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第109話:魔法書をもらったんだが②

「先日、王国から受け取った勇者なのだが……名前なんて言ったっけな」


「盾の勇者——カタン・アクジールでしょうか」


「そう、それだ」


「あいつが何か……?」


 勇者の受け入れ先は、帝国を含めた複数の国になっている。事前に話を通し、勇者を欲しがった国に対して送り込んだ。


「問題というほどではないんだが、時折無断で行動しているようでな……」


「無断行動、ですか」


「ああ。強力な力を持つ者——それも王国ではやらかしたことのある罪人ともなれば、こちらとしても無条件でその辺を歩かせるわけにはいかなかったのだ」


 それはよく理解できるし、正解だと思う。


 もちろんリスクはあるが、それを上回るメリットがあると考えて帝国は盾の勇者を受け入れた。ユリウスさんのやり方でうまくコントロールできれば、それがベストだろう。


「破格の待遇とまではいかんが、住居を用意し、申請があれば外出も許可するようにしているのだ。その申請だって外出する場所を書くだけの簡素なものにしている。違法な場所でなければどこでも許可もしている」


「かなり自由にさせていますね。それなら不満も溜まりにくいでしょう」


「そう思っていたんだが……どうも、勝手にどこかに出かけているようでな」


「申請書を出さずに外出……ということですか?」


「いや、申請書は出てるんだ。出てるんだが……申請書に書いてある場所とは違うところに行っているようなのだ。抜き打ちで申請書に書いてある場所にいるか確認しているのだが、見つからないことが頻発している。本人に尋ねても知らないの一点張りだ」


 ああ、なるほど、そういうことだったか。


「それは……大変ですね」


「うむ……しかし勇者を抑えられる戦力など存在しない。どうしたものか」


 実際に戦う姿を見たのはアレリアと戦ったファブリスしか知らないが、ステータスを見た限りでは他の勇者も大したことはない。


 もちろんカタンもだ。


 というか、大したことがあるなら、スイともう少し良い勝負ができていただろう。


 しかしその『大したことがない』というのは、俺やアレリア、アイナと比較しての話。


 一般的には勇者は今でも強いし、帝国内でも多勢の軍を投入してどうにか沈静化できるかというもの。


 ルールを破ってはいるものの、大きな問題を起こしていない現状で軍の投入は時期尚早だし、確かにこれは難しい問題だ。


「どうにかなりそうか?」


「少し難しいですが……なんとかしてみます。カタンの住居を教えてもらえますか?」


「ああ、そのくらいはお安い御用だ」


「ありがとうございます」


 こうして魔法書に関する交渉を終え、アレリアと一緒に部屋に戻った。


「ユーキ、お父様とあんな約束してしまって大丈夫なのですか……?」



 アレリアは心配そうに俺を見つめる。


 多分、アレリアは俺が安請け合いしてしまったと思っているのだろう。


 ある意味でそうではあるのだが、俺もなんの考えもなしに引き受けたわけではない。


「ちょっと考えがあるんだ。明日、早速やってみよう」


「もう何か秘策を思いついたのですか⁉︎」


「いや、秘策ってほど大袈裟なもんじゃないけどな」


「ユーキはさすがです!」


 どうやら、安心してくれたらしい。俺も一安心だ。


 さて、この作戦はカタンに気づかれたら終わりだ。


 アイデアを整理して、慎重にやらないとな。

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