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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

ある シリーズ

ある軍師の絶望

作者: 雄太
掲載日:2022/09/11

 

 俺の指示で人が死ぬ。


 戦場では当たり前だ、老兵、新兵、将軍関係なく死ぬ、俺が戦えと命じたら、


 どんなに怖くても、死ぬのが嫌でも、人を殺したくなくても、戦うしかない、それが戦争だから、


 そうしないと自分の大切なものを守れない。


 俺の指示で何千、何万の命が散る、


 そのおかげで何千万の民の命が守れるのなら、安いのかもしれない


 しかし、何年経っても、人が死ぬのには慣れない、いや、絶対に慣れてはならない。


 多くの軍師は、


 それはお前が弱いからと切り捨てることもできるだろう、しかし、俺には無理だ。

 俺の指示で、誰かが見ず知らずの誰かの命を狩る。


 その人には守るべき大切な人がいたかもしれない、帰る場所があった。

 その誰かの死を悼む人が必ずいる。


 敵味方関係なく、


 戦場跡には野犬が人の骸を漁る、いつしか骨もなくなり、防具や武器だけが錆びるのを待つのみ。それも、野盗が盗んでいく、


 そんな光景を長年見てきた、


 俺は、俺の命が惜しい、


 俺は大勢の部下を死地に送り、帰らぬ人にさせてしまった、


 俺の言っていることは軍師失格だろうな、


 笑うなら笑ってくれ、


 しかし、笑えるか、お前に。


 実際に体験もしたことのない奴にそんな事ができるか。


 俺の言っていることは軍師失格だ、しかし、人間としては間違っていない、自分の命が惜しい、それの何が間違いだ、


 言えるなら言ってみろ、


 まぁ、そんな事はどうでもいい、他人の言っているつまんない事は俺は信じない。


 全員、自分の命が惜しくない奴はいない、


 だが、守るべきものがある、愛する人、子供、家族、祖国、


 それを守るためならば命すら捨てられる、

 それは、正解なのだろうか、俺にはわからない。


 戦争を止める(やめる)ためには戦争をしなければならない


 何という、皮肉だろうか、血を流さないと血が止まらない、


 いつか、平和が訪れるであろうか、


 ・・・いや、そんな日はないのだろうな。

 それを歴史が証明している。


 争いのない平和な世の中よりも、


 人が殺し合いをしている方がずっとずっと長い、


 たとえ、少しの平和が訪れようと、すぐに崩れ去る。


 そして。また新たな英雄が生まれ、偽りの平和を作り崩れ去る、



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