第142話:助けてみたんだが①
◇
冒険者ギルドを出た俺たちは、巨大化したスイの背中に乗り込んだ。
人数が増えたので、俺たち五人はスイとアースの二手に分かれている。スイには俺とミーシャ、アリス。アースにはアレリアとアイナが乗っている。
「カルロン渓谷までだ。悪いが、急ぎで頼む」
「承知しました」
すぐに飛び立ち、猛スピードで目的地に向かう。
アインという冒険者がパーティリーダーを務めるパーティは、朝早くに出発したらしい。対して俺たちが出発した時刻は正午。
普通なら間に合わないが、空からの移動なら追いつけるはずだ。
ただの空振りに終わればそれが一番いい。だが、なんとも形容し難い胸のざわめきを感じる。受付嬢のハルカも同じように感じていたのかもしれない。
「そろそろ到着します。ユーキ様、どこで降りましょうか?」
ほんの数分で目的地上空までやって来られた。
「入口には……いないか。もう少し奥まで進んでくれ」
「承知しました」
アインたちは、思いの外早く到着していたらしい。普通に歩けばまだ道中でもおかしくないはずだが、かなり急いで移動していたようだ。
オークを十体倒すだけの依頼……それほど急がずとも日が暮れる前に王都に戻れるはず。何か急ぐ理由があったのか……?
疑問を抱きつつ、渓谷のどこかにいるアインたちの姿を探した。
「ユーキ、アレじゃない?」
ミーシャが指を差す方向を見ると、三人組のパーティがいた。
ハルカから聞いていた冒険者の特徴と一致している。
「ナイスだ、ミーシャ。あの三人で間違いない。……って、なんだ!?」
アインたち三人は百体を超える大量のオークに囲まれている。彼らの表情は険しく、苦戦を強いられているのが伝わってきた。
念の為、ステータスを確認しておくか……。
パーティリーダーであるアインを対象に『魔眼』を使う。
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名前:アイン・エチレン Lv15
クラス:剣士
スキル:なし
HP:8444/3698
MP:3111/983
SP:0
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攻撃力:C
防御力:B
攻撃速度:C
移動速度:D
魔法攻撃力:D
魔法抵抗力:C
精神力:C
生命力:C
魔力:D
[△△ 前へ] [TOP]
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全体的なステータス感として、Bランク冒険者としては不十分。Cランク相当といったところだろう。
他の二人もチェックしたものの、似たり寄ったりな結果。
受付嬢のハルカが懸念していた通り、間違いなくランクを偽装している。
——それはともかく。
カルロン渓谷のオークは一体でもそこそこステータスが高い。
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名前:オーク Lv20
クラス:魔物
スキル:なし
HP:50254/50254
MP:41532/41532
SP:0
[次へ ▽▽] [TOP]
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攻撃力:B
防御力:C
攻撃速度:B
移動速度:B
魔法攻撃力:C
魔法抵抗力:C
精神力:B
生命力:B
魔力:B
[△△ 前へ] [TOP]
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Bランク冒険者でもソロなら一体ずつが限界。ランクがどうこうというレベルの話ではない異常事態が目の前に広がっていることを理解した。





