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120 二度目の覚醒

 俺はスキル一覧の中から、2つのスキルに視線を向ける。


「ダンジョン内転移に、纏壁(てんへき)――このどちらを上げるかだな」


 どちらも上昇させるのに必要なSPは10000と破格。

 その分だけ活躍してくれるスキルなので、そこに文句はないのだが……


 参考のため、俺は纏壁の説明を読む。


 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


 纏  壁LV1:MPを消費することにより、対象者を包み込むような魔力の壁を生み出す(強度、持続時間はスキルレベルにより変動)。

 クールタイム:60秒


 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


「強度、持続時間はスキルレベルにより変動……ここが重要なんだよな」


 先日の柳戦において、このスキルはかなり役立った。

 奴が振るう短剣から何度も俺の身を守ってくれた。



 ただ柳はレベルが10000と少し程度だったし、パワー型ではなくスピード型なため、攻撃の威力はそこまで高くなかった。

 そんな柳の攻撃を十数回受けて突破されるようでは、今後のレベルで活用することは難しいかもしれない。

 必然的にスキルレベルを上げる必要がある。



 しかし、それも今すぐの話ではない。


「逆に言えば、柳を超えるような強敵と戦うまでは上げる必要がないってことだからな。しばらくは安全なダンジョンで周回を続けるつもりだし、やっぱりここはこれに決まりか」


 そう呟き、俺が視線を向けた先にあるのはダンジョン内転移の文字だった。



「スキルレベルを上げるのに必要なSP量が、これまでとは明らかに違う。今後レベルを上げていく価値があるのか判断するためにも、まずは傾向を見たいところだな。次、LV30になるまでほとんど役に立たない進化が続くっていうのなら、少し考え物だし」



 そんな考えのもと、俺はダンジョン内転移のスキルレベルを上げることを決断した。

 ――そして、その結果に驚愕することとなった。



『ダンジョン内転移のスキルレベルが21に上がりました』


『条件が変更されます』


『発動者が足を踏み入れたことのあるダンジョン内に対してのみ転移可→全てのダンジョン内に対して転移可』



「んなっ……!」


 驚きのあまり、間抜けな声が零れてしまう。

 だが、そうなるのも仕方ないはずだ。


 だって――



「全てのダンジョン内に対して転移可ってことはつまり、今まで一度も足を踏み入れたことがないダンジョンに対しても転移できることだよな? 新規ダンジョンに挑戦する際のスパンを気にしなくてもよくなるのか……とんでもないな。転移距離自体は変わっていないから、隔絶の魔塔とかには相変わらず挑戦できないんだろうが……それを差し引いても十分すぎる進化だ」



 今後、自分に合ったレベルのダンジョン――Bランクダンジョンに挑戦したいと思っていた俺は、そのために幾つかの方法を考えていた。

 が、この進化によってそうする必要はなくなる。

 自分の好きなタイミングで、好きなダンジョンに挑戦できるようになるのだ。


「これは俺にとって、大きな追い風になりそうだ」


 歓喜しているのが分かる弾んだ声で、俺はそう口にした。


 今回の進化を利用して、さらなる速度でレベルアップしていこう。

 そんな決意を胸に抱いた。



 その後、残ったSPのうち一部を使用してアイテムボックスをLV4→LV6に上げ、俺は帰路に就くのだった。



 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


 ダンジョン内転移LV21

 使用MP:1MP×距離(M)

 条  件:全てのダンジョン内に対して転移可

 転移距離:最大で400メートル

 発動時間:0.5秒×距離(M)

      10メートル以内の場合、0秒で転移可(一律100MP使用)

 対象範囲:発動者と発動者が身に纏うもの


 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

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― 新着の感想 ―
[一言] 気配察知というパッシブスキルは存在しないの? 柳に隠密?で盗み聞きされていたのなら、家で寝ている時に勝手にスキル発動して本人の承諾なしに勝手に承認されて暗殺されるんだけど。 人を殺してもレ…
[一言] 最後は「ダンジョンが存在する世界内に対して転移可」とかになったりしてね
[一言] チート系はこれが位振り切ってサクサク読めるのがストレスフリーでちょうどいい
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