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第165話:魔人と戦うことになったんだが⑤

「スイ、ご主人様の配下になったから、こういうのもできる」


「なるほどな。こりゃ助かるよ」


 要するに、スイを経由してアリスの視界を俺にミラーリングしてくれているという理解で良さそうだ。


「じゃ、今度こそさっさと終わらせるか」


 全ての準備が整った。


 俺は、再度『メテオスコール』の準備を始める。そして、二本の剣を持って勢いよく魔人に飛び込む。


 俺の視界から見えている魔人の位置を意識的にシャットアウトし、アリスの目を信じる。自分の目で見えているものを否定するのはやや恐怖もあったが、こういうのは思い切りが大切なのだ。


「うおおおおおおっ!」


 六色の魔力弾が降り注ぎ、魔人は『硬化』により雨を防いでいる。その状況で、俺は二刀流で魔人の背中にクリティカルヒット!


 カインの時のような跳ね返された感覚はない。


「うがあああああ……」


 魔人の背中からは血が吹き出し、その場にドサっと倒れた。魔人化しているとはいえ、人間の身体が元になっているということは弱点も同じなのだろう。


 魔人の遺体から生命力は感じられない。この一撃で絶命したようだ。


「ふう……」


 長かった緊張から解放されたことの安堵。俺は大きく息を吐いた。時間にすれば一連の流れは十分もかかっていないのだが、とにかく濃密な時間だった。


 俺が気を抜いた瞬間、両手に持つ二本剣が輝いた。


 そして、脳内に機械音声が聞こえてくる。


《『魔剣ベルセルク』の自動修復に成功しました! 修復率30%》


《『聖剣エクスカリバー』の自動修復に成功しました! 修復率30%》


 どういうわけか、二本の剣がまた本来の力を取り戻したようだった。自動修復はこの前地下遺跡に入って以来だな。


 これも何か法則が見つければ一気に進みそうなもんだが……。


 などと考えていると——


「さ、さすがはユーキです……!」


 背後からアレリアが抱きついてきた。


「一時はどうなることかと思ったけど……良かった」


「当たれば一撃……やっぱりすごい」


 どうにか魔人を倒したことで褒めてくれるアレリア、アイナ、アリス。


 だが、今回は本当に苦戦させられた。


「今回はほとんどみんなのおかげだよ。ミーシャの強化魔法のおかげで理性的に立ち回れたし、アイナのおかげで魔人のスキルの弱点に気付けたし、アリスの目のおかげで攻撃を当てられたんだ」


 俺は最後の一押しをしたにすぎない。


 ユリウスさんに三人を任されたのだから、もっと余裕のある戦いをするべきだった。俺は『賢者』の強力なステータスに甘えきっていた。今回のことを教訓にして、相性の悪い敵でも圧倒できるように日々鍛えないとな。


「うぅ……私はユーキのお役に立てませんでした」


 あっ……。


 アレリアのフォローを忘れたせいで拗ねさせてしまった……。


 確かに、今回アレリアは戦果に直結するような活躍があったとはいえない。


 だが、決して役に立っていなかったわけではない。ここはしっかり伝えておくとしよう。


「アレリアがいたから、後ろは任せられたんだ。アイナはともかく、アリスは戦闘経験が乏しい。魔人のターゲットが移ったらかなり厄介だったんだ」


 そう言いながら、俺はアレリアの頭を撫でた。


「本当ですか?」


「ああ、本当だよ。役に立ってないなんて思わないでくれ」


 そう言葉をかけると、アレリアは嬉しそうに微笑んだ。


 アレリアにかけた言葉は、社交辞令ではなく百パーセント俺の本心だ。


 俺にとって魔人の攻撃を避けることは造作もないことだし、アイナも戦闘経験による勘で対処できるだろう。


 だが、ミーシャとアリスは違う。アレリア、スイ、アースという頼りになる強力な仲間がいなければ、俺が常に後ろを気にする必要があった。


 ただでさえ苦戦した戦いの中での心理的な負担は、想像以上に大きい。直接的な活躍がなかったから役立たず——なんてことはないのだ。


 そんな労いの言葉をかけた直後。


「ユーキ……やっぱおめえすげえよ……」


 ミーシャに助けに行ってもらった冒険者——カインが声をかけてきた。

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