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「タイムカプセル」
春風が囁いて、桜の若葉が舞い散る早朝。校庭に2人の砂を踏む音が響く。
「おい!そこの2人!遅刻だろ!待て!」
校舎から出てきた梶野が2人の生徒に叫ぶ。
「うわッ見つかるの早すぎw」
1人の女子生徒が言う、
「二手に分かれて全速力で走り抜けるよ紗倉!」
2人の女子生徒は、二手に分かれて梶野のそばを走り抜ける。
「おい、紗倉…残念だったな。お前は遅刻だ。」
1人の女子生徒が梶野に止められた
「えー…それはないよぉ~。ねえ紫乃もなんか言ってやってよ~」
紫乃と呼ばれた女子生徒はスカートについた砂埃を払いとる。
「ごめん、今回も私の方が速かったみたいだわ。」
紫乃は勝ち誇った顔で言った。
「えー、紫乃~助けて~」
「ほら、職員室行くぞ紗倉!」
「はーい。ちぇっ」
梶野と紗倉は並んで職員室へ向かう。
紫乃はひとりで2-C教室へと向かう。