤバかったなラビー殿」


「ですね、トモーヤの旦那」


 一応言っておくが、巻き込まない様に放ってるぞ何処かの小説の、ギャグで魔法を放つ事はしないぞ……………絶対防御力の装備だったら、遠慮無くするかも知れないがあと失礼な事言われたら、放つかもね……………手加減はするが口は災いの元と身をもって教え叩き込むが、オレは遺品を回収して遺族に遺品を渡す為に丁重(ていちょう)に回収した。


 ガタガタガタ


 だが一人死ぬ程青ざめた者が居た、フローラであるがエルベアトは他のヴァンパイアに成った人間も、メギド・フレイムで浄化し魂を送り出すがフローラはそんな風には見えておらず、更に怯えるのだった。


「エル・・・・・・怖い」

(あんなの喰らったら、私はモンスターで無くても消されちゃう)


 まあどの道フローラは、エルベアトに消される事はないしメギド・フレイムより凶悪な光の魔法を見て泡を吹いたが、フローラは後に存在感と活躍が減る要因の足音が背後からゆっくりと迫り始めるのだった、それはもう避けられない運命であった。


「三人共、行くぞ」


 ガクガク


 何かフローラがガクブルしながらビビってるし、トモーヤとラビーはなんか挙動不審て言うか何故か緊張の糸を張ってる様な、まあモンスターの巣窟にして太古の昔に封印されたらしきヴァンパイアらしいし、何かしら罠を仕掛けて来る可能性も在るからだろうか?


 だが数分歩けばモンスターに当たる、現れたのは何か一つ目の悪魔モンスター二体で、紫色の外皮に空中を浮遊するアイシャドウてモンスターだが、下級悪魔モンスターらしくラビーとトモーヤが見付けた途端に斬り倒してた、そして黒い塵に成ったアイシャドウは黒い菱形のブラックダイヤの様なコアクリスタルを、ドロップしたが黒いコアクリスタルの用途は魔法媒介と増幅が主らしいが、数g程度では売れない量らしいとフローラは腰が引けながら言うが、何でビビってるんだフローラ?


(低級ですが、悪魔をあんなに簡単に倒せるなんて………)


 そして更に進むと分かれ道が在り、右奥に宝箱が見えるので向かい何か安心し始めたラビーとトモーヤが、初めて見る宝箱に興味津々に黒の鉄フレームに古ぼけた木の板製の宝箱を、ラビーが罠を調べてから開けると数枚のダンジョンの地図と、傷薬一本が入ってた……………ショボい。


「・・・・・・此が宝箱」


「何か想像してた宝箱の中身とは、まったく違う」


「傷薬は私が貰うね」


 何かちゃっかりと、傷薬を手にするフローラは傷薬の容器を振り何かを確かめると、フローラは言った。


「少し劣化してるわ」


「そうなのか?」


 フローラに聞くとフローラは、瓶底を指差し言う。


「少し底に沈殿物在るから、薬の状態が少し悪いけど使えなくもないですわ」


 そこまで傷薬を見てないな、まあオレが使うかて言えば使わないと思うが、傷薬無くても現状フローラが傷を回復してくれるから問題はない。


「何かガッカリだね」


「そうですね、ラビー殿」


 ラビーとトモーヤはあからさまにガッカリ感を出し、溜め息をしながら戻り左側へ進み何か植物モンスターらしき、草が擦れる様な音がたまに分かれ道で聞こえたがダンジョンのマップと、疑似タブレットのモンスターや宝箱の位置の確認をしながら、余計なモンスター遭遇を回避しながら二つ目も古ぼけた木の宝箱だったが何故か次は傷薬の瓶二本、古ぼけた木の宝箱は余り良い物が出ない様だ。


「・・・・・・またか」

「・・・・・・またですな」


 二人の顔の表情が無感情に成り、同時に言うがオレ達は冒険に来た訳では無いぞ、何故かアンデッドモンスターはアレ以降反応は無いが、再び歩き行くとゆったりとした下り坂が在り、地下に向かい延びる道へオレ達は更に警戒しくだって行った。


 次回に続く。



 ラビー「何か初めての宝箱の中身は、ガッカリでしたね」


 トモーヤ「だが我等は、あの村? の人々を守る為にこの洞窟に来たが、それでも宝箱はもう少し良い宝箱は無かったのだろうか?」


 二人は文句を言いながら、地下に向かう下り坂を歩くのだった。

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