第101話:明日の予定を立てたんだが
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「旅の疲れもあるだろうから、何泊か泊まっていくといい」という言葉に甘え、俺たちはそれぞれ帝城内の空き部屋を貸してもらい、帝城内で宿泊することになった。
ちなみに、それぞれと言いつつ、なぜかアレリアも一緒。
アイナだけは別部屋という構成になっている。
あのバカ親……じゃなく皇帝皇后夫婦の提案でこうなってしまった。
どういうわけか、当初想定していたこととはまったく別の方向に話が動いてしまった。
めちゃくちゃ怒られて一発殴られるくらいのことは覚悟していただけに、良かったと思いつつ、今後どうしようかと考えてしまう。
「怒られなくてよかったですね、ユーキ」
「まあな。とはいえ、とんでもないことになっちゃったけどな……」
「そうですか?」
「アレリアは軽く考えてるかもしれないけど、一応これ人生の大イベントがかかってるんだぞ……?」
「た、確かに言われてみればそうですね……!」
言われなくてもそうである。
まあ、過ぎたことを思い出しても仕方がない。
「明日はどうする?」
「何日泊まるかによると思いますけど……」
確かにそうだな。
一日でできることもあれば、一週間くらいないとできないこともある。
ちょっと聞き方が悪かった。
「せっかくなら街を歩いてみるとか、面白い場所があるなら行ってみるとか……観光ができれば楽しそうだと思う」
「あ〜! いいですね! 私、案内しますよ!」
「助かるよ」
普段は俺が色々と考えて行動することが多いが、帝都に関してはアレリアの方が詳しい。
任せてしまった方が効率が良い。それに俺もたまには楽をしたい。
「アイナにも来るかどうか伝えてきますね」
「俺も一緒に行くよ。遠い異国まで来て、同じ建物とはいえ別の部屋じゃ寂しがってるかもしれないしな」
 





