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絡新婦 一

駄文です。そして短い。おかしいですね、短いですよ。

次こそはもっと長く書けるように精進します。広い心で許してください。


 ――鬼。


 それは日本人であるなら誰でも知っているであろう魑魅魍魎の代表格である存在だ。


「ふうん。んで? 探しに行くのか、その」


 桃太郎しかり、一寸法師しかり、泣いた赤おにしかり。童話や伝説、諺と言った形で現代まで語り継がれている、恐怖すべき、禁忌すべき、友愛すべき、壁を隔てた幻想側の住人。異形の化け物。


「ああ、当たり前だ。噂に聞くところ相当な美少女らしいぞ」


「お前の行動原理はそれしか無いのか・・・そんなんで大丈夫なのか? 相手は」



 そして血を吸う鬼――吸血鬼。



「問題は無い。むしろ望む所だ。実は多少被吸血願望があってな・・・多少だぞ?」


「フォローになって無いから。願望がある時点で十分だ」


 西洋の鬼と言えばまず浮かぶのがそれだろう。

 

 異常な怪力に、体を蝙蝠や霧に変える変身能力。噛んだ相手を眷族に変える増殖性に、魅了の瞳。弱点と言えば太陽の光や流水、銀の杭やにんにくなど。

 強力で恐ろしい半面様々な弱点が存在する比較的人に似た、夜の住人。モンスターと言うにはおこがましいほど高い知性を持つ人ならざる者。


「あ、そう言えば場所は分かってんのか?」


「ああ、勿論だ。吸血鬼を見たという美少女に案内してもれえるぞ、喜べ。フフフ、透き通る様な白く美しい肌に、艶やかな紅い唇。そして鴉の濡れ羽、緑の黒髪と表現出来得るあのアジアンビューティーな長髪。ピンと伸ばされた背筋と挑発的かつ高圧的にこちらを見やる黒い瞳に、思わず僕は地面に這い蹲って上履きを舐めそうだったよ」


「・・・そうですか」


 どこの女王様だそれは。そしてマジな恍惚の表情をするな。リアクションが取りずらいだろうが。


 周りではこいつの顔を見た女子どもがこそこそと話してはにやにやとしている。

 お世辞ではなくこいつの顔はかなり良い。しかも普段はこいつの本性を知っている奴以外の前では猫を被っているのだ。


 運動神経が良く、頭が良い上器量も良い。何処の完璧超人なのだろうかと思わず心の中でつっこんでしまう、本性を知らない奴の前でだけだが。


「ああ、それでこの子が話の」


 そう言って俺の後ろを指した。

 そこにはなるほど、アブノ好みの美少女、いや美女と言えよう大人びた女生徒が一人、挑発的かつ高圧的な視線で俺を見ていた。


夜近 美門(よるちか みかど)。よろしくね」


「っ・・・あ、ああ、俺は」


「こいつはジョン。犬の様に使ってやってくれ。先に言っておくとコイツは真正のマゾなんだ」


 俺の自己紹介を遮り、しれっとした態度で嘘を吐くアブノ。

 なるほど、と頷く夜近を見た瞬間、俺は何かが終わった様な気がした。


「ジョン、お手」


「本当の犬の様に扱おうとするな!」


「あら? アブノ君は貴方を犬の様に、と」


「例えだ例え! アンタ絶対態とだろ!」


「だって、私には貴方が犬にしか見えないもの」


「嘘吐けぇ! 何処をどう見たら俺が犬に見えるんだ!」


「ねぇアブノ君。この犬キャンキャンと喧しいわ」


「慣れてくれ。ジョンは何かと煩いからな。まあこいつはツンデレだから」


 ちょっと待てと言いたい。なぜ俺を二人して犬扱いしているのだろう。と言うか俺はこんなキャラだっただろうか。


 と言うか吸血鬼探しに行かないのか。まあ俺にしてみればこのままこの話が無くなってくれた方が何かと面倒な事が起きなさそうで助かるのだが。

 あとツンデレ言うな。


「ふふ、確かに言葉に反して尻尾振ってるわね」


「振ってねぇ! て言うか尻尾なんて生えてねえよっ! あれか、馬鹿には見えないとかいうそういうノリなのか?」


「あら、貴方結構メルヘンなのね? そんな尻尾有るわけ無いじゃない。それこそ言葉の綾よ」


「もうやだこの人。言葉に悪意しか感じない」


「私の趣味は人の穴を穿つ事と、特定の人を悪意に満ちた言葉で滅多打ちにする事よ。良かったわね、私のお眼鏡に適って」


 そう勝ち誇る様に言うと、三割増し程サディスティックに笑みを深めた。

 恐らく夜近の目には面白そうな玩具か、美味しそうな獲物が写っているに違いない。


 と言うかお前は何様だ。


「助けてアブえもん。夜近さんが虐めるよ」


「あら、ならさしずめ貴方はのび犬ね」


「何うまい事言ってんだ! 確かにのび太君は名前をよく間違えるけど・・・ってもう良いだろ、そろそろ話進めろよ。と言うか進めてください」


「うふふ、貴方って実は楽しい人だったのね。てっきり没個性的な大衆の中の一人なのかと思っていたわ。今私の中の貴方の株がうなぎのぼりよ。まあ元が低すぎるから大した物じゃ無いけれど」


 そう褒めているのか貶しているのか微妙な評価を下した後、ついてらっしゃい、と踵を返す夜近。


 どうやらこいつは相当なナルシストのようだ。でなけりゃ余程の自信家か。まあどちらにせよ大差は無い。どちらにせよ厄介で面倒な人種なのだろう。


 どうやら俺はアブノに次ぐ特異点に出会ってしまったようだ。


 そんな徒な事を考えながら夜近の後ろ姿を見ていて気付いた事は、案外に悪く無いと思ってしまっている自分が居るという事だけだった。


会話が長すぎますね。

もっと地の文が書けるよう精進します。

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