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見えてしまったモノ

微ホラー回です。

苦手な人は注意。怖くできてるといいな。

「じゃあ、そろそろ帰ろうか!」


シャーベットを食べながら時計を見ていた三木ちゃんが言う。


もう午後4時かぁ、たしかに、寒くなってきたし帰りたいかもしれない。

「そうだね!途中まで一緒に帰ろ?」


あの雑貨屋の何が良かったとか、この猫のストラップかなり顔の癖が強いとか、そんなことを話しつつ歩きながら

きのうの自称神…ツキのことを思い出した。


今日話をするとか何とか言っていたような……


「ねぇ、そこの子達!」「一緒に行こうよ」



え?

ちらりと声のするほうを見ると、チャラチャラした感じの服装が2人分見えた。


「暇なら遊びに行こうよ!」「一緒に行こうよ」


ナンパ……?のようだ

初めてあったなぁ。

三木ちゃんも気づいたようで、そちらを見る。と、あからさまに嫌な顔をした。


「私らこれから帰るんすよ。他当たって下さい。」


そう言うが、男たちは引き下がらない。

私はと言うと、初めての出来事+知らない人で持ち前のコミュ障が発動し

俯いてパニックになっていた。


そうしてる間にも、男達は食い下がる


「ちょっとお茶するだけだってば!見ての通り寂しいからさ〜!」「一緒に行こうよ。」


私の腕を男が掴む


「なんなら1人だけでもいいからさ!」「一緒に行こうよ」


……怖い

「離してください!!」


すると、三木ちゃんが我慢ならないと言ったふうに男の胸ぐらを掴む。

そして地面に叩きつけた。


「いい加減にして!!警察呼ぶよ!!あんたなんか1人寂しく麦茶飲んでろ!!」


……助かった…

いや、まって、そんなことより


『1人寂しく』???




「ねェ」



心臓が早鐘を打つ




「一緒''ニ いコウヨ''ォ」



見上げると、チャラい男の胸から上は赤く染っており

本来目があるはずのところには2つの空洞がぽっかりとあいていた。


腐った魚のような、なんとも言えない生臭さが漂った。


眼窩からごぽり、と血を溢れさせながらそれは言う。



私を指さしながら。


「ミエテル」


気がついたら、三木ちゃんの手を取り走り出していた。


急に走り出した私に驚いたのか

どうしたの、とか、そんなに怖かったのかとか話しかけているが


私はそれどころじゃない。


三木ちゃんが電車に乗る駅の前に着く頃には、2人とも息切れしていた


「ねぇ、本当に大丈夫……?」

顔真っ青だよ、と

心配そうに、顔を覗き込む


大丈夫だと誤魔化しつつ、電車遅れるよ、と

帰るように促す。


もし、あの化け物が三木ちゃんに着いて行ったら……?


考えるだけで怖い。


「じゃあ……私は帰るけど、後で電話するからさ、絶対出てよ!!」


そう言いながら、彼女は改札をくぐり人の波に消えていった。



ひとり。足早に帰路に着く。


自分の影が消えていく頃

相手の顔が見えなくなる、逢魔が時。



ヒタ……


後ろの方で、水っぽい足音がした。


タタッ

怖くなり、走る。


ヒタヒタヒタヒタヒタ



足音は、着いてくる。


「あ」


足がもつれ、転ぶ


立ち上がろうとしたが、足から筋肉が消えてしまったかのように力が入らず、這いずるようになってしまう。



そうしている間に、真後ろで足音が止まる。


ヒタリ



「イイイイイイイイイイイイイイイ」



そいつの顔の皮がドロリと溶け落ちる

落ちていく物は、皮膚とも、川のドブとも見えた


代わりにそこに見えたのは、うごめく白い無数の虫のようなナニカ


何とも言えない匂いをさせながら、外れかけたあごをニチャリと歪ませ、こちらに近づく


「あ、あ、あ……」


「荳?邱偵↓陦後%縺?h」


骨の見えかけている手が、首にかけられる


ああダメだ、死ぬ……

覚悟をして、目をつぶったその時


「思ったより気色悪いなお前」


そう言いながら、目の前の化け物を何かが殴り飛ばした。


昨日ぶりに見る、風になびく白髪、全体的に白い着物は、夜によく映える

「…………ツキ?」


「おう、お前も日が沈む前に帰れよな。」


遅い、と言い残し、吹き飛ばした化け物に向き合い直すツキは

間違いなく救世主だった。


次回主人公キャラ説明の後、ツキくん戦闘回です!

感想くださってありがとうございます!

にやにやしながら読ませてもらってます(*´˘`*)

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