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【WEB版】転生無敗の異世界賢者 〜ゲームのジョブで楽しいセカンドライフ〜  作者: 蒼月浩二@転生無敗 漫画(3) 6月27日発売


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第38話:規格外の冒険者がいるみたいなんだが

「それで、代わりはいつ見つかりそうなんだ?」


「それが、王都にいるほとんどのCランク、Bランクの冒険者には断られてしまって……」


「こういうことってよくあることなのか?」


「いえ、ほとんどありません」


「変な偶然もあったもんだな……」


 依頼された冒険者はアイナと会ったことがないはずだ。

 だから人となりで断られたわけではない。

 日程などの関係で都合がつかなくなったんだろう。


「魔力検査で上限突破したと伝えたらユーキ様の再来かと疑われてしまったみたいで……」


「え、それってどういうことなんだ?」


「ユーキ様がレグルス現陛下を相手に完膚なきにまで圧勝したということは王都では有名なのです」


「じゃあもしかして、アイナの実技試験の相手が見つからないのって、俺のせいかもしれないってことか?」


「『かもしれない』ではなく、決定的です」


 まさか俺のせいでアイナに迷惑をかけてしまうことになるとは思わなかったな……。

 それだけレグルスが王都基準では強かったということか。

 逆に言えば、レグルス以外の冒険者はアレより弱いということになる。


「レグルスは……あー、忙しかったな」


 アイナの実技試験の相手をレグルスに命じる……ではなく協力してもらうことも考えたのだが、それどころじゃないバタバタのはずだ。


 レグルスと同等か、それ以上の冒険者で、Cランク以上の誰かがいればいいのだが……。

 ん? 待てよ。


「それって、俺が相手になっちゃダメなのか?」


「ユーキ様が、アイナさんの相手をするということですか?」


「そうだ」


「なるほど……ちょっとお待ちください」


 受付嬢は俺たちから離れ、マニュアルを確認しに行った。


 確か、実技試験を担当できるのは、Cランク以上の冒険者が務める規則になっている。

 俺はCランクだし、レグルスには勝っている。


 条件は満たしてそうだ。


 確認を終えた受付嬢が戻ってきた。


「身内の方が担当をするのはご遠慮してもらうのが原則なのですが、ユーキ様のことがあってから規定が追加されていて、審判の判断も考慮の上認められるそうです!」


「おおっ、それは良かった」


 なかなか柔軟な対応で素晴らしい。


「でも、通常の担当官と同じく私情は抜きでお願いしますね!」


「分かっている。っていうか、その必要はないと思うぞ」


 普通にCランク級の魔物を倒せているし、ちゃんと真面目にやれば落ちることはない。

 まあ、多少の手加減はしないとアイナが俺に勝つことはできないから、その辺は配慮しても問題ないだろう。


 通常時でも冒険者志望が現役の冒険者に勝っている方がレアケースだ。


「よし、じゃあ試験は今すぐでいいな?」


「はい、お願いします」


 俺とアイナが5メートルほどの距離を取り、受付嬢(審判)の合図があってから試験は開始した。


「いつでもいいぞ」


「す、隙がなさすぎるわ!」


 俺はいつも通りにしているだけなのだが、隙がないように見えるらしい。

 もちろん『結界魔法』も『神の加護』も使っていない。


 しかしこのままでは試験が進まないので、俺は両手を挙げた。


「これで隙が出来たぞ。かかってこい」


「……いくわ!」


 アイナから、鋼鉄の矢が放たれる。

 矢は連続で放たれ、十連撃。

 しかし——


「まるで止まってるみたいだな」


 俺は自分にしか聞こえないくらいの声量でボソッと呟き、提げていた剣を引く。

 一本一本の軌道を正確に把握し、剣で振り落としていく。


 キンッキンッキンッキンッ!


 ボロボロと矢が足元に落ちていった。


「こ、こんなの規格外すぎるわ!? 無理! 絶対無理!」


「仕方ないな。ちょっとハンデとして……これでどうだ?」


 俺は、アイナに『神の加護』をかけてみた。


 試験的にセーフかどうかわからないが、自由に武器とローブを持ち込めるんだからこのくらいのことは良いのだろう。


「なんか力が漲って……」


「さあ、かかってこい」


「……っ!」


 アイナは弓に一気に三本の矢をかけ、一斉に引いた。

 それを連続十回。

 合計で三十連撃だ。


 だが——


「レグルスよりは強い。……でも、まだまだだな」


 剣を大きく横薙ぎに振り、風を起こした。

 風の方向は、放たれた矢を受け止めるよう調節している。


 猛スピードで接近していた矢が急に勢いを失い、宙に浮いたような状態になり、そして——


「よっと」


 ちょうど俺の手元に束になって届いた。


「受け取ったぞ。ナイス補給だ」


「…………」


「…………」


「…………」


 なぜか、俺以外の三人は、硬直してため息をついた。


「試験終了です——」


 その直後、受付嬢が試験終了を告げた。


「もしかして、アイナは不合……」


「アイナさん合格です! 最近じゃ規格外の一名を除いて最も好成績と言って良いでしょう! その一人は人間ではないので無視して大丈夫ですからね!」


「良かったわ……合格した気がしないけど」


 なんと、アイナは実技試験の合格を勝ち取ったようだった。


 それにしてもアイナを超える規格外の冒険者志望者とは誰なんだろうな。

 一度会ってみたいものだ。

 人間でないというなら、もしかして魔族だろうか?

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 加護で底上げしたら本人の力じゃなくてドーピングみたいなもんやん、別にそれなくても合格だったろうから余計なことすんなと言いたい せっかく実力あるのに不正してるみたいでケチがつくからやめよ…
[一言] 自分自身だから絶対に会えないと思うけど...
2022/03/01 06:20 退会済み
管理
[良い点] お約束の鈍感系  無自覚でハーレム作るやつだ おもしろい [気になる点] ポイントクレクレは控えめのほうが印象良いのでは
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